【目的】中心静脈血の炭酸ガス分圧(venous carbon dioxide tension, P
VCO
2)と動脈血の炭酸ガス分圧(PaCO
2)の較差(DCO
2)は,心係数(cardiac index, CI)と心拍出量(cardiac output, CO)の値にかかわらず強い負の相関関係があるとの報告があるが,DCO
2がCIの代わりになり得るかを検討する。【方法】対象は中心静脈カテーテルが挿入されてICUに入室した患者20症例である。ICU入室の翌日にPaCO
2とP
VCO
2およびCOを測定し,その結果からDCO
2とCIを算出した。【結果】CIとDCO
2間の有意な相関関係は,正常心拍出量の患者(CI≧2.5
l·min
−1)(r
2=0.003,
P=0.87)では認められず,低心拍出量の患者(CI<2.5
l·min
−1)(r
2=0.509,
P=0.03)においてのみ認めた。【結論】DCO
2はCIの代わりにはならない可能性が示唆された。
抄録全体を表示