植物工場学会誌
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10 巻, 3 号
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  • 羽藤 堅治, 松浦 英樹, 橋本 康
    1998 年 10 巻 3 号 p. 145-150
    発行日: 1998/09/01
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    In greenhouse production, computer support systems are being introduced to control the environmental conditions for automation. Furthermore, many robots were studied for automation in agricultural fields. Harvesting robots have been studied in particular. For the automatic robot control, the recognizing system for the positions of fruits and flowers is important. In our laboratory, a 3-dimensional visual sensor system was developed to recognize the direction of strawberry fruit.
    To support the movement of the gantry system, a database considering daily changes in the fruit growth has been constructed. This database contains flowers, white unripe fruits, green unripe fruits, mature fruits, however, maturity step, fruit shape, color and 3D coordinates, therefore it can perform shipment predictions.
    The previous system could not recognize very small fruits were colored white and green. Using the HSI color model (hue, saturation, intensity), it is possible that very small fruits can be successfully recognized.
    In this paper, we developed flower and fruit database to determined these small fruits. We also made a recognition system for flowers and small fruits.
    Thus, the database developed here enables us to plan for harvesting fruits by robot, and would be an effective increase in the operational efficiency of harvesting.
  • 水島 宜彦
    1998 年 10 巻 3 号 p. 151-155
    発行日: 1998/09/01
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    Based on the theory of plant factory, effects of transplantation scheduling and the accompanying growth delay due to transplanting damage are quantitatively discussed. Optimizing analysis of the transplantation period design for the optimum profit indicates that the nursery stage should carefully be redesigned. The result implies an optimized condition for skipping the transplantation process at an early stage, which can be realized by an improved capacity design of the nursery.
  • トウキ (Angelica acutiloba Kitagawa) の生育に適した養液栽培法の選定
    四方 恒生, 長谷川 千晃, 南 基泰, 杉野 守
    1998 年 10 巻 3 号 p. 156-160
    発行日: 1998/09/01
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    Angelica acutiloba Kitagawa plants were cultivated in the Deep Flow, Ebb & Flow and Nutrient Film Techniques to determine the most suitable hydroponic system. Ebb & Flow with substrate provided the best result among the systems tested with the increase in fresh weight of the root being about 7.19.6 times greater than that of soil culture in the same green house. Bolting was not observed among plants cultivated in Ebb & Flow with substrate system.
  • 液面上下法によるトウキ (Angelica acutiloba Kitagawa) の初期生育に及ぼす培地の影響
    四方 恒生, 長谷川 千晃, 南 基泰, 杉野 守
    1998 年 10 巻 3 号 p. 161-165
    発行日: 1998/09/01
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    We compared characteristics of various substrates used in the Ebb & Flow system to produce Angelica acutiloba Kitagawa plants. Important characteristics to be considered included high water permeability, high water retention and an even structure from top to bottom. Kanuma soil was the best among the substrates tested.
  • 清水 浩
    1998 年 10 巻 3 号 p. 166-169
    発行日: 1998/09/01
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    植物の成長を制御するための判断基準の一つとして植物のサンプル時刻における成長速度に着目し, ベクトルや行列と時系列後退データとの畳込みで簡便に計算する手法を提案した.一般に用いられている関数を近似する方法では関数の決定方法などに客観的基準がなく周波数特性などの操作も容易ではなく, さらに (6) 式のように時系列データとの畳込みという非常に簡潔な手続きだけで結果を得ることは難しい.一方, 本稿で提案した手法は生育環境制御システムの一部としても組込める可能性があると考える.
  • 佐々木 豊, 岡本 嗣男, 芋生 憲司, 鳥居 徹
    1998 年 10 巻 3 号 p. 170-178
    発行日: 1998/09/01
    公開日: 2011/08/16
    ジャーナル フリー
    以上, キュウリに炭そ病菌を接種して人為的に可視害を作り, 自動診断システムを構築するために必要となる可視害の認識について, フィルター画像を用いて以下のことを実験し考察した.
    1.可視害部の識別に関してその識別しやすい波長を同定するために, (1) ?ƒk, (2) 画像のクラス分離度ηmax, (3) D.I.で評価した反射率で行い, この三つの評価量に共通して650nmのフィルター画像が認識に適していることが判明した.
    2.外界での診断に向けて環境条件を除去する基本的なフィルター情報融合法を検討した.これにより環境条件を除去して病気による反射率の変化を得る二つの波長情報はλ650とλ400かλ800であることが判明した.またλ800は反射率が高く葉脈の影響がλ400より強いため, 葉を認識しながら接近する際や比較的遠隔から葉脈に対する可視害部の位置を知りたい場合はλ800を選択し, 近接して可視害部を詳細に調べる時は葉脈の影響が小さいλ400が適すると考察した.
