日本婦人科腫瘍学会雑誌
Online ISSN : 2436-8156
Print ISSN : 1347-8559
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原著
  • 三澤 亜純, 三浦 紫保, 牛島 弘毅, 植竹 七海, 堀 祥子, 合田 真優子, 小池 亮, 稲葉 洋文, 三角 史, 水野 祥, 河田 ...
    2025 年43 巻4 号 p. 117-123
    発行日: 2025/10/25
    公開日: 2025/11/07
    ジャーナル フリー

    概要:【目的】局所切除可能な子宮頸癌IIIC1r期(cT1-2aN1M0)における手術療法(O群)と放射線療法(RT群)の治療成績を比較検討すること.【方法】2003年から2023年に初回治療を受けた51例(O群24例,RT群27例)を後方視的に分析した.【結果】5年生存率(O群81.6%,RT群76.0%,p=0.865)と5年無再発生存率(O群69.1%,RT群70.6%,p=0.824)に有意差を認めなかった.O群で若年者,非扁平上皮癌,画像上のリンパ節転移数が少ない症例が多く,排尿障害が高頻度であった.年齢,組織型,腫瘍径,転移リンパ節数,転移リンパ節短径別によるサブグループ解析でも両群の予後に有意差を認めなかった.【結論】局所切除可能な子宮頸癌IIIC1r期においてO群とRT群の予後は同等であったが,O群で合併症リスクが高かった.若年者,非扁平上皮癌,画像上のリンパ節転移数が少ない症例で手術療法が選択される傾向を認めたが,現行の選択基準を支持する根拠は得られなかった.背景因子に応じた最適な治療法を明らかにすることが今後の課題である.

症例報告
  • 吉田 昭三, 武田 麻衣子
    2025 年43 巻4 号 p. 124-129
    発行日: 2025/10/25
    公開日: 2025/11/07
    ジャーナル フリー

    概要:症例は23歳の未経妊女性.3週間前から続く右下腹部痛を主訴に近医を受診したところ下腹部腫瘤を指摘され,婦人科疾患を疑われて当科に紹介となった.超音波断層法検査およびMRI検査では下腹部を占拠する径15 cm超の腫瘤性病変を認め,腫瘤は一部に嚢胞成分を伴った充実性腫瘍であった.また,全身の造影CTでは遠隔転移は認めなかった.卵巣悪性腫瘍を疑って試験開腹術を行ったところ,腫瘍は子宮後面の右側から発生した後腹膜腫瘍である事が判明し子宮や卵巣との連続性はなかった.腫瘍の位置から右付属器の温存が困難であったため後腹膜腫瘍および右付属器を同時に摘出し,子宮と左付属器を温存して閉腹した.術後の病理組織診断では摘出した腫瘍は後腹膜由来の平滑筋肉腫であった.本人や家族と十分に話し合って追加治療を行う方針とし,補助化学療法としてドキソルビシン単剤療法を6コース行って経過観察中である.

  • 大月 美輝, 吉岡 弓子, 中村 しほり, 山内 綱大, 高折 彩, 岩井 夏実, 河合 恵理, 児嶋 真千子, 小薗 祐喜, 奥田 亜紀子 ...
    2025 年43 巻4 号 p. 130-136
    発行日: 2025/10/25
    公開日: 2025/11/07
    ジャーナル フリー

    概要:外陰上皮内腫瘍(Vulvar intraepithelial neoplasia:VIN)は,扁平上皮癌の前癌状態であり外科的切除が第一選択となるが,病変のサイズや位置によっては高度な侵襲を伴う可能性がある.海外ではVINに対するイミキモド外用のランダム化比較試験が報告されつつあり,外科的切除と同等の治療効果が期待されている.今回,VINに対しイミキモド外用を行い,部分的奏効が得られた症例を経験したため報告する.

    症例は59歳女性.外陰癌術後8年に術後断端である腟口周囲にVIN2を認め,経過観察されていた.徐々に病変の増大,進行を認め,術後11年目にVIN3に至ったため,積極的加療の方針とした.外科的切除は侵襲が高いと判断し,適応外使用ではあるが倫理審査委員会承認の上でイミキモド外用を行う方針とした.週2~3回のイミキモド外用を16週間行い,VIN1への部分的奏効が得られた.副作用は軽度の疼痛,排尿時痛を初期に認めたのみであり,その後症状は消失した.外陰部上皮内腫瘍に対し,イミキモドクリーム外用は比較的低侵襲でありながら治療効果を期待でき,治療選択肢の一つとなりうる.

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