日本消化器集団検診学会雑誌
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41 巻, 3 号
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  • ELISA法による尿中抗Hp抗体測定法および血清抗Hp抗体価測定法 (HM-CAP法) との比較
    川村 洋, 栗原 竜一, 大谷 豪, 平井 貴志, 荻原 章史, 上原 毅, 小野 良樹, 岩崎 有良, 荒川 泰行
    2003 年 41 巻 3 号 p. 261-266
    発行日: 2003/05/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    2001年1月10日より8月31日までに日本大学医学部附属総合検診センターを受診した1011名 (平均年齢50.6±9.55歳, 男性701名, 女性310名) を対象とし, ペプシノゲン (PG) 法と抗Helicobacter pylori (Hp) 抗体測定の同時併用による胃癌検診の有用性と問題点を検討した。抗Hp抗体測定は尿中抗Hp抗体測定法 (イムノクロマト法) で行ない, ELISA法による尿中抗Hp抗体測定法および血清抗Hp抗体価測定法 (HM-CAP法) との一致率も良好で, 人間ドックにおいて有用な検査法であった。PG法および尿中抗Hp抗体とも陽性例において2例の胃癌が発見されたが, PG法および尿中抗Hp抗体とも陰性の517例には胃癌は認められなかった。胃癌検診においてPG法および抗Hp抗体測定の同時併用により胃癌の高危険群を設定するには年齢や地域性などを検討する必要があるが, 胃癌の低危険群の設定は可能であると思われた。
  • 安田 貢, 鳥巣 隆資, 山ノ井 昭, 仁木 美也子, 林 亨, 鹿児島 彰, 高橋 義典, 井上 博之, 坂下 修, 竹内 義員
    2003 年 41 巻 3 号 p. 267-275
    発行日: 2003/05/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    人口の高齢化が進むなか, 胃集検においても高齢者の位置づけを見直す必要がある。今回我々は, 高齢者の胃集検成績を分析し, その現況と問題点から今後の方向性について検討した。その結果, 高齢者は胃癌の高危険群であり, 胃集検において70歳代までは比較的効率よく早期癌を発見できるものと考えられた。発見された早期癌の特徴や高齢者の受診歴の動向からみると, 今後もEMRによる治療が増加するものと予想された。進行癌についても近年の胃癌治療の進歩により, 非高齢者同様の治療方法が選択される傾向を認めた。しかし高齢者の胃癌死亡率はまだ高く, 集検未受診者への受診勧奨や内視鏡検診の導入を検討することが重要である。また, これからは高齢者個々のニーズに応じた検診システムを構築することが肝要と考えられた。
  • 藤田 昌英, 阪本 康夫
    2003 年 41 巻 3 号 p. 276-283
    発行日: 2003/05/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    大腸がん検診での精度管理上の盲点, 即ち, 腸内での便滞留中に起こるヘモグロビンの変性による感度低下を防ぐため, 採便前に快便促進食を摂取し, 得られたより新鮮な便を検査する新しい検診法を試みた。快便促進食とは独自に考案した食物繊維と天然オリゴ糖の混合顆粒であるが, 顆粒服用の受容性は良好であり, 服用により排便がスムースになった割合も高かった。便潜血陽性率は塗布紙で2 日採便しマグストリームHem Sp法で検査した従来法の3市では6.5%以上であったが, 快便促進食を加えた新法の1町では5.4%と低く, 特異度向上の傾向が窺われた。初年度の受診者2,533名からの発見大腸がんは5名 (0.20%), うち早期が3名, 2日とも便潜血強陽性で発見された進行がんの1名は, 前年度は従来法にて陰性の偽陰性症例であった。この新しい検診法は快便促進により検診の感度, 特異度がともに向上する傾向が窺われ, さらに大集団で評価する価値があると考える。
  • 島田 剛延, 渋谷 大助, 今野 豊, 相田 重光, 森元 富造, 木内 喜孝, 樋渡 信夫
    2003 年 41 巻 3 号 p. 284-292
    発行日: 2003/05/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    精検受診率を高める方法を考察するとともに, 精検方法としての全大腸内視鏡検査 (TCS) の受容性を検討した。当施設の精検担当地域において, 精検説明会・検査予約・適正な検診計画と精検処理能の確保による待ち時間の短縮・受診勧奨等を行った結果, 1993~2000年度の精検受診率は95.3%であった。同様のシステムで地域の中核病院が精検を行った結果でも93.4%と非常に良好であった。以上より, 受診者の理解を深めること, 利便性の向上, 待ち時間の短縮, 受診勧奨等が精検受診率を高めるために重要と思われた。各地域における状況は様々であり, その結果, 精検システムは異なってくるが, 精検受診率が低迷する状況ではこれら4点からシステムを見直すことで改善が期待できる可能性があると思われた。TCS導入による精検受診率低下は認められず, TCSは精検方法として受診者に受け入れられるものと思われた。
  • 難波 美津雄, 砂川 正勝, 笹川 道三
    2003 年 41 巻 3 号 p. 293-300
    発行日: 2003/05/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    我が国の大腸癌集団検診は地域および職域において定着したものになり, 発見癌も早期癌が多く一定の効果を上げている。その検診対象は多くは壮年層を対象としているが, 大腸癌の推定罹患率は高齢者に高く, 高齢化社会を迎えた我が国においては検診対象に高齢者も含める必要がある。平成5年から12年までの栃木県保健衛生事業団の大腸癌検診で, 75歳以上の高齢者 (高齢者) は各年別にみると全受診者の1.6%から4.5%で増加の傾向があった。高齢者の大腸癌発見数は各年毎に0から8名で, 発見率は0%から0.39%で, 最近の2年間では74歳以下 (非高齢者) より有意に発見率が高かった。また発見癌は早期癌が多かった。教室で治療した大腸癌も近年高齢者が増加していた。臨床病理学的検討では高齢者大腸癌と非高齢者大腸癌で組織学的進行程度に差はなく, より早期の発見が必要であった。治癒切除例の累積5年生存率は高齢者結腸癌89.3%, 直腸癌82.3%で非高齢者の結腸癌81.3%, 直腸癌72.7%に比較して有意差はないものの良好であった。
  • 小野寺 博義, 鵜飼 克明, 鈴木 雅貴, 野口 哲也
    2003 年 41 巻 3 号 p. 301-305
    発行日: 2003/05/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    肝癌のハイリスク群である慢性肝疾患患者において, 三カ月毎に超音波検査と腫瘍マーカー測定を実施する管理検診で発見された肝細胞がん114例を対象とした。発見時年齢で59歳以下 (I群), 60歳代 (II群), 70歳以上 (III群) の三群に分けて生存率を検討した。七年生存率はI群41.7%, II群 21.9%, III群13.3%であった。C型の最大径3.0cm以下単結節症例についてみると七年生存率はI群 41.7%, II群43.1%, II群15.0%であった。いずれの場合もIII群の生存率はI, II群より有意に不良であった。また, 69歳以下, 特に59歳以下では早期発見による予後改善効果が有意に著明であったのに対して, 70歳以上では単結節で2.0cm以下の早期に発見しても予後改善効果は不良であった。
  • 2003 年 41 巻 3 号 p. 306-315
    発行日: 2003/05/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
  • 2003 年 41 巻 3 号 p. 316-345
    発行日: 2003/05/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
  • 2003 年 41 巻 3 号 p. 347-354
    発行日: 2003/05/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
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