日本消化器がん検診学会雑誌
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52 巻 , 1 号
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巻頭言
大会長報告
会長講演
  • 田中 幸子
    2014 年 52 巻 1 号 p. 20-27
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/02/15
    ジャーナル フリー
    膵癌による死亡者数は近年増加し2011年には5番目に多い癌であった。長期予後を改善するには無症状期の早期癌の診断が必須であるが, 小膵癌の検出には詳細な検査が必要であり, 一般健常者を対象としたスクリーニングは非効率的である。1)高危険群(主膵管拡張, 膵嚢胞)の検出, 2)高危険群に対する厳重な経過観察, 3)適切な精査による確実な診断, といった3段階からなる早期診断システムを提案する。大阪府立成人病センターでは上記の方式を1998年より実施し, 2011年までに診断された膵癌は切除率:74%, Stage0, IAないしIB(NICC分類):67%, 累積5年生存率:54.6%と好成績であった。将来的には, 膵癌も“超早期に発見, 局所低侵襲治療で根治”となることを期待する。
原著
  • 萩原 廣明, 山下 由起子, 茂木 文孝, 関口 利和, 八木 茂, 小板橋 毅
    2014 年 52 巻 1 号 p. 28-36
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/02/15
    ジャーナル フリー
    平成18年~22年度の前橋市内視鏡胃がん個別検診の成績を検討した。受診者は年々増加しており, 特に60歳以上の増加率が高かった。平均胃がん発見率は0.53%であったが, 年度別胃がん発見率は平成19年度から低下傾向にあり, その主な原因は新規受診率の減少であった。経鼻内視鏡使用施設は13施設から48施設に増えて, 経鼻内視鏡受診者も1,667人から9,651人に増加していた。検査医の内視鏡経験から専門医と非専門医に分け, 両群の胃がん発見率, 早期がん発見率, 生検率, 陽性反応的中度, 偽陰性率を比較したが有意差はなく, 専門医・非専門医に関係なく生検率と陽性反応的中度の施設間格差が大きかった。今後は胃がん検診未受診者の新規開拓と内視鏡診断能の施設間格差の縮小が課題である。
  • 仲本 雅子, 木長 健, 奥谷 俊夫
    2014 年 52 巻 1 号 p. 37-45
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/02/15
    ジャーナル フリー
    神戸製鋼関連事業所は2010年度からABC検診と内視鏡検査を組み合わせた新しい胃検診を導入した。2年連続血清ペプシノゲン(PG)値を測定した受診者16,837例のうち1回目と2回目で陰性, 陽性の判定が同じだったものが92.1%, 1回目と2回目で陰性, 陽性の判定が変化したものが7.9%で, このうち1.1%がPG陰性からPG陽性に, 6.8%がPG陽性からPG陰性に変動した。PG陽性化例のうち除菌施行例は32.0%, PG陰性化例のうち除菌施行例は80.7%で, 除菌の影響を除くと, PG陽性化率は0.7%, PG陰性化率は1.3%であった。リスク分類と内視鏡所見の乖離例やPG偽陽性, 偽陰性が疑われる症例がみられ, 可能ならば1回は内視鏡やX線など画像所見を加味しての判定が望まれた。PG値の変動は除菌判定に有効であるが, 除菌例ではPG値のみで萎縮度を推定することは困難であり, 除菌者の増加が予想される今後の課題の一つと考えられた。
  • 齋藤 洋子, 富山 芳丈, 上甲 宏, 岡安 啓介, 桑原 淳, 西木戸 理子, 皆川 京子, 海老原 次男, 対馬 健祐, 富田 慎二, ...
    2014 年 52 巻 1 号 p. 46-60
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/02/15
    ジャーナル フリー
    上部消化管X線造影検査被験者755人に尿中抗H.p抗体(以下H.p)法とペプシノゲン(以下PG)法を実施し, 読影を前向きに行い, H.p法とPG法の結果と対比した。X線画像上H.p未感染相当正常胃をA1, 慢性萎縮性胃炎をC2-4とした。PG法陽性は三木の基準(PGI≦70.0ng/mlかつPGI/II≦3.0)を用いた。
    除菌歴なし群は651人(86.2%)であった。H.p法陰性者の割合は40歳未満75%, 40歳代61%, 50歳代44%, 60歳以上31%であった。X線画像上のA1は275人中261人(95%)がH.p法・PG法陰性であり, Cの354人中322人(91%)がH.p法・PG法のいずれが陽性であった。
    X線画像上H.p未感染相当正常胃粘膜症例の殆どがH.p法・PG法(三木の基準)陰性群であった。現在実施されているX線法による胃がん検診の「異常なし」の判定は, H.p未感染相当正常胃粘膜に限るべきであり, 毎年の受診勧奨は不要である。背景粘膜を読影できる医師が充足できない場合, 画像の撮影と読影が不要で簡便である, H.p法+PG法に一次スクリーニングの位置を譲ることになろう。
  • 小宮山 恭弘, 百木 和, 羽生 大記, 森 敬弘, 伊藤 正, 清水 誠治, 水野 成人
    2014 年 52 巻 1 号 p. 61-69
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/02/15
    ジャーナル フリー
    目的:腹部超音波では脂肪肝が最多の所見だが, 全例の精査は困難である。近年異所性脂肪の内, 膵内脂肪が動脈硬化の危険因子として注目されている。そこで肝腎コントラストに膵脾コントラスト値(以下膵脾差)を加えることで, メタボリック症候群(以下MetS)を合併した脂肪肝を効率よく抽出可能か検討を行った。
    対象と方法:人間ドックを受診した脂肪肝患者121例を対象とした。MetSの併存をアウトカムに, 膵脾差について高膵脾差群と低膵脾差群に分け病態を比較した。
    結果:ROC解析より, カットオフ値は膵脾差45であり, 感度0.652 特異度0.702であった。高膵脾差群はMetSを高率に併存し, CT上の内臓脂肪面積も高値, 体重, BMI, ウエスト周囲径も高値であり, より動脈硬化症のリスクの大きい脂肪肝であることが示唆された。
委員会報告
地方会抄録
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