日本医療・病院管理学会誌
Online ISSN : 2185-422X
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ISSN-L : 1882-594X
48 巻 , 2 号
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巻頭言
研究論文
  • 三澤 仁平
    2011 年 48 巻 2 号 p. 65-72
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/02
    ジャーナル フリー
    地域における医療提供体制が住民の安心感とどのように関連しているのかを明らかにすることを目的とする。無作為抽出された仙台市に居住する20歳から69歳の男女1,500名を対象に,2009年5月から7月に郵送調査を行なった。地域の医療提供体制として,近接病院までの距離,病床数,一般診療所数(人口千対),歯科診療所数(人口千対)を用いた。地域の医療提供体制に対する安心感を応答変数として,マルチレベル分析を行なった。その結果,級内相関係数は0.225であった。また,近接病院までの距離と医療提供安心感とが有意な負の関連をもち,一般診療所数と有意な正の関連を有していた。病床数と歯科診療所数に関しては有意な関係が認められなかった。個人属性や社会経済的地位で統制したところ,効果の大きさはわずかに増加した。安心感という点から医療提供体制を確立するためには,日常生活圏としての地域という観点を考慮に入れることが望まれる。
  • 山北 勝夫, 高崎 貴子, 梅里 良正, 大道 久
    2011 年 48 巻 2 号 p. 73-82
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/02
    ジャーナル フリー
    厚生労働省は,医薬品の取り違え事故防止を目的として,注射薬の調剤包装(アンプル,バイアルなど)単位へのバーコード表示を義務化している。この注射薬バーコードを利用したチェックシステム(以下,認証システム)が,病院において医療事故防止や看護師の業務ストレス等にどのような変化をもたらし,リスクマネジメントに有効であるかを分析した。
    認証システムには,インシデントレポート件数を減らす効果は明確に言うことはできないものの,システムを正確かつ確実に使用することによりインシデント件数を減らすことができる可能性がある。また,認証システムは看護師の業務ストレスに大きな変化をもたらすことが分かった。特に,「心理的な仕事の負担」や「自覚的な身体的負担」では,システム導入前後で有意差を持ってストレスが改善された。
    さらに,認証システムの使用により,注射薬の調整・混合直前に,オーダの変更・中止を確認することができるため,注射薬の廃棄率の減少を図ることができる。
    認証システムは,バーコード表示の場所・方法や情報内容の整備等により,トレーサビリティ,リスクマネジメントに対して更なる効果を発揮する可能性がある。
研究論叢
  • 矢野 諭, 武久 洋三
    2011 年 48 巻 2 号 p. 83-93
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/02
    ジャーナル フリー
    急性期・慢性期を問わず,複雑な構成要素からなる「診療の質」を測るための客観的な定量指標である「臨床指標(Clinical Indicator: CI)」の導入によるベンチマーキング(成績比較)は,質の確保・向上のための有力な手法である。急性期医療を引き継ぐPost Acute Therapy(PAT)としての慢性期医療の必要性・重要性を主張し続けてきた日本慢性期医療協会(以下協会)は,慢性期医療の特色と現場の努力が十分に反映され,かつ客観的な第三者評価が可能な「10領域62項目」からなる協会独自の「慢性期医療のClinical Indicator」を完成させた。慢性期医療に求められる多彩な機能が強調され,従来の急性期医療が中心のCIとの差別化が鮮明になっており,124点満点で点数化される。協会の「慢性期医療認定病院認定審査」に使用し,慢性期医療のスタンダードを一般に周知させるツールとしても活用し,妥当性の検証を行って行く。それによって医療供給体制・医療経済など多角的な視点からの議論も可能となる。
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