日本消化器がん検診学会雑誌
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53 巻 , 2 号
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巻頭言
会長講演
  • 松田 一夫
    2015 年 53 巻 2 号 p. 195-203
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/04/15
    ジャーナル フリー
    正しい消化器がん検診を行うには正確な実態把握が必要である。1995年から2002年に福井県で実施された大腸がん検診をがん登録と記録照合した結果, 中間期がんが19%に存在し右側結腸に多かった。なお中間期がんは検診未受診よりも予後良好であり, 私達は自信をもって大腸がん検診を推進すべきである。がん検診受診率の算出には地域に加えて職域での受診の把握が不可欠であり, 調査法としては国民生活基礎調査がある。ただし同調査による福井県での大腸がん検診受診率は2013年に43.2%で, 県独自の地域・職域全数調査による35.7%より高く算定され, 課題が残った。また地域保健・健康増進事業報告では2011年には個別検診が大腸がん検診の過半数を占めたが, 精検受診率は55.5%に過ぎず集団検診の73.6%よりも有意に低かった。今後は地域(集団・個別), 職域を問わずすべての人が正しい消化器がん検診を受けられるよう, 実態把握と精度管理において本学会が主導的役割を担う必要がある。
原著
  • 森 昭裕, 大橋 憲嗣
    2015 年 53 巻 2 号 p. 204-211
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/04/15
    ジャーナル フリー
    【背景・目的】患者受容性の高い経鼻内視鏡を実行するためには適切な鼻腔麻酔が必須で, スティック2本法(従来法)が有用とされる。しかし煩雑で時間がかかるという指摘もある。そこで従来法と同様の効果で麻酔処置時間の短縮を目的としたスライド式スティック法(スライド法)を開発し従来法と比較検討した。【方法】上部消化管スクリーニング目的患者100例を前向き無作為に従来法50例, スライド法50例に割り付け, 鼻腔麻酔中の鼻痛, 検査中の鼻痛, 麻酔処置時間, 鼻粘膜傷害につき検討した。【結果】スライド法は従来法と比べ鼻腔麻酔中および検査中の鼻痛, 鼻粘膜傷害は非劣性であり麻酔処置時間は有意に短かった(平均44秒)。【結論】スライド式スティック法は患者受容性に与える影響は従来法と遜色がないだけでなく, 麻酔処置時間を短縮できる有用な方法と考えられる。
  • 大野 健次, 高畠 一郎, 西村 元一, 上野 敏男, 鍛治 恭介, 羽柴 厚, 竹田 康男
    2015 年 53 巻 2 号 p. 212-216
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/04/15
    ジャーナル フリー
    多施設内視鏡検診における内視鏡的萎縮度判定が胃癌のハイリスク分類として使用することが可能かどうか検討した。対象は2008年~2011年の間に行われた40,011件である。方法は専門医によって分類されたC-0, C-1, C-2, C-3, O-1, O-2, O-3(木村竹本分類)について, 男女比, 平均年齢, 癌の発見率について検討を行った。C-0にC-1を加えたものをA群C-2以上をB群として検討した。結果 年齢のオッズ比1.039(p<0.048)女性に対する男性オッズ比3.146(p<0.0001)A群に対するB群オッズ比4.495(p<0.0001)A群と比較して萎縮の強いB群は年齢性別とは独立して有意に癌の発見率が高かった。金沢市では現在C2以上を胃癌のハイリスクとして受診者に通知しており, 内視鏡の萎縮度分類は多施設内視鏡検診においても胃がんのハイリスク分類として有用であると考えている。
  • 坂野 文香, 松本 能里, 久留島 仁
    2015 年 53 巻 2 号 p. 217-225
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/04/15
    ジャーナル フリー
    PG法はHp検査とともに胃癌検診に活用されている。当院人間ドックの胃癌検診は胃X線検査もしくは内視鏡検査を行っているが, 近年内視鏡検査の希望者が増加し, 内視鏡検査を勧めるべき対象者の絞り込みを検討している。そこでPG値から実際の萎縮を予測できるのかを検討した。
    除菌例, 胃酸分泌抑制剤の使用例, 胃切除後を除いた尿中Hp抗体陰性者476人, 尿中Hp抗体陽性者763人のPG値と内視鏡的萎縮を検討した。Hp陰性者の86.6%は有意な萎縮を認めなかったが, 残り13.4%にはC-2以上の萎縮があり, 高度萎縮例も認めた。萎縮例の95.2%はPGI40ng/ml以下またはPGI/II比4以下に存在し, これを, 萎縮を疑う基準と設定した。Hp抗体陽性者の検討では, 従来のPG陽性はO-1~O-3の高度萎縮をよく拾い上げていたが, われわれの設定基準を用いるとC-2以上の萎縮例の81.5%を拾い上げることができた。
  • 大洞 昭博, 小島 孝雄, 奥田 順一
    2015 年 53 巻 2 号 p. 226-232
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/04/15
    ジャーナル フリー
    当院で施行された上部消化管X線検診98,030例と内視鏡検診10,340例を対象とした。発見された食道がん症例の食道がんリスクの有無と胃がん症例の慢性胃炎の有無について調査し, その結果から胃がん検診の検査法の選択を検討した。発見がん(胃/食道がん)は, X線75/2例(発見率0.077/0.002%), 内視鏡21/3例(発見率0.203/0.029%)で, 50歳以上で内視鏡検診の方が有意にがん発見率は高かった(p<0.001)。早期胃がんの割合は, X線80.0%, 内視鏡81.0%で有意差はなかった。胃がん症例は, すべてHelicobacter pylori陽性と予測される萎縮した胃粘膜側で認められた。また, 全食道がん症例で何らかの食道がんリスクを有していた。がん発見率からは検診を全例内視鏡とすべきかもしれないが, 現実的には困難であり, また, ABC法では食道がんリスクの評価はできない。従来のX線検診を行い, HP感染による腺萎縮境界の進行を認める場合や食道がんリスクが高い症例を中心に, 内視鏡検診を行っていくべきである。
委員会報告
地方会抄録
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