図学研究
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35 巻 , Supplement 号
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  • ―CAD教育の必要性と効果的な指導法に関する一考察―
    荒木 勉, 掘越 眞理子, 山島 一浩
    2001 年 35 巻 Supplement 号 p. 1-6
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    東京家政学院筑波女子大学短期大学部情報処理科におけるCAD教育に関しての第2報。製図の基礎を知らない女子学生への教育実践を通し、学生自身が情報処理ツールとしてのCADに興味を持ち、積極的に学べる効果的な指導法について述べる。CAD操作の指導に入る前に、製図通則より入り図面についての基礎として文字や線、投影法を学び、興味が持てるよう立体や投影図などで作図のポイントをつかませてから、コンピュータによる作図へと進ませている。しかし情報処理科の女子学生への製図の指導は機械等の要素の入らない作図を通して学ばせている。これらの作図はハガキの大きさの枠の中に描く紙飛行機の図面であったり、斜にカットされた箱の展開図と製作、模型の機関車にあわせた建物の製作であったり、模型のモーターと単三電池でプーリーを介し、輪ゴムの動力伝達で走らせるケント紙のペーパーカーの製作、アクリル板で作るクリスマスツリーの飾りの作図など、作るための図面としてCADで描き、できあがったものの形状や機能を検討し、フィードバックをしてCADで描き直しながらより良いものになるよう改良を重ねる。最適化を踏まえた流れの中で自分の持つ企画時や作図時のイメージとの比較、また友達の作品との比較をしながら、学生自らの判断で改良のための思考活動へとスムースに導くことができるような教材として取り入れている。本情報処理科においてペーパーカーレースの背景にあるCAD教育のベースを、ここに報告する。
  • ―図法幾何学的課題とその実施結果―
    李 棟, 鈴木 賢次郎
    2001 年 35 巻 Supplement 号 p. 7-12
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    東京大学教養学部においては、市販の3D-CAD/CGソフトを用いて、形状モデリング、および、図的表現について、入門的な体験教育を行うことを目的とする図形科学実習コースウェアの開発を目指して、試行教育を実施している。このコースウェアは、図法幾何学を主内容とした図形科学講義の受講を前提としており、実習課題として図法幾何学的課題を併用することにより、3D-CAD/CGと図法幾何学の教育を有機的に結びつけることを意図している。本報では、試行教育で用いられた図法幾何学的課題、および、その実施結果について報告する。
  • ―3D-CADによる空間幾何課題の解法―
    鈴木 賢次郎
    2001 年 35 巻 Supplement 号 p. 13-16
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    3D-CADの普及により、図法幾何学は時代遅れになり、もはや (その教育は) 不要との意見が聞かれる。確かに、3D-CADによって、二点間の距離 (線分の長さ) や、二立体の相貫線は直接的に求めることができる。しかし、例えば、ねじれ二直線間の最短距離などは、市販の3D-CADによって直接的に求めることはできない。本報では、従来、図法幾何学が扱ってきた空間幾何学の問題を3D-CADで解いてみることにより、3D-CADによる空間幾何問題の解法に、図法幾何学的な考え方を適用することが有効であることを示す。
  • 堤 江美子, 湯川 法子
    2001 年 35 巻 Supplement 号 p. 17-22
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    本研究では、様々なユーザインタフェースを独自に使用している3種類の既製3D-CGソフトウェアをとりあげ、簡単なアニメーション作成課題を元に、初心者ユーザのソフトウェア操作状況からユーザインタフェースを分析した。まず、各ソフトウエアの基本画面では、 (1) GUIの設計方針、 (2) 文字表示と絵表示、 (3) 作業画面の構成 (4) 小ウィンドウやダイアログボックスの使用量などに違いが認められた。課題達成にいたる各作業の作業時間と操作数を調べた結果、練習効果、CGに関する原理の実現に対するソフトウエアの独自性、指示された作業とインタフェース上の表現のギャップなどが作業に影響を与えていたことがわかった。エラー分析から、画面自体ではアイコン中心の画面と文字ボタン中心の画面で使い勝手に違いがあることが、また、立体の表示に関しては多方向同時表示の機能がないと負担が大きいことがわかった。項目設定についてはデフォルト値が与えられていても詳細設定が多い場合に初心者は混乱した。その一方で文字表示の少ないダイアログボックスではユーザは理解に時間がかかり、適切な表現の文字情報が必要であると考えられた。表現という点では部品の親子関係が視覚的に把握できる図表現が好まれるなど、適切な視覚的情報の採用が重要であった。なお、ユーザインタフェースの問題ではないが、3次元空間の把握が苦手な被験者では2次元に投影された図の中で3次元の関係を効率よく操作することが困難な場面も見られた。
