民族衛生
Online ISSN : 1882-868X
Print ISSN : 0368-9395
ISSN-L : 0368-9395
46 巻, 4 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 宮坂 忠夫
    1980 年 46 巻 4 号 p. 168
    発行日: 1980年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
  • Napoleon WOLANSKI, 友成 久徳, Anna SINIARSKA
    1980 年 46 巻 4 号 p. 169-191
    発行日: 1980年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
     運動は身体的特性や,生理的特性だけでなく,精神的な特性にも左右される.そして,それら三つの素質は適切なスポーツの技や戦法などの発達の基礎として考えられているということを心にとめておかなければならない. 普通,運動には,次の特性が考えられる.1)力,2)スピード,3)敏捷性,4)持久性,5)(疲労に対する)抵抗性.これら五つの運動の特性は,いくらかの基本的な特性の複合された表現型としてのみ扱われていると考えてよい.そして,その基本的な特性は又,それぞれ遺伝的に多因子的に決定されている. この論文に於て,我々は人間の運動発達と遺伝の問題を次の項目に従って論じた. 1) 方法論の問題 2) 運動能力の遺伝率 3) 遺伝とスポーッ 4) 非対称性と偏側性と運動発達 今迄に得られた最も重要な結果は次のような所見である. スピードと力を要求するスポーツでは先す第一に遺伝的に素質をもった人を選抜する方法がとられなければならないということと,ホモ偏種遺伝子の接合)の人よりもヘテロ(異種遺伝子の接合)の人の方が選択されたトレーニングに対する影響をうけやすいということである.
  • 上田 厚, 二塚 信, 野村 茂, 小山 和作
    1980 年 46 巻 4 号 p. 192-204
    発行日: 1980年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
     農村婦人の肥満の動向と実態を疫学的に検策するために,同一31農協の1967-1969年および1976-1978年の健診データを用い,両年次群の肥痩度および肥満者率について比較検討し,次の知見を得た.1) 76-78年度群の肥痩度は,箕輪値103.6±12.7,ブローカ・桂変法値109.7±14.1,カウプ指数22.0±2.7,肥満者率は,それぞれ,9.4%,13.8%,8.4%で,いずれも,67-69年群に比し有意に高値を示した.2) 76-78年群の肥痩度のピークは,50-59才,肥満者率のそれは50-54才で,いずれも,10年前に比し高年層への移行がみられた.また,肥満者率の増加を年令群別に検討すると,67-69年の35-39才群(すなわち,76-78年の45-49才群)の増加率が最も高値であった.3) 肥満者率は,20-49才では男子,50才以降では女子に高値であった.また,農・非農別では,全般に非農者に肥満者率が高く,とくに男子にその傾向が著明であった.4) 肥満の傾向は,農業地域別には「天草」,経済地帯別には「都市近郊」に最も強いが,地域による差異は縮少しつつある.また,肥満の増加率は「農山村」で最も高い.また,農業粗生産額およびその伸張率(10年間)の低位にある地域に肥満者率の高い傾向をみたが,一方,土地生産性や農業収益が熊本県下で最も高い地域においても肥満者率は高値を示しており,農業生活と肥満の関連を考究してゆくうえで興味深い知兄が得られた.5) 同一者の箕輪値とブローカ・桂変法値の相関を検討したところ,身長の低い層ではブローカ値,160cm以上では箕輪値の肥満者率が高値を示す傾向をみた(r=0.88).… 方,箕輪値とカウプ指数は,いずれの身長群においても極めて高い相関が得られた(r=0.98).
  • ―カブール市における結核の疫学に対する移住の影響―
    古知 新, アジザ アブドウラー, 鈴木 継美
    1980 年 46 巻 4 号 p. 205-210
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/10/21
    ジャーナル フリー
     1978年7月にアフガニスタン国カブール市のカブール結核センターを訪れた新来患者648名と,同センターで在宅のまゝ治療を受けている患者の一部,130名について,その地理的分布,移住歴を調査した. 1) 新来648名中444名はカブール市在住者であり,残りはアフガニスタンを構成する26県のうち23県に分布していた.治療中患者はすべてカブール市在住者であった. 2) カブール在住者を転入者とカブール市生れの者に2分して観察すると,在宅治療者における転入者の割合は新来者における当該割合より人きかった.たお新来者における割合はカブール市全人口における転入者割合とほゞ等しかった. 上記の結果から,カブール市出生者よりも転入者に結核有病率の大きい可能性を論じた.
feedback
Top