日本集中治療医学会雑誌
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7 巻 , 3 号
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  • 相馬 一亥, 浅利 靖, 青山 直善
    2000 年 7 巻 3 号 p. 169-177
    発行日: 2000/07/01
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    肺血栓塞栓症は決して稀な疾患でなく,罹患および死亡の原因疾患としても重要である。しかし,肺血栓塞栓症の認識は高くなく,診断が看過されている可能性がある。診断はまず臨床的に疑うことが最も重要であり,客観的な診断法によって確定診断される。画像診断として肺血管造影が診断のゴールドスタンダードである。治療はヘパリン投与であるが,広範な肺血栓塞栓症,循環虚脱例では血栓溶解療法が適応である。血栓溶解療法が禁忌あるいは効果が得られない症例ではカテーテルによる血栓除去ないし外科的血栓除去術を考慮する。予防が何より大切である。臨床診断,画像診断,治療戦略について述べた。
  • 丸山 一男, 横地 歩, 天野 誉
    2000 年 7 巻 3 号 p. 179-189
    発行日: 2000/07/01
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    新生児遷延性肺高血圧症(persistent pulmonary hypertension of neonate, PPHN)では,NO吸入は肺血管を拡張し,卵円孔や動脈管を介する右-左シャントを低下させ,動脈血酸素分圧上昇が得られる。在胎月齢が34週以上の新生児で,臨床的にまたは心エコー所見上,肺高血圧と低酸素血症を伴う呼吸不全の治療に適応があり,肺酸素化能の改善と人工肺(extracorporeal membrane oxygenation, ECMO)施行の必要性を軽減できる。ECMOという侵襲的でかつ費用のかかる治療を回避できる可能性があり,脳出血や慢性肺疾患を合併した生存者の数を減ずる点で有益であるため,NO吸入はECMOの前に試みる治療として認められている。さらに,先天性心疾患患児の周術期肺高血圧の抑制やFontan型手術の肺血流改善が期待でき,PPHNに次ぐ適応が期待できる。一方,小児急性呼吸不全でのNO吸入は,肺酸素化能を改善するが予後については病因別,重症度別の無作為対照試験が必要である。吸入濃度は報告により一定でなく,個々の患児で用量作用関係を検討することが望ましいが,20ppmで効果がない場合80ppmでも効果がないことが多い。5ppmでも十分な効果が期待できる。効果判定はPPHNでは吸入開始後15分以上経過後,先天性心疾患周術期では30分以内で行っている報告が比較的多い。
  • 田辺 健, 村岡 正敏, 坪 敏仁, 石原 弘規, 松木 明知
    2000 年 7 巻 3 号 p. 191-195
    発行日: 2000/07/01
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    通常の術中術後管理にもかかわらず,頸髄手術後に一過性の多尿を呈する症例を数例経験した。そこで腹臥位で頸椎手術を受け,術後にICUに収容した23人を対象とし,ICU収容後から翌朝までの尿量,輸液量について検討した。硬膜切開を伴う頸髄手術群,硬膜切開を伴わない頸椎手術群(対照群)に分けた。術前体重,術中の輸液量,出血量,尿量およびICU収容後の輸液量は両群間で差はなかったが,頸髄手術群(n=13)は対照群(n=10)に比べ有意にICU収容後の尿量は多かった(2.0ml・kg-1・hr-1vs.1.2ml・kg-1・hr-1,P<0.01)。多尿を呈した患者ではその後,水電解質異常を生じなかった。頸髄手術群における尿量増加の要因は明らかではなかったが,術後管理において十分注意を払う必要があると考えられた。
  • 内山 隆史, 並木 紀世, 進藤 直久, 島田 靖, 大橋 裕樹, 小松 尚子, 喜納 峰子, 永井 義一
    2000 年 7 巻 3 号 p. 197-201
    発行日: 2000/07/01
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    急性心筋梗塞(acute myocardial infarction, AMI),不安定狭心症(unstable effort angina, UAP),安定労作狭心症(stable effort angina, AP)患者の血清hHGF (human hepatocyte growth factor)値を検討した。AMI群58名,UAP群21名,AP群67名の血清hHGF値は3.42ng・ml-1,0.86ng・ml-1,0.37ng・ml-1で,AMI群が有意に高値であった。
    AMI群の発症時間別血清hHGF値と血清CK値のピークは6~12時間と12~24時間であり,血清hHGFが血清CKに比べより早期に上昇した。
    AMI群の梗塞責任血管への側副血行と血清hHGF値の関係は,側副血行のない群で1.82ng・ml-1,側副血行のある群で4.66ng・ml-1と有意差はないが,側副血行のある群で高値を示すものがあった。
    UAP群では血清hHGF値はAMI群に比べ軽度の上昇であったがAP群よりも高値であった。そのため,血清hHGF測定は急性冠症候群の診断に有用であると思われる。
  • 井上 健, 山野上 敬夫, 岡林 清司, 和田 誠之, 岩崎 泰昌, 渡橋 和政, 松林 克典, 大谷 美奈子
    2000 年 7 巻 3 号 p. 203-208
    発行日: 2000/07/01
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    大動脈弁・僧帽弁の二弁置換術後6年を経て人工弁血栓症による急性心不全を発症した症例を経験した。手術室搬入前に急激に循環呼吸不全が進行し,輸液,カテコラミン投与では血行動態,肺酸素化能の維持が不可能となり,経皮的心肺補助装置(percutaneous cardiopulmonary support system, PCPS)を導入した。PCPSは急激に循環不全に陥る血栓性人工弁機能不全に対し,再弁置換術までの橋渡しとして効果的であった。
  • 森山 潔, 浅利 靖, 平田 光博, 瀧島 常雅, 相馬 一亥, 大和田 隆, 中村 隆
    2000 年 7 巻 3 号 p. 209-213
    発行日: 2000/07/01
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    高ビリルビン血症を伴う重篤な肝機能障害を呈し,入院後の速やかな診断,治療にもかかわらず,多臓器不全が進行する劇症型の経過をたどり,大腸穿孔を起こし死亡したアメーバ赤痢の1症例を経験したので報告する。患者は61歳の男性で,3年前よりスリランカに在住していた。39℃台の発熱が出現し,粘血便も出現,13日後の腹部のコンピュータ断層撮影(computed tomography, CT)所見よりアメーバ性肝膿瘍,大腸炎と診断され,当救命救急センター搬入となった。来院時の検査データは肝不全および腎不全を示していた。肝膿瘍を穿刺したところ,アンチョビ様の膿がドレナージされ,便検体でアメーバ赤痢原虫が観察されたため,アメーバ赤痢と診断し,メトロニダゾール750mg・day-1による治療を開始した。第19病日の腹部CT所見にて回盲部周囲の消化管穿孔が認められ,回盲部切除術を施行したが,ショックを離脱できず,第20病日に死亡した。
  • 松尾 兼幸, 本田 完, 平賀 一陽
    2000 年 7 巻 3 号 p. 215
    発行日: 2000/07/01
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
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