日本消化器がん検診学会雑誌
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55 巻 , 5 号
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巻頭言
総会長報告
原著
  • 西川 孝, 芳野 純治
    2017 年 55 巻 5 号 p. 627-639
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/09/27
    ジャーナル フリー
    我々は長期経過観察することのできた胃X線検診受診者を対象に粘膜萎縮の変化について検討した。12年間経過観察できた1,457例中550例(37.7%)に粘膜萎縮を認め, うち81例(14.7%)に粘膜萎縮の変化を認めた。粘膜萎縮の退縮・改善例は萎縮が認められた550例中21例(3.8%)で, 萎縮の進行例は60例(10.9%)であった。粘膜萎縮の変化は50歳未満では少なく, 50歳以上に多くみられた(p≦0.01)。粘膜萎縮の退縮・改善例は39歳以下が多く, 40歳以上では進行例が多かった。
    12年間における粘膜萎縮の変化は, 退縮・改善例の21例中5例(23.8%)が粘膜ひだ領域は不変で, 粘膜ひだの形態と粘膜面の性状は, 全例が退縮・改善していた。一方, 粘膜萎縮の進行例は60例中49例(81.7%)に粘膜ひだ領域の変化を認め, 51例(85.0%)に粘膜ひだの形態変化を認めた。しかし, 粘膜面の性状変化は60例中21例(35.0%)と少なく, 粘膜萎縮の変化は, 多様であると思われた。
  • 松尾 康正, 安田 宏
    2017 年 55 巻 5 号 p. 640-646
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/09/27
    ジャーナル フリー
    【目的】内視鏡検査の際に食道胃接合部の観察が困難となる因子について検討した。
    【方法】上部消化管内視鏡を行った検診・ドック受診者692名を対象とした。食道胃接合部を全周性に視認可能な観察容易群(E群), 全周性に視認不可能な観察困難群(D群)とした。鎮静剤はミダゾラムを使用した。2群の年齢, 性別, 身長, 体重, BMI, 心肺並存疾患, 胃潰瘍, 鎮静, 食道裂孔ヘルニアの有無について調べた。
    【結果】対象者の内訳はE群575例(83.1%), D群117例(16.9%)であった。鎮静剤使用例はE群348例(60.5%), D群96例(82.1%), 食道裂孔ヘルニアのない症例はE群299例(52.0%), D群83例(70.9%)であった。ミダゾラムによる鎮静と食道裂孔ヘルニアがないことが食道胃接合部の観察を困難にする因子であった(それぞれp値<0.001)。それ以外の因子は2群間で差はなかった。
    【結論】上部消化管内視鏡においてミダゾラムによる鎮静を行うことと食道裂孔ヘルニアのないことは食道胃接合部の観察を困難にする因子であった。
  • 吉澤 和哉, 大泉 晴史, 阿部 靖彦, 佐々木 悠, 武田 弘明, 上野 義之
    2017 年 55 巻 5 号 p. 647-657
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/09/27
    ジャーナル フリー
    2015年に本学会より胃X線検診の新しい読影区分・管理区分が答申され, これまでは「異常なし」としていたHelicobacter pylori感染による慢性胃炎を対策型検診でも判読することが必要となった。山形県医師会では県内各地での研修会や機関紙で, 胃X線造影検査による慢性胃炎診断の普及に努めてきた。また, 「有効性評価に基づく胃がん検診ガイドライン」が2014年に改訂され, “胃内視鏡検査が対策型検診あるいは任意型検診のいずれでも推奨”とされた。今回, 県内の日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医に対してアンケートを行ったところ, 80%以上の専門医が慢性胃炎診断および受検者への通知が妥当・ある程度妥当と答えた。また, 胃内視鏡検診については, 90%以上の専門医が妥当・ある程度妥当と答えたものの, 本県全地域で内視鏡検診が可能と答えたのは17%のみで, 半数以上は条件を限れば可能と答えた。
  • 歌野 健一, 根本 大樹, 愛澤 正人, 高柳 大輔, 五十畑 則之, 永田 浩一, 遠藤 俊吾, 冨樫 一智
    2017 年 55 巻 5 号 p. 658-665
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/09/27
    ジャーナル フリー
    【目的】85歳以上の超高齢者に対する低用量前処置による大腸CT検査の安全性と有用性を検証する。
    【方法】85歳以上の47例(男20名, 女27名;年令中央値88歳, 最高齢95歳)を対象にした。前処置は前日の朝・晩に腸管洗浄剤380mlと水溶性ヨード造影剤20mlの混合液, 眠前にピコスルファートナトリウム水和物10mlを自宅で内服した。安全性は合併症の有無で, 有用性については検査不良例の頻度と病変発見率・陽性反応適中度で評価した。
    【成績】前処置および大腸CT検査に起因する合併症は認められなかった。腸管の拡張不良による検査不良率は4%(2/47)であった。残りの45例中, 6例に10mm以上の病変を認め, 病変発見率は13%(6/45), 陽性反応的中度は100%(6/6)であった。
    【結論】超高齢者においても, 低用量前処置を用いた大腸CT検査は安全かつ有用であった。
  • 山地 裕, 馬嶋 健一郎, 和田 亮一, 光島 徹
    2017 年 55 巻 5 号 p. 666-675
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/09/27
    ジャーナル フリー
    我々は便潜血検査免疫法(IFOBT)1日法と同時に実施した大腸内視鏡検診の成績から, IFOBTの感度と無症候者における大腸腫瘍有病率について報告してきたが, このデータセットを用いて陽性反応適中度(PPV)の推定を行った。初回の内視鏡検診の結果を検診対象者の大腸腫瘍の有病率として適用し, また通常の検診で行われる2日法の場合の推定のため, 1回ごとの各病変の陽性率が1日法の成績と同一, かつ1回ごとに独立である, と仮定した。
    浸潤癌に対するPPVは, 40歳代男性では2日法1回のみ陽性で0.3%, 2回陽性では10%, 女性は1回陽性0.7%, 2回陽性19%と推定された。同様に50歳代男性1.7%と26%, 女性0.8%と15%, 60歳代男性4.1%と49%, 女性2.9%と44%と推定された。同じ便潜血陽性であってもPPVは年齢とともに上昇し, また2日法2回陽性者は1回陽性の場合に比べ格段に高リスクと考えられた。
地方会抄録
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