  • 平野 重雄, 吉田 英二, 中澤 洋二, 森光 康隆
    2001 年 35 巻 Supplement 号 p. 23-28
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    三次元CADの導入時期の期待度は, 製品開発期間の短縮や製品品質の向上などが主であるが, 期待した効果が得られていない面も多い.さらに, 設備投資額と教育コストが高いこと, 設計負荷の増大や技術習得の困難なことなどが三次元CADの導入前後の問題として挙げられている, また, 二次元CADにおける製品情報は, 設計者から製作者に明瞭な図示, 表示方法で意思伝達され一義性が保たれ, かつ品質保証が維持されていた.しかし, 三次元CADにおいてはその図示, 表示が明確ではなく現場に混乱が生じているようである.
    本報は, 三次元CADの導入に関する様々な問題点の検討ならびに調査内容を基に今後の三次元CADの在り方, 教育方法について言及している.
  • 近藤 邦雄, 岡崎 真知子, 土井 章男, 松田 浩一
    2001 年 35 巻 Supplement 号 p. 29-34
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    モーションキャプデータは、人の動きをそのまま測定するため、リアルな動作データが得られるが、冗長な情報を含んでいる場合が多く、動作の修正や変更には多くの手間と時間が掛かる。本研究では、測定した動きの特徴をそのまま生かし、冗長な情報を削減する手法を提案し、モーションキャプチャデータをユーザーにとって扱い易いものとすることを目的とする。そこで、モーションデータのxyz軸の角度データに対し制御点削減を行なう手法を提案する。この手法を用いて削減したモーションキャプチャデータの動作の比較や検討をしたした結果、提案手法を用いて削減されたモーションキャプチャデータは削減前と比較するとほぼ同等の動きをすることが確認された。また、特徴となる動きのみを抽出するため、動作強調法に対し有効であることが確認できた。この削減手法の特徴は以下の通りである。 (1) 測定した動きの特徴を生かした削減が可能である。 (2) 削減の割合をユーザがコントロールできる。 (3) データ量の削減が実現できるので大量の動きのデータベース構築に有効である。 (4) データ量を削減することによって、動きの修正が容易に行なうことができる。 (5) 削減したデータは動作強調法に対し有効である。提案手法により、元の動きの特徴を保持しながらデータ量は約50%に抑えることが可能となった。
  • ―紙風船の手法による傾斜した面を持つ立方体の折り方と、タイリングからの立体―
    松岡 龍介
    2001 年 35 巻 Supplement 号 p. 35-40
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    本稿は、立方体の紙風船の辺 (稜) を軸に面を回転し変形させることにより、その傾斜面の折り畳み方が、どのような変化をするのかを考察しながら、紙風船の折り畳み方の基本的な特性をより明らかにすることを研究の目的とした。立方体における傾斜面の位置の組合せから生成される形態と、それらの折り畳み方のパターンを整理し、その中から傾斜面が顕著に変化する2事例を考察の対象とした。それらは、立方体から、その面が傾斜した形状へと変化しても、傾斜面の対角線の交点には2つの直角が保持されていること。立方体をはじめ、これらの変形した紙風船は2次元へと閉じた2つのパーツで構成され、対称性を持ち、合同な形状となること。傾斜面の折り畳み方は、そのパターンに対称性を持ち、合同ないしは、相似の図形で構成される。また、傾斜面の折り畳み方のパターンを反転すると傾斜面が外側 (凸状) 、内側 (凹状) へと変化することや、台形や平行4辺形を押し出し生成した形態の傾斜面も同様の折り畳み方のパターンであることなどがわかった。また、文様の「麻の葉」や、正3角形と正方形を組合わせたタイリングから作る立体の実例を紹介し、前述の傾斜面の折り畳み方のパターンと、その応用を文様やタイリングに見立て立体を製作した。これらの中には、空間を充填する立体になる場合があることもわかった。今後、このような面を共有し連結する複数の立体が紙風船として、どのように折り畳めるのかも検討してゆきたい。
