日本消化器がん検診学会雑誌
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57 巻 , 1 号
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巻頭言
大会長報告
原著
  • 川田 和昭, 村上 隼夫
    2019 年 57 巻 1 号 p. 11-19
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/01/23
    ジャーナル フリー
    静岡市では2012年4月より内視鏡検診を導入, 検診受診率は導入前年の7.1%から10.2%へと増加した。また胃がん発見率は, X線の0.07%(早期胃がん比率47.9%)に対し, 内視鏡は0.25%(同73.8%)と有意に高い結果となっている。運用の過程ではいくつかの課題が挙げられているが, なかでも内視鏡医の確保と検診費用の増大は喫緊の課題といえる。精度管理協議会では2018年から内視鏡検査と同時に胃がんリスク層別化検査(いわゆるABC分類)を行い, 低リスク群(未感染群)を正確に抽出, この検診間隔を2年に1回にすることで, 検診機関への負担軽減を考えている。高リスク群を対象集約化することで, 限られた内視鏡資源を効率的に運用でき, 同時に検診費用の削減も可能になるものと思われる。
  • 加藤 勝章, 千葉 隆士, 只野 敏浩, 深尾 彰, 渋谷 大助
    2019 年 57 巻 1 号 p. 20-29
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/01/23
    ジャーナル フリー
    本稿では, 平成27年度検診において「胃X線検診のための読影判定区分」に準じてカテゴリー(以下, Cate)-1とCate-2に判定された受診者の次年度検診における胃がん発見率を検討した。Cate-1群からの発見率は0.009%と極めて低値であったが, Cate-2群の発見率は0.239%と有意に高値となった(p<0.001)。次に, Cate-2群の発見率を男・女別に比べると, 男性0.364%, 女性0.115%であり, 女性に比して男性のリスクが有意に高いことが示唆された(p<0.001)。さらに, 除菌歴がないCate-2群(50-79歳)では発見率0.259%であったのに対し, 除菌歴ありでは0.145%, 除菌成功では0.142%と有意に低値であった(p<0.05)。除菌なし群に対する除菌歴あり群と除菌成功群のオッズ比(95%CI)はそれぞれ0.558(0.326-0.955)と0.547(0.302-0.990)であり, 除菌には一定の胃がん抑制効果が期待された。以上により, 胃X線読影においてCate-1とCate-2を判別し, 性別や除菌歴を加味して胃がんリスクを想定することで, 胃がん発見効率を上げることができる可能性が示された。
経験
  • 小林 正夫, 望月 直美, 釜口 麻衣, 西大路 賢一, 前川 高天
    2019 年 57 巻 1 号 p. 30-45
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/01/23
    ジャーナル フリー
    京都府医師会消化器がん検診委員会は, 積極的に胃がん対策に取り組み, 2013年に「ピロリ菌感染を考慮した胃がん検診のあり方を検討する小委員会」を起ち上げ, 検診のあり方やピロリ菌感染を考慮した胃がん対策を検討した。その後, 2015年に提言書「行政とともに医師会が取り組むべき胃がん対策」を作成した。2016年5月には「胃内視鏡検診準備・検討小委員会」を起ち上げ, 内視鏡施行医の認定や二次読影を含む精度管理, リスク評価をどうするかなど, システム構築に向け検討を行った。その結果, 第1段階として, 胃内視鏡検診マニュアルに従い専門医が複数勤務する医療機関を検診実施機関とし, 胃内視鏡検診実施医療機関および胃内視鏡検診施行医(二次読影医)の認定条件を決定, 2017年6月に胃内視鏡検診及び胃がんリスク層別化検診を開始した。より良い胃内視鏡検診システム構築にむけて京都府医師会が行ってきた2017年度京都市胃内視鏡検診の取り組みを紹介する。
  • 田村 次朗, 安里 憲二, 外間 昭, 中村 献, 金城 徹, 平田 哲生, 藤田 次郎
    2019 年 57 巻 1 号 p. 46-55
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/01/23
    ジャーナル フリー
    現在, 膵・胆道疾患において腹部超音波検査が標準的な検診法として一般に認知されているが, その結果についての詳細な報告は少ない。2016年1月から12月までの1年間に, 豊見城中央病院附属健康管理センターで腹部超音波検診を施行した受診者を対象とし, 膵・胆道に関する結果を検討した。総受診者数は17248名であった。膵観察不良率は男性55.1%, 女性12.1%であり, 体型別では痩せ型/標準型/肥満型の順に男性16.3%/43.6%/70.0%, 女性1.4%/7.4%/27.8%であった。各臓器に何らかの所見を有する有所見率は膵1.1%, 胆道28.1%であった。各所見の有所見率のうち高頻度のものは, 膵で膵嚢胞0.61%, 主膵管拡張0.27%, 膵腫瘤0.19%, 胆道で胆嚢ポリープ18.7%, 胆石18.7%, 胆嚢腺筋腫症3.6%であった。要精検率は膵0.44%, 胆道0.35%であった。精検受診率は膵76.0%, 胆道71.8%であった。癌発見率は膵0.012%, 胆道0%であった。男性で標準型・肥満型, 女性で肥満型の受診者は膵描出能が悪く, 飲水法追加などの方法改善を要すると考えられた。
  • 若杉 聡, 佐藤 晋一郎, 山崎 信義
    2019 年 57 巻 1 号 p. 56-66
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/01/23
    ジャーナル フリー
    超音波検査の際に記録する画像の枚数と検査時間の関係を検討した。2017年5月25日~7月25日に行った50例(腹部超音波検診判定マニュアルのカテゴリー1が2例, カテゴリー2が18例, カテゴリー3が6例, カテゴリー4が11例, カテゴリー5が12例, カテゴリー4’が1例)の精密超音波検査症例について, 標準観察(大動脈, 肝, 胆道, 膵, 脾, 腎の観察)の時間と記録枚数, 全体観察(標準観察+精密観察)の時間と記録枚数を検討した。標準観察の時間は9分から47分(平均16分), 記録枚数は20枚から188枚(平均64枚)であった。全体観察の観察時間は, 11分から115分(平均20分), 記録枚数は22枚から632枚(平均125枚)であった。標準観察, 全体観察ともに, 記録枚数が増えるほど検査時間が長くなる傾向であった。症例のカテゴリー判定が高くなるほど標準観察の時間が長く, 記録枚数が多くなる傾向であった。しかし1分ごとの記録枚数は1.8枚から7.0枚(平均3枚)であった。これを参考にすると, スクリーニング検査の撮像枚数は, 1分あたり3枚であれば可能であると考えた。
地方会抄録
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