昭和学士会雑誌
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74 巻 , 1 号
特集:成人心臓血管外科手術における低侵襲治療
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
特集:成人心臓血管外科手術における低侵襲治療
特別寄稿
特別講演
教育講演
原著
  • 田山 愛, 山下 紘正, 佐藤 智夫, 北角 権太郎, 千葉 敏雄, 土岐 彰
    2014 年 74 巻 1 号 p. 60-66
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/09/27
    ジャーナル フリー
    災害現場において人の生体情報を確認するべく,小型で少ない体表面積でも測定できる医療機器の重要性が高まりつつある.われわれは,それを可能とする生体情報モニタとして,イヤホン式生体情報センサの開発に取り組んできた.このイヤホン式センサは,データ処理プログラムを用いて心圧信号を解析することで心拍数を測定することが出来る.耳本来の機能は外部環境から音を聞くことにあるが,このように,外耳道を通じて圧力・振動を測定することで生体情報を取得することも可能である.すなわち,人の外耳道を密閉し鼓膜および外耳道から発生する微小な圧力変化を測定することにより,約2~20Hzの範囲の外耳道内心圧信号として心拍圧を得ることが可能となる.今回,家兎を用いた実験で,このイヤホン式センサと既存の生体情報モニタから得られるデータとの相関を検討した.家兎は体重約3kgの日本白色雑雌を用いた.全身麻酔下に既存の生体情報モニタとイヤホン式センサを家兎に装着し,酸素濃度を10分毎に5%ずつ低下させることにより進行性の低酸素ストレス環境を作成し,双方のセンサによる心拍数測定値を比較した.その結果,イヤホン式生体情報センサから得られた心拍数の計測値は,既存の生体情報モニタの心拍数と有意な相関があることが確認された.また,低酸素状態でも既存の生体情報センサと同様の変化が認められた.今後,測定の確実性を高めることにより,イヤホン式小型生体情報センサは,生体情報の新しい有用な取得手段として期待される.
  • 前田 真之, 大戸 祐治, 村山 純一郎, 峯村 純子, 馬場 俊之, 吉田 仁, 金子 堯一, 茅野 博行, 小林 洋一, 石野 敬子
    2014 年 74 巻 1 号 p. 67-72
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/09/27
    ジャーナル フリー
    カルバペネム系薬投与患者における耐性菌選択のリスク因子を検討するために,昭和大学病院で研究協力が得られた診療科における入院患者のデータを収集し解析した.カルバペネム系薬投与後に培養検査の結果が得られた患者を,耐性菌検出群と非検出群に分け,背景因子と抗菌薬の量的因子について単変量解析と多変量解析を行い,かつ,単変量解析で有意確率が0.20未満の因子については多重ロジスティック回帰分析を行った.その結果,「年齢70歳以上」,「在院日数」,「透析導入の有無」の3つが耐性菌検出に関わるリスク因子であることが示された.本研究で耐性菌検出の有無と抗菌薬の量的因子に有意な差を認めなかったことから,医療施設内の耐性菌検出状況を抗菌薬の量的因子だけで評価する際は得られた結果の解釈に注意が必要である.
  • 江守 永, 龍 家圭, 小口 勝司, 岩井 信市, 天野 均
    2014 年 74 巻 1 号 p. 73-80
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/09/27
    ジャーナル フリー
    骨密度の低下は,破骨細胞が骨を溶かす骨吸収と骨芽細胞が新しい骨をつくる骨形成のバランスが崩れ,骨吸収が多くなることによって生じる.骨粗鬆症は,骨密度の低下が原因である代表的疾患である.従って,破骨細胞は,骨粗鬆症の治療のための重要な標的細胞の1つである.最近リアルタイム細胞分析システム(RTCA)が,生体外における細胞形態と細胞接着の定量のために開発された.RTCAは,プレート上電極の電子インピーダンス(Cell Index;CI)を測定することで定量する.われわれ以外で破骨細胞分化に対するにRTCAを使用した報告は今までになかった.そこで,RTCAが,骨粗鬆症の治療薬等のスクリーニングに使えるのではと考えた.また,われわれは,破骨細胞分化に対するエピガロカテキンガレート(EGCG)の抑制効果を報告してきた.今回われわれは,この新しい定量法を用いて破骨細胞分化に対するEGCGの抑制効果の定量を試みた.雄性ddyマウス(5~8週齢)の大腿骨および脛骨より,骨髄細胞を採取した.骨髄細胞を100,000/wellで播種させた.EGCGを1µM,10µM,100µMの濃度で培地に添加させ,CO2インキュベーターで培養し,骨髄細胞を破骨細胞へと誘導した.計188時間の破骨細胞培養を行い,24時間後および72時間後に培地の交換およびEGCGの添加を行った.酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ (TRAP) 染色陽性にて核が3個以上の多核破骨細胞数を測定した.EGCG添加により濃度依存的にCI値およびTRAP染色による多核破骨細胞数は,抑制された.さらに,CI値および多核破骨細胞数は,強い相関を示していた.また,1µMの低濃度EGCGでも抑制が認められた.緑茶1杯(カテキン含有400mg)の飲用により,血漿中の最高濃度が2µM程度になるという報告も考えると,骨粗鬆症予防効果が有ることが強く示唆される.RTCAは,連続して測定が可能であり染色等の必要も無いため比較的簡便に,破骨細胞に対する薬物のスクリーニングが可能となる.このRTCAシステムは,骨粗鬆症治療薬の適正濃度および作用点を知ることができる可能性が示唆された.
