昭和学士会雑誌
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最新号
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講演
原著
  • 松平 真悟, 平泉 裕, 布山 正貴, 吉澤 宗大, 前澤 秀之, 横田 裕哉, 峯岸 玄心, 三森 香織, 梅本 岳宏, 江口 潤一, 澁 ...
    2019 年 79 巻 2 号 p. 146-152
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/07
    ジャーナル フリー
    保険診療制度のよりいっそうの適正化が求められている中,昭和大学では統括保険診療管理室を設立し,昭和大学全附属病院の保険診療の統括的管理を行っている.室員として厚生労働省保険局医療課医療指導監査室に人事交流歴がある者などが含まれているために全国で行われている社会保険医療担当者の指導や監査と同様な体制およびより高い質で,実際に各附属病院にて行われている保険診療の内容を評価することができている.今回は学内における保険診療の周知徹底を目指すその活動内容と,活動の成果を確認する目的で実施したアンケート調査の結果を報告する.アンケートは計104人の医師に実施し回収率は95.2%であった.アンケートにより,医師は保険請求する際に必要な算定要件や医療情報システムの安全管理に関するガイドラインやDPC/PDPSコーディングテキストに関する理解不足が明らかとなった.われわれの活動の結果,医師は保険請求するための算定要件を理解し,自ら傷病名をつける意識をもって診療録を記載する変化が認められた.また適正な保険診療のルールを理解し遵守するための問題点を大学全体で情報共有することが可能となり適正な保険診療に貢献しているものと考えられる.
  • 衛藤 暁美, 長井 友子, 吉澤 徹, 岩波 明
    2019 年 79 巻 2 号 p. 153-164
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/07
    ジャーナル フリー
    近年うつ病による休職者,離職者の増加が問題になっており,さまざまな取り組みが行われるようになった.その中のひとつに復職支援としての集団認知行動療法がある.効果の検討は行われているが,その効果の要因の検討を行ったものは少ない.本研究では抑うつ症状,社会機能,非機能的認知,復職状況の改善における要因を検討した.30歳から55歳の大うつ病性障害,気分変調症,双極Ⅱ型感情障害(現在,抑うつ状態)の診断基準を満たす男性患者で,休職中もしくは復職1か月以内で,退職する見込みがない者を対象とした.4〜6名の集団で1クール計10回(1セッション週1回,80分/回)実施した.先行研究ではスキーマや非機能的態度を表すDASは改善しなかったが,本研究では改善を示した.その改善要因として,集団精神療法治癒因子の「相手にどういう印象を与えるか学べたこと」,「情報取得」が抽出され,非機能的認知に基づく態度の修正に,個人精神療法にはない,集団認知行動療法独特の治癒因子が作用した可能性が示唆された.
  • 玉井 哲郎, 阿部 祥英, 宮沢 篤生, 水野 克己, 根本 友重, 服部 夕子, 中山 智理
    2019 年 79 巻 2 号 p. 165-170
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/07
    ジャーナル フリー
    昭和大学病院の小児医療に関連するアクシデントを分析し,特徴や問題点を抽出すること.対象は昭和大学病院の医療安全管理部門が管理する入力システムから報告された過去11年間の小児医療に関連するインシデントレポートのうち,患者への影響レベルが3b(濃厚な処置や治療を要した)以上であったアクシデント17事例である.それらを状況報告書をもとに分類して分析した.患者の男女比は11:6であった.年齢の範囲は0〜18歳で,3歳までで12例(71%)を占めた.11例(65%)が発達遅滞,形成異常のうち,いずれか一つを有した.入院事例が15例(88%)でNICU・ICUでの事例は5例(29%)であった.事象に関して,「療養上の世話」5例(29%),「治療・処置」4例(24%),「ドレーン・チューブ」4例(24%),「検査」1例(6%),「その他」2例(12%)で,この2例は予期せぬ急変で影響レベル5(死亡)の事例であった.事例が生じた背景に関して,NICU・ICU以外の事例で発達遅滞,形成異常のいずれも認めなかった児は2例(12%)のみであった.事例が生じた要因に関しては,患者担当者の医療行為に起因するものが8例(47%),医療体制の不備が6例(35%),予測困難が2例(12%),患者の基礎疾患が1例(6%)であった.昭和大学病院のアクシデント事例の約80%は医療行為の質向上や医療体制の改善に向けて介入可能であった.しかし,予測が困難であった事例が約10%あり,小児医療の安全管理上,リスク軽減に限界があることも判明した.
  • 佐藤 馨, 安田 知弘, 新井 昌幸, 中村 弘毅, 神崎 浩二
    2019 年 79 巻 2 号 p. 171-176
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/07
    ジャーナル フリー
    創外固定器を用いた骨折治療や脚延長は,リング型創外固定器を用いたIlizarov法の普及とともに広がり,閉鎖骨折や変形矯正,骨欠損への治療に応用される.リング型創外固定器は,ハーフピンとワイヤーを用いて骨を固定することで,強固な力学的安定性を獲得できる静的創外固定器としての機能を有する一方,駆動部を持つことで骨片を徐々に動かすことが可能であり,骨片間のCompression-Distractionを特徴とする動的創外固定器としての機能も有する.その力学的特徴は,強固にして弾力性のある固定を特徴とし,鋼線,リングシステムの力学的弾性研究で明らかにされている.リング型創外固定器による圧迫固定は,偽関節部の治療やdocking siteでの固定の際に経験する.骨接触領域にcompressionをかけた際に生じるひずみが,100〜2,000µStrainであれば仮骨形成に有利であると報告があるが,リング型創外固定器における,その接触領域での力学特性は明らかになっていない.Telescopic rod(以下,延長器)を組み込んだ基本的な4ring systemを模擬骨に装着し,接触面に荷重計測用ロードセルとひずみゲージを骨折面上下へ取り付け,短縮量に対する荷重を計測した.短縮量5mm〜5.5mmで100µStrainを超え,荷重量は148〜164Nを計測した.本研究によって短縮量に対する,力学的特性が明らかになった.
