日本消化器集団検診学会雑誌
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43 巻, 1 号
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  • 魚谷 知佳, 松永 哲夫, 出畑 正司, 村 俊成, 西 正美, 小山 信, 前川 信政, 摩伊 正義
    2005 年 43 巻 1 号 p. 5-12
    発行日: 2005/01/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    人口の高齢化に伴い, 高齢者胃癌検診の見直しは急務である。集団・個別検診の検討から, 高齢者胃癌検診の現状と今後のあり方について考察した。集団検診では高齢者 (65歳以上) の受診者は全体の約40%を占め, 胃癌発見率は年齢と共に増加し, 早期癌比率は65歳未満と同等の結果であった。高濃度バリウムの使用により検診効率は上がり, 高齢者における内視鏡的粘膜切除術 (EMR) の施行率は増加傾向を示した。しかし高齢者では, 胃X線検査の診断精度の低下や偶発症が問題となっている。一方, 個別検診でのペプシノゲン (PG) 単独法は, X線検査に比べ受診率や癌発見率が高く, 費用対効果も優れていた。高齢者に対しては, 今後PG法などの導入でまず検診受診率を上げ, 内視鏡検査に誘導する検診方法が効果的と思われた。
  • 斎藤 貴史, 新沢 陽英, 冨樫 整, 村松 正明, 河田 純男
    2005 年 43 巻 1 号 p. 13-19
    発行日: 2005/01/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    C型肝炎ウイルス (HCV) 感染症において, HCV感染後の経過は個人間で多様である。HCVに対する感染感受性の相違に関わる宿主の遺伝的要因を解明する目的で, HCVに感染した一般住民の遺伝子一塩基多型 (SNP) を網羅的に解析した。対象は, HCV高感染地域において肝臓病検診を受診した住民で, 遺伝子解析の同意の得られた675名である。HBs抗原陰性かつ抗ウイルス治療を受けていない HCV抗体陽性者は238名であった。HCV抗体陽性者において, 持続感染者 (189名) と既往感染者 (49 名) の二群間で遺伝子SNPを解析した結果, 10遺伝子における12SNPの出現頻度に有意差 (P<.05) が認められた。これらは, HCV感染に際し, ウイルスの細胞表面への接着と細胞内増殖, そして免疫担当細胞の働きに関わる可能性がある遺伝子である。今回の研究で検出された遺伝子群は, HCV感染感受性に関わる候補遺伝子であり, HCV感染症における機能解析が今後の重要な研究課題である。
  • 伊藤 高広, 松尾 祥弘, 吉川 公彦, 中西 攝子, 佐谷 徹, 廣橋 伸治, 浅川 勇雄, 玉本 哲郎, 高橋 仁志, 吉村 均, 斎藤 ...
    2005 年 43 巻 1 号 p. 20-27
    発行日: 2005/01/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    苦痛のない上部消化管検診法として経鼻内視鏡検査が普及しつつある。今回われわれは逐年検診受診者に対しこの手法を導入し, 38名の受診者に対してアンケートを実施し, その評価について検討した。結果1) 検査前は経鼻内視鏡検査に対し, 不安とともに高い期待を持たれていた。2) 検査時約4 割に鼻腔痛がみられたが我慢できないとするものはなかった。3) 咽頭反射の軽減により苦痛緩和につき高い支持が得られた。4) 次回内視鏡検査について従来の経口法2.6%に対し, 842%が経鼻法を希望した。5) 今後の検診法について, 57.9%が経鼻内視鏡のみでの検診を希望し, 経口内視鏡・X線検査の組み合わせを希望するものは皆無であった。以上より, 今後診断能についての詳細な評価を明らかにする必要があるが, 検診法のオプションとして受診者に経鼻内視鏡検査法の存在を提示していく必要があると考えられた。
  • 日本消化器集団検診学会東海北陸支部技師部会アンケート調査
    西川 孝, 村田 希世美, 村田 浩毅, 吉村 平, 川地 俊明, 曽根 康博, 秋山 俊夫, 恒矢 保雄
    2005 年 43 巻 1 号 p. 28-35
    発行日: 2005/01/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    東海北陸支部技師部会において日本消化器集団検診学会が認定した243名の胃がん検診専門認定技師を中心にアンケート調査を実施した。その結果, 新胃X線撮影法 (直接・間接) 基準案を知っていた者は826%であった。しかし, 現在新撮影法基準案を採用しているのは間接撮影16.3%, 直接撮影373% であった。追加撮影は99.0%が実施しており, 技師による所見レポートの記載は間接撮影が312%で, 直接撮影は54.7%が実施していた。施設内での撮影法の統一性は80%以上が統一された手順で撮影されていた。症例検討会には63.6%が参加していた。認定技師の更新については81.8%が更新をすると答えており, 他に必要と思われる認定制度は注腸X線検診専門技師や超音波検診専門技師であった。
