日本医療・病院管理学会誌
Online ISSN : 2185-422X
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ISSN-L : 1882-594X
48 巻 , 1 号
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巻頭言
研究論文
  • 金子 さゆり, 濃沼 信夫, 伊藤 道哉, 尾形 倫明
    2011 年 48 巻 1 号 p. 7-15
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/03/15
    ジャーナル フリー
    本研究は,急性期病棟における看護業務量および投入マンパワー量とヒヤリハット発生との関係を明らかにし,安全な医療提供のための方策について検討することを目的とする。6施設25病棟の全看護職員580名を対象に,自記式の業務量調査を7日間実施し,ロジスティック回帰分析を用いてヒヤリハット発生の関連要因を検討した。ヒヤリハット発生は41.2件(1,000患者×日)であり,インシデント・アクシデントレポートの報告件数の約8倍であった。ヒヤリハット発生は,入院件数や手術・検査件数が多く,入院や患者移送への対応時間が多い場合に起きている傾向がみられた。患者安全の確保の観点から適切な人員配置とするには,現行の患者数対看護師数による配置基準だけではなく,入院対応件数や病床回転率などを考慮した新たな配置基準が必要となる。
  • 田 龍一, 竹宮 健司
    2011 年 48 巻 1 号 p. 17-28
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/03/15
    ジャーナル フリー
    <目的>本研究は,緩和ケアチームの活動実態を明らかにし,院内の活動拠点整備に向けた計画要件を明らかにすることを目的とする。
    <方法>がん診療連携拠点病院を対象に緩和ケアチームの活動実態調査を3施設,緩和ケアチームスタッフへのヒアリング調査を2施設で行った。
    <結果>ヒアリング調査から,2施設での緩和ケアチームの構成,活動内容・拠点の整備状況について把握した。実態調査から,緩和ケアチームの活動内容は,患者との問診,カルテ確認・記録,スタッフ間の会話が中心であり,3施設とも活動時間の5割を占めた。活動場所は,病室,NS,廊下が中心であり,これらの場所での活動時間が5割以上を占めた。
    <結論>緩和ケアチームの活動時間,活動場所,活動内容について実態分析から,一般病棟における緩和ケアチームのための支援環境整備として,病室での問診やナースステーション・廊下における活動に対応した広さやしつらえが求められていること,外来・入院患者への緩和ケア提供を想定した活動拠点の配置とチームメンバーの相互交流・専門性に留意した拠点の内部構成が必要であることを示した。
研究資料
  • 高橋 由利子, 高木 安雄, 高橋 武則
    2011 年 48 巻 1 号 p. 29-35
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/03/15
    ジャーナル フリー
    本研究は,脳卒中の救急入院患者において,「救急医療の即応性」と病院システム全体を表す「医療提供量」の因果関係を定量的に示すことを目的とした。本研究の対象は,都内A病院において2008年に救急外来を受診し,脳卒中の診断で救急病床に入院した患者144名のうち,48名の中等症の患者である。
    グラフィカルモデリング無向独立グラフにより「CTまでの時間」「発動医師得点」「救急外来患者数」等の観測変数間の関係をとらえ,その結果をもとに,「救急医療の即応性」「医療提供量」「救急外来受け入れ度」を構成概念とし,構造方程式モデリング(SEM:Structural Equation Modeling)を用いて因果関係を検討した。その結果「救急医療の即応性」は,「医療提供量」と「救急外来の受け入れ度」の双方より同程度の影響を受ける関係が示唆された。また「医療提供量」と「救急外来受け入れ度」は相互関係をもつことが示された。このことより,救急医療の即応性を高めるためには医療提供量と救急外来の受け入れ度,双方の状況をタイムリーにかつ客観的に捉え,外来部門・病棟部門・検査部門等への調整権限を持つ役割機能を設けることが,病院の運営上必要であると考えられた。
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