日本消化器がん検診学会雑誌
Online ISSN : 2185-1190
Print ISSN : 1880-7666
ISSN-L : 1880-7666
55 巻, 3 号
選択された号の論文の19件中1~19を表示しています
巻頭言
原著
  • 井上 和彦, 福嶋 啓祐, 眞部 紀明, 鎌田 智有, 春間 賢
    2017 年 55 巻 3 号 p. 340-348
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/05/17
    ジャーナル フリー
    若年者116名(18~29歳, 平均21.4歳)を対象とし, 尿素呼気試験(UBT)を基準としてImmunochromatographic assay(ICA)による尿中Helicobacter pylori(H.pylori)抗体の精度について前向きに検討した結果は, 感度92.9%, 特異度96.1%, 一致率95.7%であった。また, 医療系専門学校生77名(男性51名, 女性26名, 18~36歳, 平均20.8歳, 中央年齢19歳)を対象として, Enzyme-linked immunosorbent Assay(ELISA)とICAの二つの方法で尿中H.pylori抗体検査を実施し, 同じ日に行ったUBT, 血清H.pylori抗体と比較検討した。ELISAのUBTに対する感度は100%, 特異度は92.5%, 血清H.pylori抗体に対する感度は100%, 特異度は93.9%であった。一方, ICAのUBTに対する感度は80.0%, 特異度は94.0%, 血清H.pylori抗体に対する感度は81.8%, 特異度は95.5%であった。ELISAとICAの両法ともに偽陽性があり, 陽性反応的中率は75%程度とあまり高くなかった。一方, 偽陰性についてはELISAでは0名, ICAでは2名であった。以上より, 尿中H.pylori抗体は偽陽性が少なくないことを理解して使用すべきであり, ICAにおいては偽陰性にも注意が必要と考えられた。
  • 和田 幸司, 永田 浩一, 伊山 篤, 丸山 健, 高橋 美紀, 野村 美由紀, 滝口 昇吾, 金澤 英紀, 高林 健, 安田 貴明, 松本 ...
    2017 年 55 巻 3 号 p. 349-358
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/05/17
    ジャーナル フリー
    大腸CT検査の腸管前処置法としてポリエチレングリコール(PEG)溶液とヨード造影剤(C)を用いたPEG-C法が多施設共同臨床試験で採用され臨床応用されている。一方, 内視鏡検査ではクエン酸マグネシウム(MP)溶液も使用頻度が多い。そこで前処置の質に関して, MP-C法のPEG-C法に対する有意差検定を行った。
    PEG-C法48例とMP-C法48例の両群に対し大腸内の液体・固形残渣量(残渣なし0点~多い3点)と残渣のタギングの質(CT値)を評価した。
    大腸内液体残渣の全体の平均はPEG-C法で2.27点, MP-C法で2.02点, 固形残渣量はそれぞれ0.27点, 0.17点, 残渣のタギングは両群共に全腸管区分で200HU以上のCT値であった。両群共に大腸CT検査の腸管前処置として良好であった。
    大腸内液体・固形残渣の量およびタギングの質において, MP-C法はPEG-C法と同様に有用な前処置法であった。
  • 小野 博美, 小野寺 博義, 手嶋 紀子, 近 京子, 大水 智恵, 渋谷 大助
    2017 年 55 巻 3 号 p. 359-367
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/05/17
    ジャーナル フリー
    【目的】検診発見がんと病院発見がんの生存率を比較することにより, 腹部超音波検診の有効性評価を試みた。
    【対象および方法】対象は宮城県対がん協会の腹部超音波検診で発見された胆嚢がん5例, 膵がん5例, 腎細胞がん37例である。予後は宮城県地域がん登録と照合して調査した。対照として宮城県立がんセンターの胆嚢がん105例, 膵がん303例, 腎細胞がん294例を用いた。予後は院内がん登録のデータと照合した。Kaplan-Meier法にて実測生存率を求めた。
    【結果】胆嚢がんの5年, 10年生存率は検診発見群で60.0%, 60.0%, 病院発見群では13.6%, 11.7%で有意差があった。膵がんの5年生存率は検診群で20.0%で病院発見群の2.9%より良好であったが, 有意差はなかった。腎細胞がんの5年, 10年生存率は検診発見群で100.0%, 94.1%, 病院発見群では63.1%, 53.9%であり有意差があった。
    【結論】検診発見がんの予後は病院発見がんの予後より良好であるが, 検診の有効性を確立するには至ってない。10年以上の長期生存例ではがん死を免れたともいえる。現時点では超音波検診を継続実施し, 症例を蓄積してエビデンスを求めていく必要がある。
第56回日本消化器がん検診学会総会 講演プログラム
会長講演
特別講演
教育講演
シンポジウム1
シンポジウム2
ワークショップ1
ワークショップ2
一般演題
附置研究会1
附置研究会2
附置研究会3
附置研究会4
超音波フォーラム
放射線フォーラム
feedback
Top