実践的看護職への質的研究指導法探求の為、質的研究初学者の研究的思考の推移を見ることを目的とした。看護教員6名を研究参加者とし、データ分析過程の発言をBerelson, B.の内容分析の手法を用いて分類した。分析初期から中期は実際の状況や個人的な興味関心に基づく発言が見られ、発言内容の分散が進んだ。分析後期はカテゴリー数が収束し、研究目的に沿った意見が増加した。全てのディスカッションで抽出されたカテゴリーは[発言内容の確認][ディスカッションで得られた意見に対する、自らのデータ解釈を用いた意見][ディスカッション内で発言された、意見内容の確認][ディスカッションで共通理解できた内容の確認]であった。すでに研究目的が明確化されていても、質的研究初学者の研究目的理解は自分の経験と照らし合わせる作業から始まると考えられた。質的研究経験者同士の発言は役割モデルとして機能する可能性が考えられた。
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