日本医療・病院管理学会誌
Online ISSN : 2185-422X
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ISSN-L : 1882-594X
52 巻 , 4 号
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巻頭言
研究論文
  • 丹野 清美, 高木 安雄
    原稿種別: 研究論文
    2015 年 52 巻 4 号 p. 189-199
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/01/23
    ジャーナル フリー
    患者が診療決定のプロセスにおいて,納得のいく意思決定ができたかということは,治療を進めていく上で欠かせない。これまで「患者満足度」という概念が多く用いられてきた。しかし,「納得のいく意思決定」を測定するには,Regret(後悔)という概念が医療の質を評価する際に非常に重要だと考える。
     そこで本研究では,手術を行った鼠径ヘルニア・胆石症・胆嚢炎・胆嚢ポリープ患者を対象に,日本語版Decision Regret Scaleと健康関連QOL,患者要因との関係を検証することを目的とした。
     2012年7月〜12月に都内A病院を退院した85歳未満の対象患者128名に自記式質問紙調査を行った。回収率は65%であり,有効回答(n=79)を構造方程式モデリングのパス解析により分析した結果,Regretに直接影響を及ぼしていた患者要因は「性別」のみで,男性の方が女性よりRegretが高かった。その他の患者要因である「年齢」「術式」「合併症」は,Regretに直接効果はなく,健康関連QOLを介してRegretに影響を及ぼす間接効果が示唆された。
研究資料
  • 羽田 明浩
    原稿種別: 研究資料
    2015 年 52 巻 4 号 p. 201-208
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/01/23
    ジャーナル フリー
     本稿の目的は,病院経営の競争優位の源泉を,戦略グループ間の移動障壁の探求によって検証することにある。わが国の病院経営は,様々な規制から自由競争は制限されているものの,必要な経営資源は,市場取引を通して確保するため,魅力的な病院には経営資源が集まり,魅力に乏しい病院からは経営資源が流出する。そして地域の患者のための病院設備や医療機器を購入する源泉である医療経営による利益を得ることが必要である。このような特徴を持つわが国の病院経営において,病院間に利益格差をもたらす要因である競争優位の源泉を,医療業界内戦略グループ間の「移動障壁」の探求によって検証することが本稿の目的である。
     本稿は,日本赤十字病院を対象に,平成19年度から平成23年までの5期間において,多変量解析を用いて上位病院群と下位病院群の変数の平均値の差異を検証することで病院間に利益格差によって生じる「移動障壁」の要因を考察した。
     その考察結果は,内部経営資源として,病院の規模と,医師が多く勤務していることと,組織能力のうち,病院経営全般に係わる「マネジメント能力」の差が,病院間に利益格差をもたらす「移動障壁」の要因であることを探ったものである。
  • 富永 真己, 西村 美八
    原稿種別: 研究資料
    2015 年 52 巻 4 号 p. 209-219
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/01/23
    ジャーナル フリー
    本研究は新卒看護師を含む看護職員の人材確保の取り組みの実態と,確保と定着の困難さ及び離職率との関連について,一地域の施設の全数調査より検討することを目的とした。A県の全施設の看護管理者に郵送法にて質問票調査を実施し,回答のあった120施設(回収率33%)のデータを分析に用いた。結果,新規看護職員の採用の一人当たりの平均費用は101,829(中央値34,473)円,看護職員の人材確保の取り組みでは,看護学生の奨学金制度は24%,人材派遣会社の利用は22%,民間有料職業紹介事業者の利用は6%の施設で認められた。看護職員と新卒看護師の確保と定着については,約半数の施設が“困難である”と回答した。新卒看護師を含む看護職員の人材確保の取り組みと,確保と定着の困難さ及び離職率との関連性の結果から,施設の看護職員の人材確保において,看護職員全体を捉えた取り組みの必要性が示唆された。
  • 木村 知子, 藤原 奈佳子
    原稿種別: 研究資料
    2015 年 52 巻 4 号 p. 221-230
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/01/23
    ジャーナル フリー
     病院の看護職員紹介業者(以下,紹介業者)利用が増えているが,紹介時には高額な紹介料が発生している。そこで民間中小病院の看護部長を対象として,紹介業者の利用の実態について質問紙調査を行い,今後の看護職員確保対策のあり方について検討した。
     日本病院会会員名簿より抽出した民間中小病院987病院の看護部長に,独自に作成した自記式質問用紙による郵送調査を依頼し,148人(回収率15.1%)分をIBM SPSS Statistic20 for Windowsを用いてχ2検定及びt検定,自由記述はカテゴリー化した。
     回答者の所属施設の75.7%が医療法人で,病床数は平均119.4±48.2床で,紹介業者の利用経験ありは66.9%と有意に高かった。自由記載の回答は84人(56.8%),159コードであり,「病院としての紹介業者の利用」「高価な紹介料」「紹介される看護師」「紹介業者へのフラストレーション」「今後の人材確保に向けて」の5カテゴリーとなった。
     紹介業者の利用戦術や,ナースセンターの機能強化,看護基礎教育における教育が示唆された。
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