日本消化器がん検診学会雑誌
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56 巻 , 5 号
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巻頭言
総会長報告
原著
  • 谷若 弘一
    2018 年 56 巻 5 号 p. 589-596
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/09/22
    ジャーナル フリー
    目的:間接胃集団検診の検査直前の禁煙による偽陽性者の減少効果を検討した。平成27年度に当健診センターで施行した間接胃集団検診の受診者5103名を対象とし, 受診時の問診内容から受診者の喫煙習慣と直前休煙時間を確認し, 検査直前の48時間以上の禁煙の達成が陽性判定率に与える影響についてχ2乗検定と二項ロジスティック回帰分析を用いて検討した。
    結果:喫煙者では, 検査直前48時間以上の禁煙達成者は陽性判定者が4.8%, 非達成者では15.9%と, 検査直前48時間以上の禁煙は偽陽性判定を有意に減少させた。
    考察:喫煙者の検査直前48時間以上の禁煙実施は, 間接胃集団検診後の不要な二次受診の削減に有用と思われる。
    結論:間接胃集団検診の検査直前48時間以上の禁煙実施は偽陽性判定を有意な減少に貢献した。この結果を喫煙者に周知することで喫煙の害に対する理解を深め, ひいては禁煙実行のファーストステップとしたい。
  • 満崎 克彦, 福永 久美, 坂本 祐二, 菅守 隆, 村上 晴彦, 村上 友佳, 土亀 直俊, 緒方 一朗, 西 潤子
    2018 年 56 巻 5 号 p. 597-608
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/09/22
    ジャーナル フリー
    我々は胃X線検診における検査困難例の実態と課題を明らかにするため, 熊本県内の検診施設にアンケート調査を実施した。胃X線検査の検査困難例の頻度とその内容は施設によって様々であり, 検診現場の放射線技師が安全に配慮し工夫しながら検査を完遂している実態が窺えた。全施設が検査困難例や中止例における内視鏡検査への誘導が必要と認識しており, 80%の施設が内視鏡へ誘導する基準やシステム構築が必要と回答した。受け皿となる対策型内視鏡検診の普及と周知も重要な課題と考えられた。
  • 重松 綾, 中島 寛隆, 八巻 悟郎
    2018 年 56 巻 5 号 p. 609-617
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/09/22
    ジャーナル フリー
    目的:Helicobacter pylori(以下H. pylori)感染による胃炎は胃癌発生リスクに関与すると認知され, 胃X線画像での診断が注目されている。しかしX線画像によるH. pylori感染診断精度は読影者の経験や知識に影響を受ける。そこで著者らはフラクタル次元を用いて胃X線画像の粘膜模様を数値化し, H. pylori感染の客観的な画像指標の確立を目指した。
    方法:胃X線検査と血清H. pylori抗体検査を同日に実施した100名を登録し, H. pylori抗体価から受診者を陽性群(抗体価10U/ml以上)と陰性群(抗体価3U/ml未満)各50名に二分類した。画像解析ソフトImage Jを用いて各群の二重造影像からフラクタル次元を測定し, その結果についてt検定と受信者動作特性曲線(以下ROC曲線)による統計解析を行った。
    結果:t検定では2群間でフラクタル次元の有意差が認められた(p<0.01)。また, ROC曲線からは感度82%, 特異度88%の結果が得られ, ROC曲線下の面積(以下AUC)は0.899であった。
    結論:フラクタル次元は, H. pylori感染の画像診断において客観的な診断指標になると考えられ, 将来コンピュータ支援診断に応用できることが示唆された。
  • 権頭 健太, 高橋 悠, 山道 信毅, 和田 亮一, 光島 徹
    2018 年 56 巻 5 号 p. 618-624
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/09/22
    ジャーナル フリー
    Latex凝集免疫比濁法を用いた血清抗体検査試薬H.ピロリ-ラテックス「生研」(以下Denka Ltx)の診断精度と胃癌リスク判定における有用性について検討した。Denka LtxとEプレート‘栄研’H.ピロリ抗体IIの試薬間の一致率はκ値=0.906であった。上部内視鏡検査を受けた5280人の健常者をDenka Ltxを用いてピロリ菌感染判定とABC分類により層別化し, 各群の胃癌発症について5年間前向きに観察し解析した。陰性群・陽性群の胃癌発症割合・累積胃癌発症率は0/3354例(0%)・0%, 13/1926例(0.67%)・1.41%, A群・B群・C群・D群の各群では0/3319例(0%)・0%, 4/1281例(0.31%)・0.45%, 9/645例(1.40%)・3.55%, 0/35例(0%)・0%, A群・BCD群では0/3319例(0%)・0%, 13/1961例(0.66%)・1.38%であり, いずれも有意差を認めた(P<0.0001)。以上により, Denka Ltxの胃癌リスク判定における有用性が示された。
  • 曽我 忠司
    2018 年 56 巻 5 号 p. 625-638
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/09/22
    ジャーナル フリー
    対策型検診の胃がんリスク診断における偽A群対策として以下の追加基準を設けた。PG-Iが35ng/ml以下, PG-IIが15ng/ml以上, H. pylori抗体価が5以上10U/ml未満, H. pylori除菌歴あり。従来基準でA判定でも追加基準のいずれかが陽性の場合は精査内視鏡を勧奨した。2013年度は従来判定A群の40.9%(4,052/9,916)が追加判定陽性となったが萎縮性胃炎を認めたのは46.4%(337/726)で偽陽性が多く改善が望まれた。2015年度から, PG-I低値とPG-II高値は60歳以上に適応する, 抗体価異常は3以上10U/ml未満に広げる, という追加基準改変を行った。その結果, 2015年度は従来判定A群の32.2%(1,218/3,782)が追加判定陽性でその69.1%(401/580)に萎縮性胃炎を認め, 不要な精検を減らすことができた。精査内視鏡後の経過観察がどの程度行われているかを2013年度精査分についてアンケート調査を行った。B, C, D群に限ると1回目は精査内視鏡の平均1.47年後に41.2%で, 2回目はその1.06年後に19.6%で内視鏡が実施されていた。ハイリスク群のサーベイランスとしてはまだまだ課題の残る結果であった。
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