  • 蛭子井 博孝
    2001 年 35 巻 Supplement 号 p. 41-42
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    ここで述べる事柄の発端は、卵形線の次元の拡張である卵形面や卵形体の研究をするため、2年前、高次元多面体を模型で研究しようとしたことから始まる。そのツールとして、ゾムツールを知り、6次元立方体の3次元模型を作った。しかし、これは、5次元までが正確で6次元は、ゾムツールのたわみを利用した。さて、凹凸18面体は、正12面体を対称性を考慮し、等方的に拡大していって、見つけたものである。その実物の性質を模型で調べても、2次元の平面に報告書が書けず、MAPLEのCGの利用となった。しかし、その頂点の座標付けが、大変であった。しかし、本論のような、凹凸18面体の中心を見つけ、平面図立面図側面図を得た。また、それが、空間認識の図学教育に、従来にない多面体として、活かされるであろうし、これが、さらなる応用として、3次元空間分割充填問題に役立つことが予想されている。また、何かの分子模型になるかも知れない。
  • 齋藤 綾
    2001 年 35 巻 Supplement 号 p. 43-46
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    正多面体を形成する正多角形の代わりに、すべて同形で埋め尽くすことができるタイル割り模様のユニットを用いたさまざまな展開方法を考える。
    今回は正4面体、正8面体、正20面体を形成している正3角形もとにしたタイル割りユニットで正多面体を再構築し、そのバリエーションを考察する。
  • 佐藤 尚
    2001 年 35 巻 Supplement 号 p. 47-52
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    最近、時間進行につれて形状が変化する現象のCGによる再現の研究が行われている。これらの研究は、物理モデルに基づくものと現象学的なモデルに基づくもの2つに大別することが出来る。物理モデルに基づくものとしては、セルオートマントを利用したものがあり、現象学的モデルに基づくものとしては、Mathematical Morphology (モルフォロジー) に基づく形状変形オペレータを利用するものである。そして、物体形状をボクセルモデルで表している。一般のCG映像制作において利用するためには、ボクセルモデルではなく、ポリゴンモデルなどに対しても適用できる手法であることが望ましい。
    本論文では、モルフォロジーに基づく形状変形オペレータと似たような効果を持つ操作を、CSG演算を利用して実現する手法について述べ、その実現を試みる。ここで対象にした形状変形オペレータは、dilation、erosion及びこの二つのオペレータである。この二つのオペレータを合成して得られるopeningオペレータに対応した擬似的な操作を利用して、経時変化に伴う物体形状の変化を表現する。この手法では、実際に物体形状を変形するのではなく、レンダリング時に擬似的に物体形状の変化を計算し、それに基づいて表示を行う。
  • 本郷 健, 近藤 邦雄
    2001 年 35 巻 Supplement 号 p. 53-56
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    図形の感性評価に関する研究は、成人を被験者としたものがほとんどで子供を被験者としたものは少ない。そこで、本研究では単純図形の印象形成と児童・生徒の発達との関係に検討を加えようとするものである。
    実験では、底角を独立変数とした面積一定の三角形を被験者に提示して、図形から受ける印象を用語を使って5段階評価尺度で評価した。印象語は、28語からなる測定項目で構成され、「美一繊細」、「目立ち」、「カジュアル性」、「洗練性」、「保守性」の5つの次元をもつものである。被験者は、小学校5年生 (10~11歳) 、中学校2年生 (13~14歳) 、高等学校1年生 (15~16歳) の3つのグループから構成された。分析では、児童・生徒の3つのグループと先行研究における成人グループとの比較を行った。この結果、次のことが分かった。印象語の各次元への分布は発達段階により異なっていた。特に、小学校5年生の印象語の次元への分布は、成人の場合を基準としたとき、他の学年に比べ未分化の状況にあることが分かった。中学校2年生と高等学校1年生の印象語の次元分布は、成人の次元分布へほぼ同じ程度で近づいている。印象語の底角の変化に対するイメージスコアのいくつかは、小学生5年生の段階から成人の場合と同様の傾向を保持していることがわかった。印象語に対する評価の明瞭性は発達段階とともに明確になる傾向がある。
