百日咳の感受性に関しては, 従来数知れぬ程の報文がある. 欧米の研究者では, Von Sholly
1) , Luttingen
2) 等を筆頭に, DeRudder
3) Culotta, Dominick and Harrison
4) が報告している. そして工apin
5) が“Wooping Cough”なる論著を刊行する程に, この疾患は, 病原菌の検索方法・その種類・人体側の感受性・治療法・合併症等々の多岐に亘る問題を含んでいる. 従つて, 我が国における報告の数も枚挙にいとまなぎ程で, 感受性に関するもののみでも, 高橋
6), 末広
7), 大谷
8) 相沢・久村
9), 吉岡
10), 緒方
11), 額田
12), 高宮
13) 等の研究があり, 小山
14) の著書も刊行されている.
然し乍ら, 百日咳の感受性を先天的並に後天的体質との関連において分析した報文は少ない. 額田
12) が, 長子は百日咳に罹り易く, 中子, 末子は罹り難いと云い, 高宮
13) もこれを承認し, それが母親の感染による次子の免疫に依ると説明している. またJ, Douglas&C, Mogford
15) は, 未熟児と成熟児で百日咳に対する感受性は変らないという.
著者は, 東京都の衛星都市であるK市及びその近隣の11村を対象として, 百日咳罹患状況に関して調査を行つたので, その結果に若干の考察を加えて報告する.
抄録全体を表示