図学研究
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34 巻, 4 号
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  • 河本 順子, 吉田 勝行
    2000 年 34 巻 4 号 p. 3-8
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    被験者の描いた絵の分析については, 心理臨床の場や発達心理学でよく知られている.そこでは, 被験者の心理状態を分析したり, 児童による描画表現の発達過程を考察することを主目的としているため, 描かれた図形の表現方法の図学的な特性については注視していない.描画を介した情報伝達の可能性を探っていくために, 本研究においては, ラオ人民民主共和国 (ラオス) の村民による村落描画を基礎資料とし, 人聞が本来持つ描画表現能力にはどのような図的特性が見られるかについて考察する。図学的知識や理論に殆ど囚われないまま自由に被験者らが用いた図的表現には, 3面表現や2方角表現, 複数の視点を使った群表現など, 通常の図法幾何学的表現とは違う方法があり, 子供の描画の発達過程で見られると報告されている表現と似ているものの, 図的な盃が少ない表現になっていることを明らかにし得た.
  • 阿部 浩和, 吉田 勝行
    2000 年 34 巻 4 号 p. 9-15
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    本研究は, 建築平面図を利用した読図テスト[1]Plan Interpretation Test (以下PITと呼ぶ) を用いて, 建築空間の把握能力について検討する.このPITは, 被験者に建物の一部を撮影した写真と平面図を提示し, 図上で, 写真のアングルがどの位置からどの方向を見ているかを解答させるものである.筆者らはPITを用いたこれまでの研究[1]において, 外部空間の識別が, 内部空間の識別に比較して難しいこと, また2層以上の吹き抜け等を持つ空間の識別が単に1層の室内空間の識別に比較して難しいことを明らかにした.
    本稿では, PITによる建築平面の表現法と空間把握の度合いについて評価する為, 97年度から99年度まで874人の被験者に適用し分析を行った.主要な結果は以下の通りである.1) PITの設問の中で, 写真をカラー化することで正答率が高くなる傾向がある.2) 今回のテストにおいて提示写真から家具を消すことで正答率が9.43%, 提示図面から家具を消すことで正答率が4.40%, 提示写真および提示図面の両方から家具を消すことで正答率が5.60%低くなる.3) PITの各設問における図面表現としてミリタリー投象のような平面図の上下間の重なりを意識させる表現方法での提示や, 断面図のような垂直方向の情報を追加しても, 外部空間の識別や2層以上の吹き抜け空間の識別が容易にはならない.
  • ―解答時間の分析
    堤 江美子, 山内 恭子, 鈴木 賢次郎
    2000 年 34 巻 4 号 p. 17-22
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    MCTにおける解答時間を立体視の影響という側面から分析するために, 従来, MCTに対して中・低得点群とされている女子を対象に立体視MCTと透視図MCTを行った結果, 以下のことが明らかになった. (1) 立体視することでMCTの全解答時間は約30%短縮された. (2) 両テストともに解答時間が短い問題ほど正解率が高い傾向にあった. (3) 立体視では, 両眼視差によって奥行情報が得やすくなり, MCTにおける情報処理過程のうち, 『図から立体および切断面を認識する』過程が容易になった結果, この過程に要する時間が短縮されると共に, 同過程において生ずる誤答が減少した. (4) 『立体の切断面による切り口を求め, (切断面を回転するなどして) 実形を認識する. (必要とあれば) 量判断を行う.』過程に主たる誤答原因がある問題では, (3) に関わる過程では処理に要する解答時間が減少するものの, 誤答の原因が他の過程にあるため正解率が上昇しなかった.
  • 小山 清男
    2000 年 34 巻 4 号 p. 23-26
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
  • 堤 江美子
    2000 年 34 巻 4 号 p. 27-37
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
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