  • 早坂 洋史, 森田 克己, 松岡 龍介
    2001 年 35 巻 Supplement 号 p. 57-58
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    図形認識力における男女差は、よく知られているにも拘わらず、その理由は必ずしも明白ではなかったように思われる。A.Peaseらは、彼らの著書『話を聞かない男、地図が読めない女』の中で、人は性によって異なった構造の脳、いわゆる男脳と女脳を有しているとし、その構造の違いにより種々のシチュエーションでの行動パターンが異なっているとしている。例えば、一般的に女性は男性に比べ地図を読むのが苦手だったり、方向音痴だったりするのは、この脳の構造の違いによるものとしている。もしこれが本当ならば、特に図形を取り扱う図形科学系の授業でも、この男脳・女脳を考慮しての教授法の展開が必要となってくると考えられる。本報告では、A.Peaseらが提案している、男脳・女脳テストを紹介すると共に、男脳・女脳テストを著者らが所属する大学で実施した結果につき述べる。男脳・女脳テストの被験者数は、三つの大学で合計257名 (男109名、女148名) であった。テスト結果の点数により、男脳・女脳の分布図を作成した結果、男脳・女脳のオーバーラップ域 (150~180点) に約1/3の学生が含まれること、この範囲を男脳側に20点広げ、130~180点とすると、約半数が含まれること、男性のみの傾向としては、男脳側の130点と90点にピークを有すること、女性のみの傾向として、オーバーラップ上限値の180点と男脳域の100点の両方に二つのピークを有することなどがわかった。また、北海道大学社会工学系の学生 (男35名、女10名) の傾向と上述の全体傾向との比較の結果、約8割弱は男性であるにも拘わらず、オーバーラップ上限の180点にピークを有し、80~230点までの広範な学生層であることなどが明らかになった。今後の課題としては、男脳・女脳テスト結果と図形科学の成績や切断面実形視テスト (MCT) の点数などとの関連性、専攻の違いによる男脳・女脳テスト結果の違いや傾向、などについての詳細な検討は、今後の課題である。
  • 佐久田 博司, 迫田 時秀, 武士俣 貞助
    2001 年 35 巻 Supplement 号 p. 59-62
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    MCT (Mental Cutting Test) を判定基準とする、対話的教材の立体認識の短期的能力向上の可能性について実験的な評価を行った。従来のMCT試験と同等のものをPCのモニター上で行う方法を採用したが、例題に相当する部分について、学習効果を期待して、統制群を静的教材、実験群を動的対話型教材各10題の設問とした。t検定により、実験群の学習効果が統制群に比べ有意である可能性を示すことがわかった。
  • 椎名 久美子
    2001 年 35 巻 Supplement 号 p. 63-68
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    項目反応理論は, テストを構成する問題項目に正答する確率を, 被験者の能力値の関数 (項目特性関数) として表現するものである.本研究では, 被験者の能力が高くなるにつれてその項目に正答する確率が高くなるような関数としてロジスティック関数を用いたモデルを, 切断面実形視テスト (MCT) の正誤データに適用した.3パラメタ・ロジスティックモデルにおいて項目の特性を表現するパラメタのうち, 偶然に正答する確率は (1/選択肢数) に固定し, 大学生855名のMCTデータを用いて, 各問題項目の困難度と識別力の2つのパラメタを推定した.25問のパラメタの値は, 困難度・識別力共に, 比較的広い範囲に分布していることが示された.困難度パラメタが大きい問題および小さい問題は, それぞれ, 関連研究の分析において正答率が低い問題, 高い問題と一致した.位相構造が同じ選択肢が複数存在するために稜線の長さや角度などの量的な判断が必要になる問題では, 困難度パラメタが大きく, 識別力が小さい傾向が見られた.識別力パラメタについては, 立体に関する知識の有無や, 斜め面による切断などが影響を及ぼしている可能性が示唆された.今後, 女子のデータを増やせば, 同じ問題項目のパラメタが男女でどのように異なるか, などの分析が可能になり, 新たな視点からMCTで測られる能力の違いを論じることが出来ると思われる.
