日本消化器がん検診学会雑誌
Online ISSN : 2185-1190
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55 巻 , 1 号
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巻頭言
大会長報告
会長講演
  • 松元 淳
    2017 年 55 巻 1 号 p. 9-20
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/01/20
    ジャーナル フリー
    腹部超音波検診の本邦での歩み, 鹿児島県での現状を分析し, さらに本県の超音波技師へのアンケート結果から見えてきた今後の課題と対策について述べた。1)腹部超音波検診判定マニュアルの普及については各施設の認識を高め, 理解を求めることにつきる。2)検診精度についてはスクリーナーである検査技師の知識, 技術の向上が最も重要である。技師のスキルアップの機会を増やす環境を整えることも課題である。3)技師のみならず, 判定医そして精検医療機関の医師が腹部超音波検診について共通の認識を持つことが重要である。所見によっては精検医療機関を厳選することもやむを得ないと考える。4)超音波検診はがん検診のみならず生活習慣病健診としての意義も大きい。この利点をもっと受診者の利益につなげるべきである。私見ではあるが, これらの課題を解決するためには各地区で腹部超音波検診全体を強いリーダーシップで引っ張っていく組織の存在が必要である。
原著
  • 河端 秀明, 小林 正夫, 望月 直美, 宇野 耕治, 真田 香澄, 萬代 晃一朗, 西大路 賢一, 釜口 麻衣
    2017 年 55 巻 1 号 p. 21-30
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/01/20
    ジャーナル フリー
    当院人間ドック受診者1125名における内視鏡的胃粘膜萎縮度と胃がんリスク評価(ABC分類)との対比により, ABC分類の至適な陽性基準について検討した。三木らの陽性基準では, A群中に内視鏡的に萎縮を有する“偽A群”は17.6%(99/560名), また内視鏡的に萎縮のない群の中にD群と判定された“偽D群”は0.2%(1/467名)含まれていた。H.pylori抗体≧3.0u/mlを陽性とすると“偽A群”は8.5%(40/467名)に減少し, さらにPG陽性基準をPGI≦70ng/mlかつPGI/II比≦3.5に変更すると, “偽A群”は7.8%(36/459名), “偽D群”は1.0%(5/467名)となり, ともに低値に抑えられた。胃がんリスク評価において, 陽性基準の変更により“偽A群”を減らし“偽D群”の増加も抑えることができ, より精度が高いリスク診断と効率的な内視鏡検診が可能と考えられる。
  • 島田 剛延, 千葉 隆士, 加藤 勝章, 渋谷 大助
    2017 年 55 巻 1 号 p. 31-44
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/01/20
    ジャーナル フリー
    便潜血検査免疫法を用いた大腸がん検診の経験をもとに適正な要精検率に関する検討を行った。1)定性法(359,459名)と2種類の定量法(マグストリーム:296,354名, ヘモテクト:180,630名)の成績を比較した。2つの定量法のカットオフ値を操作して, 定性法の陽性率と同等にすると, がん発見率も同等になると算出された。すなわち, 検査キットが異なっていても, 要精検率が同等になるようにカットオフ値を設定することで, 同様の検診結果が得られる可能性がある。2)有効性が示唆された定性法の検診成績に基づき, 我々は要精検率3.9%, がん発見率0.27%を精度管理上の基準としてきた。要精検率を高くすることで, 当該年度の検診において, より早期に発見できる癌を増やせる可能性はあるが, 設定条件によってその効果や効率はかなり変動する。現時点では, 適正な要精検率は従来通り4%程度と考えるが, 5~6%の妥当性は今後も引き続き検討することが望まれる。
症例報告
  • 大澤 武, 浅田 康行, 木村 成里, 海崎 泰治
    2017 年 55 巻 1 号 p. 45-51
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/01/20
    ジャーナル フリー
    症例は57歳, 女性。胃がんスクリーニング目的で受けた内視鏡検査で胃穹隆部に最大径4cmほどの褪色調の結節集簇様隆起性病変を認めた。病変の形態は主に丈の低い小顆粒状隆起が集簇し, 一部が粗大顆粒状であった。超音波内視鏡検査では病変部は第1層と第2層の肥厚した均一な低エコー領域として描出され, 第3層構造は維持されていた。生検でGroup 3(胃型腺腫)を検出した。内視鏡検査と胃X線検査で背景胃粘膜に萎縮はなかった。抗H. pylori抗体価は3.0U/mL未満で陰性であった。以上からH. pylori未感染と考えられる胃に発生した超高分化型癌(粘膜内癌)と診断し, 胃局所切除術を施行した。術後病理検査の結果, 腺窩上皮型の粘膜内癌で, 萎縮のない胃底腺領域に発生した幽門腺腺腫の一部から生じたものと推察された。病変は粘膜内に限局していた。H. pylori未感染と考えられる胃に幽門腺腺腫に由来する胃癌が生じることは稀である。
委員会報告
地方会抄録
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