  • 齊藤 佑樹, 石川 大樹, 福原 大祐, 岡村 博輝, 藤巻 良昌, 雨宮 雷太, 稲垣 克記
    2019 年 79 巻 2 号 p. 177-185
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/07
    ジャーナル フリー
    半月板亜全摘術後に進行した外側型変形性膝関節症に対する世界的な標準治療は同種半月板移植であるが,本邦では施行が難しくわれわれは自家腱を用いた半月板再建術を施行してきた.しかし術中に半月板後節が残存している症例も存在するため,今後は遺残半月板を温存する半月板部分再建術の開発が合理的である.本研究は実臨床で半月板部分再建術を行うことを目的として,家兎を用いて関節側骨孔開口部位置の異なる半月板部分再建モデルを作成し術後の移植腱や関節軟骨に関して比較検討を行った.日本白色家兎15羽を用いて,両膝の内側半月板に部分欠損を作成し,骨孔を介して半月板欠損部に移植腱を留置した.半月板中後節部の骨孔開口位置を右膝は脛骨関節面より作成し関節面群とし,左膝は非荷重部である脛骨の内側角より作成し関節面外群とした.術後2,4,8,12,18週で屠殺し,移植腱の組織学的評価および関節軟骨の肉眼的評価を行った.関節面群では術後4週から移植腱の変性を認め,大腿骨内側顆部には骨棘形成を認めた.関節面外群では術後18週まで脛骨関節軟骨が温存されていたが,関節面群では軟骨損傷が生じた.関節面群はその骨孔位置により,移植腱が力学的負荷を受け変性し,軟骨損傷が進行しやすい環境にあると考えた.臨床において半月板部分再建術を施行する際の骨孔は関節面外に作成するのが適切であることが示唆された.
症例報告
  • 宮野 二美加, 芳賀 秀郷, 栗原 祐史, 代田 達夫, 槇 宏太郎
    2019 年 79 巻 2 号 p. 186-193
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/07
    ジャーナル フリー
    骨格的な顎の変形や左右の非対称を伴う成人不正咬合者においては,外科的矯正治療を行い,主訴の改善をはかることがある.しかしながら,外科的矯正治療は,手術に対する負のイメージや入院期間の問題等から患者やご家族の同意を得ることが困難な場合も多々ある.骨格的な変形を伴う患者が外科的矯正治療を希望しない場合はいわゆる「カモフラージュ治療」が必要となり,骨格的な変形を考慮に入れた上での代償的な配列とならざるを得ない.本症例は,初診時年齢22歳0か月の女性,他院にて矯正治療単独でのカモフラージュ治療を終了し保定に至ったものの,下顎の骨格的左偏および軟組織の非対称は改善されず,外科的矯正治療による再治療を希望し来院した.当科にて検査・診断を経た後,外科的矯正治療を行い,上下顎移動術を施行することとなった.患者の主訴である形態的不調和は改善され,かつ機能的咬合が得られたため治療前後での骨格および咬合の変化について報告する.
  • 高橋 満理子, 槇 宏太郎
    2019 年 79 巻 2 号 p. 194-202
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/07
    ジャーナル フリー
    患者は初診時年齢12歳4か月の女児.上の歯が下の歯に覆い被さり歯がかみ合わない事を主訴に,矯正治療を希望して来院した.本症例は骨格性Ⅱ級,下顎の左右非対称を伴うAngle Cl. Ⅱ症例であった.1期治療でFKO(アクチベーター)を15か月使用し下顎の成長促進を行い,非対称を増長することなくoverjetの改善が得られたため非抜歯にて2期治療を行い,安定した咬合を得た.機能的顎矯正装置の作用メカニクスは未だ不明な点もあるが,後に続く2期治療の難易度や侵襲の低減が可能であり,非対称症例においても1期治療の臨床的な重要性が示唆された.
  • 山内 日香里, 佐藤 伸弘, 江川 智昭, 津田 智子, 住永 莉華子, 宮部 真以, 門松 香一
    2019 年 79 巻 2 号 p. 203-208
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/07
    ジャーナル フリー
    症例は下半身麻痺のある83歳の男性で,坐骨部褥瘡に対して当科での治療歴がある.2018年6月に同部位の褥瘡再発のため当科に入院した.坐骨結節の露出と広範な皮下ポケットを伴う褥瘡を認め,全身麻酔下にデブリードマンとRIGENERAシステムを用いたdermal micrograftの注入を行った.陰圧閉鎖療法ののち,術後2週間で大殿筋皮弁により潰瘍部を被覆し,20日後に抜糸した.経過は良好であり術後半年で再発を認めない.RIGENERAシステムは,2013年にイタリアで開発以来,micrograftによる治療として海外で注目されてきているが,本邦での症例報告はまだない.本邦でのmicrograftによる治療の先駆けとして,陰圧閉鎖療法や外科的手術との併用を行い,良好な結果を得たため報告する.
第65回昭和大学学士会総会
第350回昭和大学学士会例会(薬学部会主催)
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