  • 森田 克己
    2001 年 35 巻 Supplement 号 p. 69-74
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    空間曲線としての螺旋どうしが絡み合った例として、生体内では、染色体にある遺伝物質のデオキシリボ核酸、すなわちDNAの二重螺旋構造が代表的である。また、われわれの日常生活では、縄やロープは螺旋の二重構造を示す典型的な例としてあげることができる。さらに、自然界では、蔓植物等において複数の螺旋どうしが絡み合った複雑な様相を見ることができる。本稿では、螺旋の二重構造に注目し、その生成を基本形として、CGを用いて、螺旋の多重構造のバリエーションを生成した。
    螺旋の多重構造のバリエーションの生成については、設定条件を次の通りに限定した。1螺旋の管の半径は一定、2.螺旋の旋回中心は一定、3.旋回半径については (1) 同一旋回半径によるコンビネーション (2) 異なる旋回半径によるコンビネーションに設定、4.螺旋の旋回方向については (1) 右旋回あるいは左旋回のいずれかの同一方向の旋回のコンビネーション (2) 右旋回と左旋回の両者のコンビネーションに設定、5.設定条件1・2・3・4から、旋回方向が異なる螺旋と旋回半径の長さが異なる螺旋のコンビネーションに設定した。以上の設定条件に基づき、螺旋の二重構造から六重構造までのバリエーションの生成を行い、数理造形的に検討した。
  • 渕上 季代絵
    2001 年 35 巻 Supplement 号 p. 75-78
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    本研究は唐草紋様の螺旋について、そのパターン的特徴から何らかの数理的要素を取り出し、パターン生成アルゴリズムの作成を目的としている。前回は風呂敷のパターンを対象に全体的特徴と部分的特徴について述べた。全体的特徴として、個々の螺旋が連結して全体を構成しており、しかも平面が螺旋によって均一に埋め尽くされている平面充填パターンであるとした。また、部分的特徴としては、個々の螺旋の形態的特徴と螺旋間の関係について明らかにした。今回は、全体的特徴である平面充填について検討し、螺旋による平面充填パターンの生成アルゴリズムの作成を試みた。まず、手がかりとして平面充填曲線の描画アルゴリズムを検証した。一定の操作で線を折り曲げていくと平面を埋め尽くすことで知られているこの曲線の各部分に螺旋を配置することで螺旋による平面充填が可能になると考えた。唐草紋様の平面充填以外のパターン的特徴として螺旋どうしは交叉がなく、連結していることが挙げられることから、これらを満たす配置の方法を検討した。
  • 井野 智, 辻 美奈子, 佐藤 仁一朗, 宮腰 直幸
    2001 年 35 巻 Supplement 号 p. 79-84
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    CADを用いて作成した建築パースの多くは、外壁のタイル目地、サッシ、ガラス窓などの表現が全面均一に仕上げられているため遠近感やスケール感に乏しく、点景や遠景の描き込みが不十分なため見る人に無機質な感じをあたえる。CAD作品のもつこのような欠点を改善するには、視点からの距離に応じて描き込みを簡略化する、所謂、省略遠近法の導入が不可欠である。本研究では、建築を描く際に画家やパース専門家が省略遠近法や点景などをどのように描画しているかを作品分析で明らかにするとともに、細密すぎる描画が遠近感を損ないやすい鉛直材の透視図上の幅を計算で求め、複線表現や着色限界の指標値を検討する資料を得ることを目的としている。
    前半の作品分析では、 (1) CADによる作品、 (2) 建築パース専門家による手描き作品、 (3) 画家または建築家による絵画各4例を相互に比較し、 (2) が建物自体の形態・色彩・テクスチャーや周辺環境をもっとも的確に表現していることを明らかにしたのち、複数のパース作品集より、 (1) 事務所建築、 (2) 商業建築、 (3) 公共建築、 (4) レジャー施設、 (5) 集合住宅各20例を抜粋し、建築細部の簡略表現や点景・遠景描画などの技法について定量的な分析を試みた。一方、鉛直材の簡略表現に関する定量的検討については、円形または正方形断面をもつ直材の透視図上の幅と、隣接材との隙間を求める計算式を導き、上記指標値を具体的に検討できる資料を提示した。
