3DCG/CADソフトウェアでデザインされた形状を手軽に実体化する手法として紙模型 (ペーパークラフト) は有効である.近年では多面体形状を展開図にするための市販ソフトウェアが登場し, オリジナルのペーパークラフト作品がインターネット上に公開されるようになってきている.規模が大きく複雑な作品も作られるようになりつつあるが, 従来のソフトウェアでは展開図作成後に3D形状に変更の必要が生じた場合は, 再び展開図を作成し直す必要があるため, 手戻りのコストが大きいという問題が生じるようになってきた.また実際に組立てる立場のユーザが, その組み立て方を理解することが困難であることも問題となりつつある.本稿では, これらの問題を解決するための新しい手法として, 既に存在する展開図に対して3D形状の変更を反映する方法, および組み立て方の理解を支援する機能を提案する.提案手法をPC上に実装し, 複数のペーパークラフト創作家および組み立てる立場のユーザからの評価をまとめた.
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