日本医療・病院管理学会誌
Online ISSN : 2185-422X
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47 巻, 1 号
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巻頭言
研究論文
  • —— 生涯医療費を考慮した禁煙治療の費用対効果の検討 ——
    安田 浩美, 池田 俊也
    2010 年 47 巻 1 号 p. 9-16
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/10/01
    ジャーナル フリー
    マルコフモデルを用いて,国内で実施されている禁煙治療の費用対効果を検討した。効果指標は生存年とし,費用は喫煙関連疾患だけでなく喫煙非関連疾患も含んだ生涯医療費を推計した。40歳男性の場合,無治療と比較した増分費用対効果比は,薬局パッチ群で533.5万円/年,薬局ガム群で567.8万円/年,保険パッチ群で535.8万円/年,保険内服群で542.8万円/年であった。40歳女性の場合,薬局パッチ群で56.0万円/年,薬局ガム群で33.6万円/年,保険パッチ群で53.9万円/年,保険内服群で49.1万円/年の削減となり,費用・効果ともにその差は小さいものの,どの禁煙治療法も無治療に比べて費用対効果が良好と考えられた。但し,今回分析に用いることのできた禁煙成功率や医療費等に関する国内データが不十分であることから,今後,データの蓄積を待って費用対効果を再検証することが望ましいと考えられる。
研究資料
  • —— 入院群と地域滞在群のQOLの比較 ——
    高橋 聡美, 濃沼 信夫, 伊藤 道哉, 金子 さゆり
    2010 年 47 巻 1 号 p. 17-25
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/10/01
    ジャーナル フリー
    統合失調症患者の在宅医療が進められる中,病院から地域への療養の場を移した患者のQOLの状態を把握することは,現在進められている施策の評価や今後の精神科領域における在宅医療推進の参考になると考えられる。
    本研究では,包括的QOL尺度EQ-5Dと,精神疾患特異的尺度QOLIを用い,入院群と地域群のQOLを測定し両者のQOLの差異を明確にし,現在進められている地域医療政策の意義を考察した。調査期間は平成17年10月∼平成18年6月で,クライテリアを満たす外来患者39名,入院患者68名合計107名を対象に面接調査を行った。
    調査の結果,入院群に関してはプライバシーを確保することが患者のQOL向上につながるひとつの要因であると考えられた。また,地域群の中でもグループホーム居住者は他の群に比べ,生活の満足度が高く,退院後の受け入れ先として患者にとって良好な環境であることが示唆された。
訂正
特別講演
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