  • 小山 清男
    2001 年 35 巻 Supplement 号 p. 85-90
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    密教とともに日本へ伝わった曼荼羅は, その構図がきわめて幾何学的で, 直線と円とで画面を分割し, その間に諸仏の尊像を系統的に集合体として描いたもので, 日本の仏画の中で独自の分野をなしている。密教寺院では通常掛曼荼羅として胎蔵界, 金剛界の両界曼荼羅を, 修法壇の左右に相対するようにかかげるのであるが, それとは別に, 修法壇上に水平におく敷曼荼羅がある。これを平面図とみれば, 本来曼荼羅は三次元的な仏教的世界をあらわしているのではないかと思われる。ジャワ島のボロブドゥルは, 巨大な立体曼荼羅であるといわれているけれども, その形状はむしろインド, サンチーの原初的なストゥーパの形に似て, 宇宙にまで広く視野を拡げた密教的世界観にはそぐわないようにみえる。ストゥーパは, 北方仏教の流れによって日本に伝わり五重塔となったが, 南方仏教に伝えられたストゥーパは, ベル形となり, さらにそれが変化し, 整理されて, 喇叺状の曲面 (負の曲率曲面) に包絡されるようにもなる。そのような曲面に沿うように, 曼荼羅を平面図として立ち上らせてみると, 仏教的世界の中心をなす須弥山の模型図となりその上空の諸仏の住む空間が感じとれるように思われる。きわめて恣意的ではあるが, 曼荼羅を平面図として図学的に密教的世界観を具現してみた, 一つの試みである。
  • 梶山 喜一郎
    2001 年 35 巻 Supplement 号 p. 91-94
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    調査1では、図学を学ぶ大学生が標高投影図の等勾配線の作図課題を解く過程で使用する誤概念を明らかにした。作図課題で要求する等勾配の道路を作り出すには、標高投影図に記録した標高の知識を使用しなければならない。標高が高さを表す指標であると理解せず、これを図の等高線の水平間隔や斜面の間隔を表す指標であると誤解する学生がいた。道路の図形を標高投影図に記録するには、立体を平面図に投影変換する知識が必要である。立体の平面図では、道路の図形の水平成分の長さが図の道路の長さとして記録される。標高投影図を正しく読み課題の道路を正しく作り出した学生が、これを地図化する過程で、道路の長さが図には同じ長さで記録されると誤解する学生がいた。調査2では、立体の長さが標高投影図に保存されないということがこれを学ぶ学生に理解されていないことを確認する実験を行い、他の年度の学生も同じ誤概念を持つことを明らかにした。
  • 大村 勝, 坂本 勇, 細川 力
    2001 年 35 巻 Supplement 号 p. 95-96
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    概念設計の問題点と、これを大学教育に導入し、さらに社会におけるこの分野の自動化を思考するための当面の方策について述べる。子どもの頃から、自ら考える習慣のない状況で育ってきた、現在の大学生における設計教育では、まったく何もないところから、製品を創成することは、現在のところ不可能であるから、まず少人数による知識工学に基づく教育と、これをデータベース化した設計概念の修得を計る必要がある。
    過去においてなされた思考過程や考えだされたアイデアの根源は、多くは特許情報の中にかくされている。これらの先人の資産を有効に利用することによって、新製品開発が容易になる可能性がある。企業においては、すでにこのような考え方で製品開発を行なっている事例がある。
    市販のパッケージとしてのTRIZは、特許情報のデータベースであるが、ただ単なるデータベースではなく莫大な特許情報の基本を40の類系に分け、この基本的な考え方から新製品を開発していくもので、ただ意思決定は設計者側が行なわなければならない。したがって完全自動化ではないが設計過程を支援するシステムである。大学教育に、知識工学の導入と、特許情報を導入する必要性を提案する。
  • 面出 和子
    2001 年 35 巻 Supplement 号 p. 97-102
