日本消化器がん検診学会雑誌
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47 巻 , 6 号
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総説
  • 日山 亨, 田中 信治, 茶山 一彰, 吉原 正治
    2009 年 47 巻 6 号 p. 675-682
    発行日: 2009年
    公開日: 2011/04/15
    ジャーナル フリー
    遺伝子多型の検索が, 胃癌のハイリスク群の選定に用い得るかどうかについて, 過去のメタ解析論文のレビューを通して検討した。文献は2008年6月までにMedlineで検索可能な, 遺伝子多型と胃癌発生リスクに関してメタ解析が行われたもので, 英語で発表されたものとした。該当する研究は25あった。複数の研究で統計学的有意差が報告されたものは, TNFA -308, MTHFR 677, IL1B -511, IL1B VNTRの4領域あった。単独でH. pylori感染に匹敵するほどORの高い遺伝子多型は報告されていないものの, 複数の遺伝子多型の組み合わせで, H. pyloriに匹敵するORは得られる可能性が考えられた。また, H. pylori感染の有無の検索に加えて, 遺伝子多型の検索を加えることで, より詳細な胃癌発生のリスク評価が可能となることから, 遺伝子多型の検索は, 胃癌のハイリスク群の選定に用い得ると考えられた。
原著
  • 萩原 廣明, 山下 由起子, 八木 茂, 小板橋 毅, 石田 稔, 関口 利和, 茂木 文孝
    2009 年 47 巻 6 号 p. 683-692
    発行日: 2009年
    公開日: 2011/04/15
    ジャーナル フリー
    内視鏡個別検診における経鼻内視鏡の使用状況と胃がん発見精度を平成18, 19年度の前橋市内視鏡胃がん個別検診の成績から検討した。経鼻内視鏡の検査件数は1年間で2倍以上に急増していた。経鼻内視鏡の胃がん発見率は0.82%で経口内視鏡の胃がん発見率0.60%よりもやや高く, 発見早期がん比率には差がなかった。消化器内視鏡学会専門医施設は非専門医施設に比べ胃がん発見率, 早期がん比率ともに高かった。偽陰性がんは経鼻内視鏡よりもむしろ経口内視鏡でやや多かった。胃がん発見精度をさらに高めて偽陰性がんを減らすためには, 全体の画質の向上はもちろん, 標準撮影法に従った観察・撮影で未撮影部位をなくしていくことが必要である。
  • 加藤 勝章, 猪股 芳文, 島田 剛延, 久道 茂, 渋谷 大助
    2009 年 47 巻 6 号 p. 693-704
    発行日: 2009年
    公開日: 2011/04/15
    ジャーナル フリー
    【目的】PG法・X線法併用検診では必要以上の要精検率の増加が危惧される。本研究では, 種々のPG判定基準を用いた場合のPG陰性がんに対するX線法の検査精度について検討した。
    【対象】集検発見胃がんのうち尿中Hp抗体検査とPG法(PG I≦70 ng/mlかつPG I/II比≦3.0)を同時に施行し得た392例を対象とした。
    【成績】対象のPG陽性率69.6%, X線描出率は65.8 %であった。PG法は分化型早期がん, X線法は未分化型や進行がんの診断に優れ, 両者の診断能は相補的関係にあった。PG陽性判定基準としてPG強陽性(PGI≦30 ng/mlかつI/II比≦2.0)を採用した場合, PG陰性がんのうち, とくに, U領域の分化型・陥凹型早期がんに対するX線法の診断精度が低くなっていた。
    【結論】PG法・X線法併用検診では, 適正な要精検率を目指しながらも, 見落としがないようにX線法の弱点となる部位は不確実所見も積極的に拾い上げる必要があるだろう。
  • 齋藤 洋子, 中原 朗, 西野 弘美, 上甲 宏, 海老原 次男, 杉谷 武彦, 対馬 健祐, 富田 慎二, 平井 信二, 堀田 総一, 松 ...
    2009 年 47 巻 6 号 p. 705-721
    発行日: 2009年
    公開日: 2011/04/15
    ジャーナル フリー
    胃がん検診と大腸がん検診の地域がん検診受診率は茨城県では13%と16%, 全国集計成績では12%と18%であった。胃がん検診受診率は低下傾向にあるといわれているが, 茨城県のモニタリング調査からは, 地域検診, 職域検診, 人間ドック, その他の検診の全ての検診形態を含めると検診受診率はそれぞれ41%と36%であり, 胃がん検診と大腸がん検診の受診者数は減少してはいない。全国的には地域検診では女性が6割, 60歳以上が2/3を占めており, 人間ドックや職域検診では男性が6割, 40-59歳が2/3を占めている。しかし, 指針に基づき, 要精検率, 精検受診率, がん発見率等の精度管理の指標が示されるのは地域がん検診部分だけであり, 検診成績が把握できているのは実際の検診受診者の半数以下と考えられた。茨城県の検診未受診率は60%あり, 地域検診の初回受診者割合が20%未満であることとも合わせ, 受診率50%達成のためには強力な検診受診勧奨を要する。
  • 玉山 隆章, 岡崎 睦也, 田村 政紀
    2009 年 47 巻 6 号 p. 722-729
    発行日: 2009年
    公開日: 2011/04/15
    ジャーナル フリー
    当センターでは総合健診の一環として直接胃X線撮影による胃がん検診, 便潜血検査による大腸がん検診, 腹部超音波検診を実施している。総合健診受診者獲得のための当センターの取り組みを明らかにし, がん検診受診率向上策を考察した。受診者獲得のために個別健診向けにはホームページやパンフレットを利用した受診案内を, 職域健診向けには業務部門担当者による健康保険組合への渉外活動を行っている。また総合健診当日は原則全受診者に結果説明を行い, 要精検者には精検指示もその場で行っている。この体制のもと, 平成14~18年度の総合健診受診者が翌年も再受診した率は, 10回以上の受診者では85.6%であったのに対し, 初回受診者では45.1%に留まっていた。当センターのような総合健診施設では, 受診者数増加のために初回受診者を新規に獲得する努力を行うだけでなく, 翌年以降も受診してもらうためのフォローアップ体制を全ての職員で整えることが重要である。
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訂正(Vol.47, No.5)
地方会抄録
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