飲酒習慣と健康に関する検討は非常に重要な課題である.そして,飲酒習慣を客観的に評価できる血液生化学指標として,血清γ一GTP活性値が最も有用である. 運動への関心が高まっている状況において,身体活動状況と血清γ-GTP活性値の関連性を考察することは非常に重要なことである.そのため,本報においては,消費エネルギー量調査,短期運動負荷試験および6週間の運動負荷試験の3種類の実験を行い,血清γ-GTP活性値と身体活動との関係を検討した.その結果,短期運動負荷試験において,血清γ-GTP活性値は統計的に有意な上昇を認めたが,逆に6週間の運動負荷試験では,若干の低下傾向を認めた.さらに消費エネルギー量調査において,消費エネルギー量の高い群ほど血清γ-GTP活性値が低い傾向を示した. すなわち,成人女子の血清γ-GTP活性値に及ぼす運動の影響について,検診受診者の採血直前の運動負荷は活性値を上昇させ,長期間にわたる日常生活における消費エネルギー量の増加は,血清γ-GTP活性値を低下させることが示唆された.
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