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    美術系の学生にとって, 図を描くことは, 言葉を使うことと同様に, 自身のイメージを定着させたり他人とのコミュニケーションのための表現手段である。しかし近年, 学生の立体の表現力が減少しているように思われる。彼らは立体や空間の表現を対象の観察によって実現しようとする傾向にあるが, 造形芸術の表現手段として立体や空間を描くには, 法則に従った図的表現法を理解することが重要である。図的表現の原理を学ぶことによって, それを使うかまたはそれを拒否して新たな表現を産みだしていくかを選択することもできるから, 造形の可能性が拡がる。ここでは, 女子美術大学に入学して間もない学生に対して, 高校までの立体表示の学習状況について, また実際に立体をどのように表現するかについて, アンケートを実施した。学習経験では, 透視投影または遠近法をのぞいて, 本来高校までに教えられるべき立体表示に関する用語や方法を教えられていないか, もしくは記憶していないことがわかった。立方体の図表現では透視投象的な図が多く描かれたが, 直方体の図表現では斜投影的な図が多かった。これは透視投影または遠近法についての理解が曖昧なためと思われる。立体や空間の図の表現方法は, 見えたように描くかまたは説明的に判るように描くかで異なる。美術大学では, 目的に応じた図的表現を具体的に教育することが必要である。
  • ―「点・直線・平面」の場合―
    澤田 吉苗
    2001 年 35 巻 Supplement 号 p. 103-108
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    大学における図学関連の授業は、受講学生にとってほとんど初めての内容であり、学習の初期段階で戸惑う学生がかなり見うけられる。高校数学における、「図形と方程式一点と直線」「平面上のベクトル」「空間のベクトル」等における内容と関連させて、授業を展開することは、特に入門期の学習者には有意義と考え、そのために、有用なソフトウエア開発を試みた。
    そのソフトは、高校数学の学習内容を活かしながら、図法幾何の作図過程の意味を理解させることを目指している。
  • 山内 一晃, 吉田 勝行
    2001 年 35 巻 Supplement 号 p. 109-114
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    大規模複合商業施設として1992年神戸ハーバーランド地区に実現した「神戸HL計画」を取り上げ、基本計画段階における設計打合せで提案されるスタディ模型、フリーハンドによる平面図、透視図、立面図などの設計資料と「設計打合記録」に記述された言語をそれぞれの設計打合せ毎に分類・整理し、その変遷を時系列的にたどることで建築形態の構成過程を考察する。その結果、「神戸HL計画」の建築形態は、基本計画の初期段階ではボリウムスタデイを目的とした粘土模型、次の段階では建物配置や空間構成を表現したダンボールによる積層模型、後半の段階では立面図を貼り付け建物の表情が読み取れるデザインボードやスタイロフォームによる外観模型が制作され、設計過程の各段階で様々な形態操作が繰り返し行われて次第に収斂して行くこと、設計者は設計条件が完備した上で形態を構成するのではなく、不確定な設計条件下で、しかも設計打合せのたびに設計条件が変化するという状況下でいくつもの形態を作り上げ、こうした形態操作の繰り返しが基本計画そのものであることなどが明らかになった。
  • 河本 順子, 吉田 勝行
    2001 年 35 巻 Supplement 号 p. 115-120
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    ラオス人民民主共和国においては、数多くの開発事業が行われており、そこでは住民参加が推進されている。学歴も識字率の低い地域においては、住民は表現のツールさえ十分に持ち合わせていないのが現実であることから、住民参加を効果的に進めるためには、住民の意見や要望を引き出すことそのものが命題となる。筆者らのこれまでの研究から、描写を手がかりにした住民参加による山村計画の仕組み作りの可能性について探ることが可能と考え、本研究では、ラオス住民が描いた住居の現況図と将来図の比較によって描画特性を明らかにし、住居に対する住民の要望のコンテキストを読む手がかりとすることを目的とする。分析・考察の結果、通常の図学的表現とは異なる表現が見られる、住民による描画には概して現実にある住居形態が十分に表現されている、伝統的形態からの変化が多く見てとれる中でも精神性に関わる要素は踏襲されているなどの事柄について明らかにした。
