日本集中治療医学会雑誌
Online ISSN : 1882-966X
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24 巻 , 5 号
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編集委員会より
今号のハイライト
総説
  • 大野 雄康, 篠原 一彰, 谷川 攻一
    2017 年 24 巻 5 号 p. 535-541
    発行日: 2017/09/01
    公開日: 2017/09/21
    ジャーナル フリー
    救急/集中治療領域で気管挿管困難症に遭遇する確率は手術室より遥かに高く,かつ気道確保の失敗は致命的な結果を招く。一刻の猶予も許されない状況で使用するレスキューデバイスは「迅速,単純,容易」に操作できなければならない。声門上器具はこれらの観点からはほぼ理想的なデバイスであり,近年麻酔科領域のみならず,救急/集中治療領域のdifficult airway management(DAM)でもその有用性を示す報告が増加している。しかし,本邦の救急/集中治療領域における声門上器具の普及率は諸外国に比して低く,現状では声門上器具が適切に配備されているとは言い難い。一刻を争う事態での安全を確保するために,声門上器具を含め,平時より適切なDAMデバイスを配備し運用しておくことが望まれる。本稿を通し,救急/集中治療領域のDAMにおける声門上器具の役割を再考する。
原著
  • 山下 遊平, 李 範爽, 生須 義久, 長谷川 豊, 金子 達夫, 山崎 恒夫, 外里 冨佐江, 大島 茂
    2017 年 24 巻 5 号 p. 543-548
    発行日: 2017/09/01
    公開日: 2017/09/21
    ジャーナル フリー
    【目的】術後せん妄を発症した心臓血管外科手術患者における関連要因を検討する。【方法】待機的に心臓血管外科手術を施行した患者88名(65.6±11.9歳)を対象とした。術前にhospital anxiety and depression scale(HADS),mini-mental state examination(MMSE),Barthel index(BI)評価を行い,術中・術後の水分出納量や術前入院日数,ICU在室日数,術後在院日数について調査した。術後に日本語版CAM-ICU(confusion assessment method for the ICU)を使用してせん妄の有無を判定,両群における各指標を比較した。【結果】術後せん妄発症は11名(12.5%)に認められた。せん妄群は非せん妄群に比べ,有意にHADS抑うつが高く(P=0.003),MMSEが低く(P=0.031),水分出納量が多く(P=0.030),ICU在室日数が長い結果であった(P=0.022)。また,ロジスティック解析の結果,せん妄発症関連因子として術後ICU在室日数と術前抑うつ傾向が抽出された。【結論】術前に抑うつや認知機能の低下がある患者の場合と術後に水分出納量が多くICU在室日数が長い患者の場合,術後せん妄を発症しやすい傾向にあることが示唆された。
  • 奥田 淳, 鈴木 武志, 鈴木 悠太, 御園生 与志, 上田 朝美, 森﨑 浩
    2017 年 24 巻 5 号 p. 549-554
    発行日: 2017/09/01
    公開日: 2017/09/21
    ジャーナル フリー
    【目的】遺伝子組み換え型ヒト可溶性トロンボモジュリン(recombinant human thrombomodulin, rTM)を投与したDIC合併重症敗血症患者の経過を後ろ向きに検討した。【方法】2013年9月1日から9ヶ月間で,当院ICUでrTMを使用した重症敗血症患者を対象とし,急性期DIC診断基準を満たしてからrTM投与までの期間,DICスコアの推移などを,生存群と非生存群とで比較検討した。【結果】重症敗血症症例は45例,rTMを使用した症例は17例であった。生存群ではrTM投与7日目のDICスコアは投与初日と比較して有意に低下していたが(1[1~4]vs 5[5~6]),非生存群では有意な低下はなかった(6[5~7]vs 8[7.25~8])。非生存群では生存群と比べてDIC診断から投与開始までが有意に遅れていた(3[0~4]vs 0[0~1]day)。【結論】rTMは早期投与が有効であり,DICスコアの推移は患者予後を反映する可能性が示唆された。
短報
ガイドライン
  • 日本集中治療医学会重症患者の栄養管理ガイドライン作成委員会
    2017 年 24 巻 5 号 p. 569-591
    発行日: 2017/09/01
    公開日: 2017/09/21
    ジャーナル フリー
    日本集中治療医学会の重症患者の栄養管理ガイドライン作成委員会は,総論的なクリニカルクエスチョン(CQ)とその推奨で構成した「日本版重症患者の栄養療法ガイドライン」を2016年3月に発刊した。重症患者では臓器障害や病前合併症の状況に応じて,特殊な急性期栄養療法を要する場合も少なくない。その後,これらの個々の状況における栄養療法を行う際の臨床的補助となることを目的に,病態別のCQの立案とその推奨の作成を行い,「日本版重症患者の栄養療法ガイドライン:病態別栄養療法」を作成した。本ガイドラインで対象とした特殊病態は以下のいずれかの条件に合致するものとした。1)国際ガイドラインでは言及されない治療が本邦で行われている病態(急性膵炎,中枢神経障害),2)国際ガイドラインで言及されている治療が本邦では一般的に行われていない病態(呼吸不全,急性腎障害,急性膵炎),3)国際ガイドラインで対象とされている患者群が本邦の一般的な患者群とは異なる病態(高度肥満),4)一般的な栄養療法を適応できない病態(肝不全),5)本邦の臨床現場で栄養療法の理解に混乱が見られる病態(呼吸不全,急性膵炎)。上記より,本委員会は,呼吸不全,急性腎障害,肝不全,急性膵炎,中枢神経障害,高度肥満の6病態を取り上げ,本邦の臨床に適応したCQを立案し,推奨を策定した。各推奨作成にあたっては,「日本版重症患者の栄養療法ガイドライン」と同様に,既存のシステマティックレビュー(SR)と国際ガイドラインの推奨を検証し,新規のSRおよびメタ解析の必要性を検討した。本ガイドライン作成においては,いずれのCQでも新規のSRを行う必要はなかった。本ガイドラインは,本邦初の重症患者を対象とした栄養療法ガイドラインとして先行刊行した「日本版重症患者の栄養療法ガイドライン」の補遺として捉えていただき,併せて臨床の現場で広く適切に活用されることを期待している。
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