  • 旧式のズーム式拡大大腸内視鏡OLYMPUS CF type 200Zと比較して
    尾上 耕治, 田村 正三
    2005 年 43 巻 1 号 p. 36-41
    発行日: 2005/01/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    近年, 大腸病変をより正確に診断するために人間ドックなどの検診施設でもズーム式拡大内視鏡が使用されている。当初のOLYMPUS CF type 200Z (以下旧式と略) は簡便さや画質にやや難があった。その問題点を解決すべく高画質ズーム式拡大細径大腸内視鏡OLYMPUS PCF type Q240ZI (以下細径拡大内視鏡と略) が開発された。そこで, 旧式にて発見され, 細径拡大内視鏡にて経過観察されたポリープ49病巣を対象に拡大観察の所要時間, 拡大像の質および明るさを比較検討した。細径拡大内視鏡は旧式より, 拡大観察の所要時間が短く, 拡大像も鮮明でかつ明るさも適していた。拡大内視鏡は改善され, 簡便かつ画質良好となり, また受診者の負担も軽くなったと推察された。細径拡大内視鏡検査は大腸検診におけるスクリーニングに適したものと考え, 普及することを期待する。
  • 針 里栄, 柴山 均, 清家 正隆, 首藤 能弘, 坂本 啓二, 姫野 克郎, 森 哲, 吉松 博信
    2005 年 43 巻 1 号 p. 42-46
    発行日: 2005/01/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    山香町立国保総合病院山香町では平成14年度の肝炎ウイルス検診導入に先立ち, 平成13年度人間ドック受診者全員にHCV 抗体検査を実施。その人間ドックの結果と同町での住民健診の結果を比較し, さらにHCV抗体検査の承諾が得られなかった受診者にアンケート調査を実施。人間ドックでは1304例中HCV抗体 (中~高力価) 陽性率は全体の7.9%と高率であった。一方住民健診では, 受診者1000例中肝炎ウイルス検診対象者は218例。そのうち実際のHCV抗体測定者は135例 (受診率61.9%), HCV抗体 (中~高力価) 陽性者は9例 (受診者の0.9%) のみ。アンケート調査では肝炎ウイルス検診の存在自体や検査が無料であることを知らない例, 肝炎検診や同意書の説明が理解できない例が過半数で, 検診の存在は知っていても, 面倒, 必要ないと思った等の意見が合わせて51%であった。今後は検診者に対する説明, 広報, 検診システムの改善が必要と思われた。
  • 藤田 剛, 藤原 仁史, 叶多 篤史, 尾阪 将人, 高木 浩一, 吉永 寛, 益澤 明, 渡辺 明彦, 板垣 康, 向井 秀一
    2005 年 43 巻 1 号 p. 47-53
    発行日: 2005/01/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    人間ドック受検者11272人において腹部超音波検査での脂肪肝を3913例 (34.7%) に認めた。中等度以上の脂肪肝では軽度の脂肪肝と比べ, 高脂血症, 肥満, 高血圧症, 糖尿病を有意に高率に認めた。脂肪肝における肝機能障害は32.2%に認められ, 高脂血症, 肥満, 高血圧症, 糖尿病を合併する頻度は, 肝機能障害を認めない脂肪肝より有意に高かった。脂肪肝と診断されたもののうち200例における約3 年間の脂肪肝の程度の変化は, 不変53%, 改善15.5%, 悪化31.5%であった。BMI, 体脂肪率, 中性脂肪値の変化が脂肪肝の程度の変化と有意に関連していた。脂肪肝の重症度や肝機能障害, 脂肪肝の程度の変化は生活習慣病と有意に関連しており生活指導の重要性が示唆された。
  • 古賀 充, 宮川 国久, 池田 敏, 小川 眞広, 北川 晋二, 瀬川 昂生, 平田 健一郎, 細井 董三, 松田 徹, 吉川 邦生
    2005 年 43 巻 1 号 p. 54-73
    発行日: 2005/01/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
  • 2005 年 43 巻 1 号 p. 78-102
    発行日: 2005/01/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
  • 2005 年 43 巻 1 号 p. 103-119
    発行日: 2005/01/15
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
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