  • 阿部 浩和, 吉田 勝行
    2001 年 35 巻 Supplement 号 p. 121-126
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    大阪大学工学部では建設系の学生を対象として、LINUXを用いた図学実習を実施し以下の結果を得た。LINUXを用いたグラフィックスプログラミングの導入は、以前のNEXTを使った方法に比べて学生の成績に目立った差異は見られない。今回実施した範囲では、透視図ショードローイングの成績とグラフィックスプログラミングによる色彩構成の成績の間には相関関係は見られない。プログラミングの修得から、ワイヤーフレームモデルの作成までに要する部分に実習の過半を使ってしまうことからドローイングの実習に割く時間が圧縮される傾向にある。また今後、ショードローイングの部分を充実させるために、グラフィックスプログラミングの段階を効率化し、既製の3DCAD等の導入も視野に入れた検討が必要である。レンダリングの手法として、LINUXのGIMPを使う方法は、陰影や着彩による視覚的効果を考えながら実習することが可能であり、また写真とワイヤーフレームモデルとの合成も可能なことから、透視投象における消点の概念を理解させる教材としても効果が期待できる。
  • 吉田 勝行, 吉田 将行
    2001 年 35 巻 Supplement 号 p. 127-132
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    パーソナル・コンピューター, カラー・プリンター, ディジタル・カメラ等のハードウェアと画像処理ソフトウェアの普及により, 3次元立体や空間に関する図や写真の加工が容易となり, その結果が説明図として, 一般にも利用されるようになってきている。しかし, 図法に対する理解が無いまま3次元立体や空間に関する図に加工がなされると, 思いもよらない誤りが図中に生じ得る。しかも, 平成10年12月14日に告示の小学校及び中学校学習指導要領, および平成11年3月29日に告示の高等学校学習指導要領によれば, 高校卒業までにこうした事柄について学ぶ機会は設けられていない。身の回りの空間や立体を図として正確に美しく表現し, 誤り無く他に伝えるための素養は, 加工された図が一般に流布する時代には, 文字による正確で美しい文章の作り方等と同様に, 初中等教育の中で修得させておく必要がある重要な項目の一つである。図的表現についての許容限界を吟味して, 初等および中等教育に盛り込むべき内容を検討する。
  • ―チェルニホフの軸測投象における目的と手段―
    加藤 道夫
    2001 年 35 巻 Supplement 号 p. 133-138
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    2000年度本部例会では「ソ連のピラネージ」とも呼ばれるチェルニホフをとりあげ, その集大成ともいうべき書『建築的ファンタジー』に掲載された軸測投象の図版を分析し払分析は, 1) 同書の構成2) 白黒図版の軸角度3) 縮率の算出から行われ以下のことがわかった.1) 軸測投象と透視投象双方の使用が認められる. 2) 軸測投象に関しては, カヴァリエ投象, ミリタリ投象, 等測投象以外の軸測投象が多用される. 3) 軸角度から算出される主軸方向の縮率と円弧の表現から算出される縮率が異なっている. したがって, 軸角度とは独立に主軸方向の縮率が使用されている可能性が高い本研究では, その結果を踏まえて, 『建築ファンタジー』に先だって出版された『建築および機械形態の構成』の図版を同様に分析した.その結果, 『建築ファンタジー』とやや異なる結果を得た. すなわち, 1) 軸角度から算出される縮率比は, 5パーセントの誤差範囲内で最大値を1として小数点一桁の値に近似できる. 2) 『建築ファンタジー』の分析で指摘した円弧の表現と軸角度から算出される縮率の相違は約2から4パーセントである. 3) 以上から『建築および機械形態の構成』の軸測投象はほぼ正しいといえる.
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