日本消化器がん検診学会雑誌
Online ISSN : 2185-1190
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ISSN-L : 1880-7666
54 巻 , 5 号
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巻頭言
総会長報告
会長講演
  • 須山 正文
    2016 年 54 巻 5 号 p. 620-623
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/10/22
    ジャーナル フリー
    膵癌の予後は未だ不良で, 死亡数は肝がんを抜いて第4位となった。罹患数の増加から見ても今後も増加する見込みである。膵癌の診断は画像診断のレールに乗ると小さな癌が診断できるようになっている。予後の良い癌は上皮内癌, 腫瘍径10mmまでの微少浸潤癌であることを述べ, 拾い上げ診断の重要性を強調した。膵癌の罹患数は3万人強で一般の検診に向かないので検診対象者を絞り込むためリスクファクターを用いることが必要と考えられた。
    膵癌のリスクファクターのうち耐糖能異常は約60%にみられ, 膵管内乳頭粘液性腫瘍の経過中に3例の膵癌が発生したことから糖尿病と膵管内乳頭粘液性腫瘍の経過観察が重要であるが, 糖尿病だけでも700万人を超しておりさらなる絞り込みが必要で年齢を加味した今後の大規模な検討に期待したい。
原著
  • 水谷 勝, 入口 陽介, 小田 丈二, 冨野 泰弘, 山里 哲郎, 岸 大輔, 板橋 浩一, 藤田 直哉, 山村 彰彦, 細井 董三
    2016 年 54 巻 5 号 p. 624-633
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/10/22
    ジャーナル フリー
    H.pylori抗体陰性かつ血清ペプシノゲン法(以下血清PG法)陰性である受診者は胃癌のリスクが極めて少ないため, 対策型検診の対象から除外することが可能である, とする報告がみられる。2004年から2014年までに当センターで治療を行った胃癌710例を対象に, それを検証した。
    H.pylori抗体陰性かつ血清PG法陰性胃癌(以下“陰性群”)は72例で, 全体の10%を占めており, 無視できる頻度とは言えなかった。これは除菌症例を除いた頻度であり, 血液検査と問診では拾い上げることのできない胃癌が10%存在することが明らかとなった。
    “陰性群”は内視鏡的萎縮の程度が有意に軽く, 年齢が有意に高かった。内視鏡的萎縮の程度が軽いとは言え, “陰性群”の85%は木村・竹本分類C-II以上の内視鏡的萎縮を伴っており, H.pylori抗体偽陰性例と推定された。これらを如何にして漏れ無く拾い上げることができるかが喫緊の課題であると考えられた。
  • 馬場 昭好
    2016 年 54 巻 5 号 p. 634-640
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/10/22
    ジャーナル フリー
    腹部超音波検診は広く普及しているが, 担当技師の技量に左右され精度の均一化が難しい。今回我々は日本人間ドック学会の判定基準を導入し, 要精査判定について導入前後での技師の精度における較差の評価を行った。対象は24598例, 導入前(9741例)は技師間の要精査率は1.10%から3.13%と差が見られたが, 導入後(14857例)では要精査率4.41%から5.95%と技師間の差も軽減された。導入前での判定は個々の技師で行っていたため, 判断に迷う場合は差が生じ要精査率に影響を及ぼしていた。導入後では技師の主観的な判断や曖昧な判定が減少し, 要精査率は全体的に上昇, バラつきが軽減されたと考えられた。判定基準の導入により技師の判定が均一化し, 精度の向上が示唆された。その後2014年に日本消化器がん検診学会より腹部超音波検診判定マニュアルが発表され, 現在当健康管理センターでも導入している。新しいマニュアル導入により, さらなる精度の向上を期待したい。
Letter to the Editor
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