日本消化器がん検診学会雑誌
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48 巻 , 1 号
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第48回総会会長講演
  • 関谷 千尋
    2010 年 48 巻 1 号 p. 11-27
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/07/15
    ジャーナル フリー
    私が卒業した40数年前, 肝細胞癌(HCC)の予後は極めて悲惨であり, 僅か3ヶ月の命でしかなかった。肝細胞癌が急増するなかで早期発見・早期治療は必須の課題となり, 急速な進歩をとげた。腹部エコー・CTスキャン・MRIなどが普及し, 大多数の専門家が容易に小肝癌を発見出来るようになった。小さな肝癌発見に伴い, TAEやPEITが開発され, 積極的に侵襲の少ない治療を行なった。しかし, 幾ら局所を制御しても他部位からの再発により, 2~3年後にはがんだらけの肝臓となり, 我々の努力むなしく, ほとんどの患者は命を奪われた。そこで, 我々は1)肝細胞癌を根治可能な段階で発見する, 2)確実かつ侵襲の少ない治療法を活用する, 3)肝細胞がんが発症・再発しやすいF3肝炎や肝硬変への進展を阻止する, 4)肝細胞がん治療後の再発を阻止する, 研究を進めその成果を報告した。
特別講演
  • 土亀 直俊, 村田 友佳, 村上 晴彦, 粟津 雄一郎, 小山 みさ子, 西東 龍一, 西 潤子, 緒方 一朗
    2010 年 48 巻 1 号 p. 28-32
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/07/15
    ジャーナル フリー
    がん検診は開始から30年以上経過し死亡率減少効果をみた。しかし一般財源化された平成10年から低迷し始めた。更に平成20年から開始された生活習慣病を対象とした特定健診は, その前年度に成立したがん対策基本法を全く問題にすることなく行政側に経済的圧力をかけた。このためさらに受診率の低下を招いている。この最中にわれわれ検診従事者はがん検診の重要さを受診者, 行政, 事業主側に説明し勧奨しなければならない。さらに効率的な検診のやり方も検討すべきである。
総説
原著
  • 東山 佳代, 山崎 秀男
    2010 年 48 巻 1 号 p. 38-46
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/07/15
    ジャーナル フリー
    平成20年4月から健康増進法に基づく市町村事業としてがん検診が実施されることとなり, 厚生労働省への地域保健・健康増進事業報告の集計項目や集計時期が大きく変わることとなった。大阪府では「大阪府がん検診精度管理基礎調査」をこれまでの「地域保健・老人保健事業報告」より約半年遅らせて集計を行い, 精検・治療結果の詳細な項目を含めた調査を行ってきた。当調査のがん検診(胃, 大腸)のデータを用いて, 追跡調査期間の延期が集計結果にどのように影響をもたらすのかを予測するとともに, 今後のがん検診の精度管理のあり方について考察した。集団検診, 個別検診ともに精検受診率やがん発見率は上昇し, また, 精検結果や治療所見などの詳細な結果をもって, がん検診の精度評価が行えていた。平成20年度実施分以降のがん検診事業結果については, 従来よりも更に1年間の追跡調査期間が得られることになり, より実態を反映した集計結果が得られ, 精度管理指標となるデータが得られることとなることが立証された。
  • 辰巳 嘉英, 原田 明子, 松本 貴弘, 谷 知子, 西田 博
    2010 年 48 巻 1 号 p. 47-54
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/07/15
    ジャーナル フリー
    DVDを使用した経鼻内視鏡(経鼻)インフォームドコンセント(IC)の有用性を評価した。当科で上部消化管スクリーニングに経鼻を希望した156名に対して, ICの理解度につき10項目の正誤テストを行った。これらの対象は, A群(用紙でICを行う群 78名)とB群(用紙とDVDでICを行う群 78名)に分けた。テストの正解は, A群では看護師により説明し, B群ではDVDによる説明のみとした, 経鼻から経口内視鏡への検査変更率も比較した。B群の正誤テストの得点は, A群に比べ有意に高かった。検査の有用性の評価・抗血栓療法中の者への対応の2項目の正答率は低く, 両群で有意差はなかった。経鼻から経口内視鏡への検査変更率も両群で有意差はなかった。用紙とDVDを使用して, 経鼻ICの理解を促進することは有用であると考えられた。しかし, 検査の有用性評価, 抗血栓療法者の対応などのような内容にどのようにICを与えるかは, さらに検討を要する。
経験
  • 竹内 理恵, 西山 竜, 大西 雅彦, 赤井 祐一, 渡辺 俊一, 宇野 昭毅, 大谷 豪, 荻原 章史, 岡野 憲義, 中島 典子, 田中 ...
    2010 年 48 巻 1 号 p. 55-60
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/07/15
    ジャーナル フリー
    アメーバ性腸炎は粘血便, 下痢, 腹痛などの症状を特徴とする腸管感染症であるが, 検診を契機に発見される無症候性の患者も存在する。当健診センターで人間ドックオプション検査または免疫学的便潜血反応検査陽性精査のため下部消化管内視鏡検査が施行された計919例のうち, アメーバ性腸炎と診断された5症例(男性4例, 女性1例)について検討した。自覚症状は1症例で血便を伴っていたが4症例は無症状であった。感染経路は2例で異性間性交渉と考えられたが, 3例で不明であった。内視鏡所見は出血, 潰瘍, たこいぼ様ビラン, 白苔等多彩であり, 病変部位は回盲部に全例, 直腸にも3例に所見を認めた。年齢は3例が30歳台であり, 若年層の便潜血反応陽性者においても本疾患を念頭におき精査することが必要と思われた。
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