当院ではCOPD患者を対象にフライングディスク(FD)大会を身体活動性向上の目的で年2回,開催している.競技中は競技者のタイミングで自由に10回投げる方法で行い,呼吸数の増加や呼吸困難を訴えたときに休憩を促していた.COPD患者を対象としたFDは全国的にも数か所で行われている.しかしながら競技中にSpO
2などの身体所見は計測していない.競技前中後で身体所見を計測し,運動負荷の程度を評価しFD大会が安全に実施できているか検討することを目的とした.2017年11月のFD大会に参加したCOPD患者7名に対し,FD競技前後でのSpO
2,心拍数,修正ボルグスケールを計測した.FD大会日に近い外来受診時の6分間歩行距離(6MWT)結果と比較した.2名の競技者において,FD競技中のSpO
2最低値が90%未満となった.5名の競技者は,FD競技中のSpO
2最低値が90%以上を保てており,6MWT時のSpO
2最低値よりいずれも高値を示した.修正ボルグスケールは2以下であった.FD競技は,連続的にSpO
2を測定しながら,競技進行者のタイミングで競技を進行すれば低酸素血症を早期に発見でき安全に競技が実施できることが示唆された.COPD患者の活動性を上げる試みとして有用である.
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