図学研究
Online ISSN : 1884-6106
Print ISSN : 0387-5512
ISSN-L : 0387-5512
53 巻, 4 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
研究論文
  • 辻井 麻衣子, 木多 彩子
    2019 年 53 巻 4 号 p. 3-13
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/12/01
    ジャーナル 認証あり
     本研究の目的は,実際の空間で建築図面と照らし合わせて自分の位置を把握できる能力(建築図面の読図能力)について,建築学生と非建築学生の差異を明らかにすることである.さらに建築学生について,履修科目の成績との関連について知見を得ることで,建築学生の建築図面の読図能力の涵養過程を明らかにする.研究方法は,被験者を大学に所属する建築学生と非建築学生として,個性的な間取りとなっている一戸建て住宅を実験場所とした追跡調査と質問紙による調査を行うことによる.研究の結果,一般市民の建築図面の読図能力の習得は建築系大学の2年生(短大や専門学校)程度の建築専門教育が必要となることが明らかとなった.公共建築の市民共創の観点では,建築図面の読図能力は,中・高等学校の家庭科の範囲内では定着できていないと考えられた.
  • 遠藤 麻里, 茂登山 清文, 遠藤 守, 安田 孝美
    2019 年 53 巻 4 号 p. 15-21
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/12/01
    ジャーナル 認証あり
     都市の風景は年々変化する.19世紀にカメラが普及して以来,人々が撮る写真には都市風景の移り変わりが記録されてきた.21世紀には,より手軽に写真を撮ることのできるデジタルカメラとスマートフォンが普及し,従来に比べて莫大な数の写真が撮られるようになった.一方で,フィルムに収められた写真は劣化や廃棄などにより,姿を消しつつある.本研究では,こうしたフィルム写真を活用して,都市風景の変化に対する理解と解釈としてのヴィジュアルリテラシーを深めること,また現在の都市風景を記録保存することを目的とし,ICT技術を用いてスマートフォンアプリケーションの開発を行っている.2016年にアプリケーションを用いた実施調査を行い,調査結果を受けて,2019年に対象地域を広げて再開発を行った.本稿では,二度の調査に対するアプリケーションの有効性について結果を考察し,また,今後の展開について述べる.
教育資料
  • 辻井 麻衣子, 木多 彩子
    2019 年 53 巻 4 号 p. 23-32
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/12/01
    ジャーナル 認証あり
     本研究は基礎造形教育の教育効果の向上に資することを目的とし,デザイン系専門学校の基礎造形科目のうち,立体構成で行った3 課題について具体的な教育事例を報告する.そして,学生が各課題終了後に記述した制作プロセスに対する自由記述による自己評価書を対象に,各課題の成績を踏まえて分析する.これにより,基礎造形教育の実態とデザイン初学者の習得プロセスに対する問題点を明らかにし,指導上の改善策や工夫点について言及する.課題の分析を通じて,デザイン初学者を対象とした基礎造形教育では,素材の特性と加工方法,材質に適した接着剤の選定ついて,あらかじめ予備知識が持てるような取り組みを行う必要があることがわかった.これにより,デザイン初学者は,制作の前段階でイメージした形をスムーズに形づくることができ,加えて,課題のテーマにより焦点をあてて制作をすすめることができると考えられる.
作品紹介
feedback
Top