造形要素の組み合わせによる造形メソッドを用いたグラフィック教育とは, 色・形・コンポジション・テクスチュアといった基本的な造形要素と, それに連なる下位の造形要素を組み合わせることにより, 複雑な芸術へと発展させる教育カリキュラムである.小論では「造形要素の組み合わせ」という点に着目することにより, 造形要素の組み合わせによる造形メソッドを用いたグラフィック教育をパーソナルコンピュータを用いて数年に渡り実施した結果の評価を試みた.結果としては, 授業に対する学生の評価は比較的高く, コンピュータ上で簡単に造形要素を組み合わせることが出来るようになった為, 作品の制作時間が短くなった.しかし手軽に制作できるようになった反面, 一部では作品が安易で単調となる傾向が見受けられた.試行錯誤を必要とするような課題設定することにより, 安易な作品制作を防止することには, 教育効果の向上が認められた.
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