  • 山田 尚宏, 小林 一女, 池田 賢一郎, 許 芳行, 古田 厚子, 工藤 睦男, 洲崎 春海, 野垣 岳稔
    2014 年 74 巻 1 号 p. 81-90
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/09/27
    ジャーナル フリー
    口蓋裂症例は高率に滲出性中耳炎(Otitis Media with Effusion:以下OME)を合併し,難治例が多い.鼓膜チューブ(以下チューブ)の長期留置が必要となりやすいが,口蓋裂症例の適切な留置期間に関しては定まっていない.口蓋裂症例のチューブ留置術後の治療成績から適切なチューブ留置期間について検討を行った.対象は2001年1月より2004年12月の間に,昭和大学病院にて口蓋形成術を施行され,6歳以降まで観察しえた口蓋裂206例412耳である.OMEに対しチューブ留置術が施行された症例は全体の45.1%にあたる93例179耳であった.最終観察時におけるOMEの経過を以下のように定義した.チューブの再留置が行われた症例を再留置,OMEが治癒した症例を経過良好,1年以上鼓膜穿孔が残存した症例を穿孔残存とした.また,口蓋形成術と同時にチューブ留置術が施行された症例を1歳時留置群,口蓋形成術以降にチューブ留置術が施行された症例を幼児期留置群とした.1歳時留置群と幼児期留置群のOMEの経過別の平均留置期間を検討した.1歳時留置群の平均留置期間(mean±S.E.)は再留置例,経過良好例,穿孔残存例の順に22.3±2.4か月,32.6±1.9か月,43.9±4.1か月であった.各経過の留置期間に有意差が認められた.幼児期留置群の平均留置期間では,各経過の留置期間に有意差は認められなかった.経過良好例の平均留置期間の比較では,幼児期留置群は1歳時留置群よりも有意に短い結果であった.次に,1歳時留置群において留置期間別のチューブ再留置率と穿孔残存率を検討した.37か月以上では有意にチューブ再留置率が低くなることが認められた.また,49か月以上では穿孔残存率が28.6%と高くなる傾向を認めた.これらの結果より,口蓋形成術時にチューブ留置術を施行した場合の初回チューブの適切な留置期間は37~42か月と考えられた.また,口蓋形成術以降にチューブ留置術を施行した場合は1歳時留置群より留置期間を短くする必要があると考えられた.
症例報告
  • 河村 陽二郎, 下鑪 裕子, 中村 泰介, 池谷 洋一, 森 智昭, 高橋 郷, 藤居 直和, 五味渕 寛, 小林 斉, 嶋根 俊和
    2014 年 74 巻 1 号 p. 91-95
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/09/27
    ジャーナル フリー
    喉頭真菌症は比較的まれな疾患であるが,本症例では抗菌薬の長期投与,高齢者,口腔乾燥,義歯装着の危険因子をもった81歳女性に発症を認めた.局所療法としての外用治療を行ったが効果がなく,声帯の肥厚を認め深在性真菌症と診断し,イトラコナゾールの内服治療を行ったが改善がなくフルコナゾールの内服にて改善を認めた.喉頭真菌症では時に気道狭窄をきたす症例も認められるため,十分な治療効果が得られない場合は,表在性か深在性かを評価し,組織移行性,薬剤感受性を考慮した抗真菌薬の変更が必要であると考えられた.
  • 大塚 耕司, 村上 雅彦, 有吉 朋丈, 広本 昌裕, 加藤 礼, 山下 剛史, 佐藤 篤, 五藤 哲, 山崎 公靖, 藤森 聡, 渡辺 誠 ...
    2014 年 74 巻 1 号 p. 96-102
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/09/27
    ジャーナル フリー
    症例は46歳女性で,嘔吐後の上腹部から左肩の痛み,呼吸苦を訴え救急車にて近医を受診.特発性食道破裂の診断にて当院紹介となった.CTでは左胸水が多量に認められ,胸腔内穿破を伴う特発性食道破裂と判断し胸腔ドレーンを左胸腔に挿入した.ガストログラフィン注入による透視では1cm程の穿孔部が確認され,ドレーンにより良好にドレナージされること,全身状態も保たれている事より保存的に経過観察とした.その経過中に炎症所見の遷延化を認めたため,内視鏡下クリップ閉鎖術を施行した.その直後の透視においては穿孔部の閉鎖が確認され,ドレーンからの流出も減少し,入院10日目に水分,14日目に食事開始し特に合併症なく退院となった.今回,内視鏡下閉鎖術が有効であった特発性食道破裂を経験したので報告する.
第315回 昭和大学学士会例会
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