    問題点と今後の課題は,実際に光源変化や対象の傾きをつくり,環境条件が変化しても同じ診断が下せるよう今回の結果を用いて検証することである.対象である葉は風により静止していない上に外界では光源が太陽光となるために,可視害に至った葉の診断部を構築するためには葉の動きや測定距離にも対応した画像処理に改良していくことも必要である.
    立毛中の植物を外界で診断するためには上記のような天候・時刻に左右されない測定が可能となることがまず必要である.そして実際には環境ストレス,他の病気を原因とするストレスに植物が侵されると予想される.環境ストレスは主に水不足,土壌環境,日照不足に分けられる.水不足については,今回は800nmまでのフィルター画像しか得られなかったが,Fig.10より植物の水吸収帯が1,400nm付近にあることがわかるため,このフィルター画像を用いた含水診断を行えば良いのではないかと考えている.また他のものはそれぞれ土壌診断,天候のデータの使用により診断できると推測する.病害によるストレスに関しては,対象とした植物に対して発生しやすい病害を特定して基礎データを得て各病害の特徴を統計的に求め,Fig.1に示したように識別のしやすいものから診断することで原因の特定が可能になると考える.また室内で得られた病害のデータが自然界で発生する病害とは多少異なることが予想されるが,その点に関しては新たに得られたデータを入力していけば診断規準が変更できるよう自動診断を学習型とすることで対応できるのではないかと考えている.
  • 百瀬 博文, 鷹巣 征行, 米田 和夫
    1998 年 10 巻 3 号 p. 179-184
    発行日: 1998/09/01
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    本実験は光学的雑草識別センサーを利用して, 広葉雑草の画像処理を行い, 除草作業の自動化について検討したものである.
    秋季から冬季においては, 越年生のオオアレチノギクなどの広葉雑草, スズメノカタビラなどの細葉雑草, クローバーなどの永年生雑草は, SC70フィルター (700nm以遠の遠赤色光領域を透過) をかけたモノクロCCDカメラで撮影した画像の処理で識別が可能であり, 雑草識別センサーを活用して除草作業を自動的に行いうることが示唆された.
    一方, 春季には雑草も芝も葉は緑色を呈し, 本システムでは識別は困難であった.
  • 用土の温度と生育
    松村 博行, 新川 猛, 野口 祐史
    1998 年 10 巻 3 号 p. 185-193
    発行日: 1998/09/01
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    本報はカキのコンテナ栽培による生育促進と成熟促進について'西村早生'を用いて地上部および地下部の温度制御を行なって検討した
    1促成栽培では, コンテナ栽培により加温開始から被覆除去の期間の地温が上昇し, 萌芽, 展葉および開花期は前進するが, 収穫期はその直前の地温が高温になり生育を阻害し, 地植えの収穫期より遅れた.
    2促成栽培では, 6月下旬から8~9月の収穫直前期にコンテナごと地上部冷房 (夜温を15℃) および短日処理 (日長7時間) を行なっても成熟促進効果は認められなかった.
    3促成栽培では, コンテナ栽培により夏季に根域の温度が40℃以上に到達しやすく, 果実肥大抑制および成熟遅延の原因となることが判明し, 何らかの方法で夏季の地温を低下させることにより, 促成栽培とコンテナ栽培をさらに高収益な方法として組み立てられる.
  • 安田 雄治, 小豆沢 斉, 石倉 一憲
    1998 年 10 巻 3 号 p. 194-202
    発行日: 1998/09/01
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    ブドウ'巨峰'における水気耕栽培の培養液濃度およびN濃度が生育に及ぼす影響を検討し, 以下の結果を得た.
    1.培養液濃度は, EC0.5mS/cmで最も新根の発生量が多く, 生育が優れた.
    2.N濃度 (いずれもNO3-N : NH4-N=2 : 1) の違いによる新根の発生量は, 10ppmより20ppmの方が多い傾向はあったものの, 明らかな差は認められなかった.
    3.二期作栽培における一期作目の培養液のN濃度 (いずれもNO3-N : NH4-N=2 : 1) については, 20ppmで最も新梢の生育および果粒肥大が優れ, 成熟期における結果枝の全NおよびK含量が最も高かった.また, 30ppmでは新梢の生育が最も抑制された.
    4.二期作目の培養液のN濃度 (いずれもNO3-N : NH4-N=2 : 1) は20ppmで新梢の生育および成熟期における結果枝の無機成分含量が多い傾向があったものの, 5および10ppmと明らかな差は認められなかった.
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