福岡市医師会では, 平成4年から個別X線検診を開始し, 平成12年度から内視鏡検診も併用している。受診者数は, 年々内視鏡検診が増加して最近はX線検診の倍近くなっている。集団での間接X線検診との3つを比較すると, がん発見率・陽性反応的中度は, 予想された通り, 内視鏡検診(0.50%, 9.6%)・X線個別(0.26%, 3.1%)・X線集団(0.14%, 1.8%)の順に高かった。一次機関で撮影された画像のフィルム評価も行っているが, 十分満足できる成績ではなかった。逐年検診発見胃がん症例を見直すと, 前回の検査で病変が示現されている症例が38%と高率であった。一次検診機関での描出不良が主な原因であったが, 読影に問題がある場合もあり, 二次読影を含めて, 今後更なる努力・研鑽が必要と思われた。
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