日本消化器がん検診学会雑誌
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54 巻 , 2 号
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巻頭言
原著
  • 加藤 勝章, 千葉 隆士, 島田 剛延, 渋谷 大助
    2016 年 54 巻 2 号 p. 230-241
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/10
    ジャーナル フリー
    宮城県の住民検診は主に宮城県対がん協会が担っており年間約18万人が受診している。当協会は1次検診と精密検査の計画と実施, 精検結果の把握, 自治体への報告までを一括管理する宮城方式と呼ばれる精度管理体系をとっている。特に, 精検未検者対策には力を入れており, 精検受診率は95%と高水準を維持している。高濃度低粘稠バリウムやデジタル撮影装置の導入によりX線画像の質も向上しており, がん発見率は0.2%で推移しているが, 要精検率は6.7%にまで低下し, 陽性反応的中度は3.1%に向上した。早期癌発見率も78.9%である。平成26年度胃集検より, H.pylori感染に配慮した新たな読影区分を導入し, 胃炎・萎縮の無いH.pylori未感染相当胃を“異常なし”と診断して慢性胃炎とは区別している。時代の変遷に応じて胃X線検診も変わらざるを得ないが, 適切な精度管理のもと質の高い検診を提供することが受診者の利益にかなうと考える。
  • 川田 和昭, 村上 隼夫
    2016 年 54 巻 2 号 p. 242-247
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/10
    ジャーナル フリー
    静岡市では従来の対策型胃がんX線検診に加え, 2012年4月より内視鏡検診を導入した。行政が内視鏡検診導入に積極的であり, これに医師会と公的病院が協力し, スムーズな導入が実現した。開始後3年が経過し, 受診率は7.1%(13,840/194,930人)から10.5%(20,444/195,200人)へと増加した。また2012年度と2013年度を合計した比較では, 胃がん発見率はX線検診の0.06%(17/29,008)に対し, 内視鏡検診では0.18%(19/10,272)と有意に高い結果であった。現在精度管理協議会では胃がん検診だけではなく, 「ピロリ菌感染胃炎検診」を同時に行い, 速やかな除菌治療につなげるべく参加検査医の意識改革を図っている。今後は内視鏡検診を希望する受診者の増加が予想されるが, 内視鏡医の技術向上を含めた精度管理, 内視鏡医の確保が課題といえる。またABC分類を活用した効率の良い検診運用なども課題と考えられる。
  • 松川 泰子, 瀬古 千佳子, 松井 大輔, 渡邉 功, 小山 晃英, 尾崎 悦子, 栗山 長門, 水野 成人, 渡邊 能行
    2016 年 54 巻 2 号 p. 248-258
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/10
    ジャーナル フリー
    Helicobacter pylori感染が萎縮性胃炎を介して胃がんを発生させることは, 周知の知見であるが, 萎縮性胃炎についての生活習慣等の背景要因は十分に検討されていない。
    2011~2012年に日本多施設共同コホート研究J-MICC study京都フィールド3に参加した1,894人についてペプシノゲン法によって萎縮性胃炎の有無を判定し, 過去1年間の食習慣を含む生活習慣等の資料の揃った男性419人, 女性861人, 合計1,280名(対象者の67.6%)について萎縮性胃炎の背景要因に関する分析を行った。
    年齢, 喫煙状況, アルコール摂取の有無で調整し, ロジスティック回帰分析を行った結果, 男性において牛豚肉摂取, 女性においてヘモグロビン値低値, 受動喫煙がリスク要因, 男性の単変量解析において歯の本数が予防要因として検出されたが, 横断的調査であり今後更に前向き研究として検討していく必要がある。
  • 木村 光政, 多田 豊治
    2016 年 54 巻 2 号 p. 259-269
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/10
    ジャーナル フリー
    年々, Helicobacter pylori感染者が減少しているなかで胃がん検診対象者年齢の見直しが必要と考え, 1994年から2012年の19年間に胃がん症例数, 罹患年齢がどのように変化したかを本院での胃がん臨床症例でもって検討した。結果, 19年間に胃がん症例数は55例から29例に減少し, 早期胃がん罹患年齢は11歳高くなっていた。検診にて発見された胃がん症例の高年齢化もみられた。年齢別に見ると全胃がん症例のうち50歳未満は3.6%と少数で60歳以後の胃がん症例が84%を占めていた。効率的な胃がん検診にするために開始年齢を40歳から引き上げ男性50歳以上, 女性60歳以上とし60歳以後の年代層に向けた対策が急務と考える。
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