日本医療・病院管理学会誌
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最新号
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巻頭言
研究論文
  • 宗像 舞, 渡辺 真弓, 山内 慶太
    2025 年 62 巻 2 号 p. 34-44
    発行日: 2025/04/30
    公開日: 2025/04/30
    ジャーナル フリー

    【目的】職場学習が仕事の要求度–資源モデルの動機づけプロセスの資源として機能し,看護師個人と部署全体の就業継続意欲に与える影響を明らかにする。

    【方法】無記名自記式質問紙調査により回収した(回収率68.4%)看護師2,007人のデータを用いて仮説モデルの検証を行った。分析は,マルチレベル共分散構造分析を用いた。

    【結果】個人レベルでは,仕事の資源としての職場学習と個人の資源としての職場学習の両者がワーク・エンゲイジメントを介して就業継続意欲に対して有意な正の影響を認めた。また個人レベル,集団レベル共に仕事の資源としての職場学習は直接的に就業継続意欲に対して有意な正の影響を認めた。

    【結論】職場学習はJD-Rモデルの動機づけプロセスの資源として機能し,看護師個人の就業継続意欲を高めることが示唆された。また仕事の資源としての職場学習は,看護師個人と部署全体の就業継続意欲を直接的に高めることが示唆された。

  • 川上 和真
    2025 年 62 巻 2 号 p. 45-53
    発行日: 2025/04/30
    公開日: 2025/04/30
    ジャーナル フリー

    【問題】医療マーケティングが注目されており,多くの医療施設で患者満足度調査が実施されているものの,貴重なデータを十分に活用できていない。

    【方法】マーケティング領域で議論される知覚品質–顧客(患者)満足–ロイヤルティ(推奨意図)の因果構造を医療の文脈でも明らかにしながら,データを活用する分析視角とモデルを示すことを目的に,入院患者満足度調査データを構造方程式モデリングによって検証した。

    【結果】分析の結果,「診療品質」,「対人関係」,「One-to-One」,「サービス環境」の品質因子を包括した知覚品質が,患者満足と推奨意図に有意な影響を示し,患者満足も推奨意図に影響した。

    【考察】患者は多様な品質を知覚し,満足と推奨意図を形成する。本研究で用いた測定項目は多くの医療施設でデータを測定していることから,本研究の知見には汎用性と拡張性があり,医療マーケティング研究の蓄積と実務に貢献する。

研究資料
  • 中尾 明子, 高橋 彩子, 野口 倫生, 朝野 仁裕, 宮本 恵宏, 田城 孝雄
    2025 年 62 巻 2 号 p. 54-66
    発行日: 2025/04/30
    公開日: 2025/04/30
    ジャーナル フリー

    本研究は,研究に有用な病名情報を提供するために構築した,病名登録規則とNCVC Biobank主要病名登録システムから成るNCVCバイオバンク病名登録システムの有効性と,本システムを用いた病名登録システム構築の問題並びに課題と対策の抽出を目的とした。本システムの有効性は,登録ができた症例数の割合と,病名登録規則「HISに記載された様々な病名の登録」「HISの様々な情報を参照する登録」を反映した病名登録結果で示した。病名登録システム構築の問題として,病名登録時の「病名コードの選択が困難」「医学的な解釈が必要」,課題として,「同意者の病態の経時的変化の追跡」「研究者への利活用のアピール」「登録病名の妥当性の明示」を示した。対策として,問題を個別に検討する委員会の設置,問題を一律に扱うフローチャートの作成,問題に対応する自施設の強み・特徴を生かしたサブシステムの構築を示した。

編集後記
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