日本医療・病院管理学会誌
Online ISSN : 2185-422X
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47 巻, 3 号
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巻頭言
研究資料
  • 横川 正平, 二木 立
    2010 年 47 巻 3 号 p. 137-144
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/12/03
    ジャーナル フリー
    都道府県の医療費適正化計画の療養病床数の目標値の積み上げが厚生労働省の見込みを大きく超え,目標年次の2012年度末の医療療養病床数は,ほぼ現状どおり維持されることとなった。その背景に,地方分権の進展に伴う地方自治体の裁量権の拡大が影響していることが,医療費適正化計画の策定過程の調査の結果明らかになった。
    具体的には,厚生労働省が参酌標準遵守を厳しく指導したにもかかわらず,調査対象6都県中5都県が参酌標準である療養病床数の算定式とは異なる算定方法をとり,うち4都県の目標値は大幅に国の計算値を超えたことで端的に示されている。
    この結果は,政府の病床規制策が事実上「変容」したことを示したといえる。それは,医療区分による一律の算定方式による「国から割り振られた目標値」から,地域の実態に応じた「自主的・多様な目標値」の設定への「変容」である。
  • 宮本 啓子, 合田 敏尚, 杉山 みち子, 小山 秀夫
    2010 年 47 巻 3 号 p. 145-153
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/12/03
    ジャーナル フリー
    本研究では,摂食機能障害ケアマネジメントという観点から,施設種別の摂食機能障害に対応した食事ニーズの現状,摂食機能障害のスクリーニング体制の現状を明らかにすることを目的とした。病院ならびに介護保険施設に所属する管理栄養士に質問紙調査を行った。その結果,一般病院等に比して,介護老人保健施設と介護老人福祉施設は摂食機能障害に対する食事のニーズが高かった。しかし,ニーズが最も高かった介護老人福祉施設では,他の施設に比して摂食機能障害のスクリーニング体制が整っていない傾向が見受けられた。摂食機能障害のスクリーニング体制があることは,医師と言語聴覚士がスクリーニング実施職種であること,食事形態の変更・決定に関与していることと関連がみられた。摂食機能障害スクリーニング体制の確保には,摂食機能障害ケアに関する専門知識をもった職員の配置や摂食機能障害スクリーニング手法の標準化が必要と考えられた。
  • —— 国立大学教授20人への予備調査 ——
    冨岡 俊也, 真野 俊樹, 山田 芳嗣
    2010 年 47 巻 3 号 p. 155-163
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/12/03
    ジャーナル フリー
    麻酔科専門研修医の適正数と配置についての予備調査として,国立大学麻酔科教授に対して所属都道府県の適正数・配置,現状,ならびに現在実施している教育プログラムについてアンケート調査を行った。全専門研修医に対する適正と考える麻酔科専門研修医比率は平均8.7% であり,現状は適正比率に近い値であった。一方,適正と思われる麻酔科専門研修医数に対する現状の充足率は約60パーセントであり,現状における絶対数の不足を反映していた。地域偏在では,東京,九州,関西は充足度が高く,北海道・東北,関東・甲信越,中国・四国で充足度が低かった。病院間の偏在では,北海道・東北は市中病院の充足度が極めて低いのに対し,関西ならびに中国・四国地域では大学病院の充足度が低く市中病院の充足度が高いのが際立った。充足度の低い部分(地域・病院種別)にさらなる麻酔科専門研修医の増加と連携プログラムの強化などの対策が必要と考えられた。
学術シンポジウム
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