日本消化器がん検診学会雑誌
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51 巻, 5 号
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巻頭言
総会長報告
原著
  • 古田 隆久, 佐原 秀, 市川 仁美
    2013 年 51 巻 5 号 p. 531-542
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/10/15
    ジャーナル フリー
    ABC検診と先進医療での除菌を組み合わせた, 「ピロリ菌・胃がんリスク検診外来」を開設している。ABCリスク分類では, C群が最も多かった。また, 内視鏡検査を全例で施行しており, PCR法による高感度でのH. pylori感染の検出行うと, A群やD群でもH. pylori感染を認める症例が存在した。除菌は, 個別化されたレジメンで行っており, 除菌率は90%以上を達成している。また, 除菌により血清PGは大きく変化するため除菌のマーカーとしても有用である。ABC検診と個別化された除菌療法を組み合わせた治療スタイルは, 受診者の評判も比較的良好であった。除菌の前にABCリスク分類を行うことは除菌後の胃がん検診への啓発効果もあり有用である考えられた。
  • 佐々木 宏之, 佐々木 修一, 田中 新亮, 足立 経一, 吉村 禎二, 渡部 和彦, 佐藤 方則
    2013 年 51 巻 5 号 p. 543-552
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/10/15
    ジャーナル フリー
    島根県で行った胃がん集団検診読影結果(2010年度)を異常所見別, 委員別に検討した。異常所見として“変形”が最も高率(27.3%)に指摘されており, 新撮影法においても間接的所見が主要な異常所見であった。この“変形”の委員別指摘率と要精検率との間には高い正の相関(r=0.716)があり, 要精検率を高くしていることも示唆された。また“変形”の真の陽性反応的中度は0.12%極めて低く, 指摘する読影医の問題点と思われた。更に同一症例での読影状況を見るため, 陥凹~平坦型早期胃癌5症例(新・胃X線撮影法ガイドライン改訂版1より引用1))について, 読影医34名が単独で読影を行ったが, 結果に明らかなばらつきを認めた。このことは所見用語の統一と定義および読影過程の明確化が不可欠であることを示している。そこで読影結果から判定にいたる判断の根拠を示すために, 随伴した所見を明らかにする読影の流れを提案した。
経験
  • 高橋 祥
    2013 年 51 巻 5 号 p. 553-556
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/10/15
    ジャーナル フリー
    東日本大震災により甚大な被害を受けた陸前高田市は, 津波により市内の主要な施設が浸水しそれらのほぼ全機能が喪失した。がん検診に関しては, 震災後は病院の業務を縮小せざるを得なかったことと, 市役所の物的被害のみならず多くの人的喪失により保健業務の対応が困難となり, 平成23年度の消化器がん検診は中止となった。平成24年度の消化器がん検診再開にあたり, 病院では市内の各地域と仮設団地での健康講演会や, 新たに企画した被災者の生活不活発病予防を目的とした農作業プロジェクトにおいて, 参加者への検診勧奨を行った。住民のなかには震災ストレスでがん検診に意識が及ばない方も少なくないと推察され, 受診率向上に対しては被災地ならではの様々なアプローチが必要と思われる。
この症例に学ぶ
  • 望月 直美, 小林 正夫, 西大路 賢一, 宮田 正年, 宇野 耕治, 桂 奏
    2013 年 51 巻 5 号 p. 557-563
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/10/15
    ジャーナル フリー
    症例は61歳, 男性。人間ドックの上部消化管内視鏡検診で胸部中部食道に長径約2cmの隆起性病変を認めた。中心部には陥凹を認めたが, 辺縁部は既存の上皮に覆われており粘膜下腫瘍様形態であった。生検組織で免疫染色上クロモグラニンAとシナプトフィジンが陽性であり, 食道内分泌細胞癌と診断した。超音波内視鏡検査の結果, 食道外膜への浸潤を認めた。また多発肝転移を認め, StageIVbであった。化学療法としてCPT11/CDDPおよびVP-16/CDDPを行ったが, 9か月後に永眠された。食道内分泌細胞癌は進行が速く, 予後はきわめて不良である。稀な疾患であるが, 診断のためには臨床的特徴を把握しておくことが重要である。
  • 西 潤子, 牧野 泰博, 土亀 直俊
    2013 年 51 巻 5 号 p. 564-569
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/10/15
    ジャーナル フリー
    症例は63歳男性。検診にて血糖値の異常を指摘され, 腹部超音波検査にて膵の腫大と全体のエコー輝度の低下を認めた。8ヶ月後の再検時には総胆管壁の肥厚も出現した。CT検査にて膵はソーセージ様に腫大し, 辺縁に被膜構造を認め, 典型的な自己免疫性膵炎の所見を呈していた。総胆管や胆嚢管には強い壁肥厚を認め, MRCP上総胆管下部は狭小化し膵管には非連続性の狭細化を認めた。腎にも多数の造影不良域があり, FDG-PET検査にては膵, 腎への集積の他に唾液腺, 前立腺, 肺門にも異常集積を認めた。血清IgG4値は上昇し, 肝および腎からの生検組織にてIgG4陽性形質細胞の浸潤と線維化を認め, IgG4関連疾患とそれに伴う自己免疫性膵炎と診断した。ステロイド療法を開始し, 速やかに異常所見は改善した。IgG4関連疾患は全身に多彩な病変を呈する疾患であり, 画像所見も多彩であるが典型例を把握しておく事は重要である。
第51回日本消化器がん検診学会大会(JDDW2013) 講演プログラム
会長講演
特別講演
教育講演
日本消化器がん検診学会特別企画
日本消化器がん検診学会特別企画(主題)1
日本消化器がん検診学会特別企画(主題)2
JDDW International Debate Session (Featured Lecture)
シンポジウム6
パネルディスカッション6
ワークショップ1
ワークショップ19
ワークショップ24
ポスターセッション
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