日本集中治療医学会雑誌
Online ISSN : 1882-966X
Print ISSN : 1340-7988
ISSN-L : 1340-7988
最新号
選択された号の論文の21件中1~21を表示しています
編集委員会より
今号のハイライト
解説
  • 厚生労働科学研究費補助金(新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業)「新興・再興感染症のリスク評価と危機管理機能の実装のための研究」分担 ...
    2020 年 27 巻 6 号 p. 447-452
    発行日: 2020/11/01
    公開日: 2020/11/01
    ジャーナル フリー

    2019年に発生した新型コロナウイルス疾患(coronavirus disease 2019, COVID-19)により急性呼吸不全を呈する重症患者管理の根幹は,呼吸機能低下に対する支持療法としての人工呼吸と体外膜型肺(extracorporeal membrane oxygenation, ECMO)である。COVID-19患者数が増加していることを踏まえ,臨床現場での参考となりうるECMOに関する標準的なケアの概要を,専門家のコンセンサスステートメントとして提案した。ECMO管理のための適応,管理方法および注意点を,資源制約のある場合を含めて記載した。

原著
  • 金子 尚樹, 長谷川 智巳, 吉田 美苗, 黒澤 寛史
    2020 年 27 巻 6 号 p. 453-458
    発行日: 2020/11/01
    公開日: 2020/11/01
    ジャーナル フリー

    【目的】近年,声帯エコーを用いた声帯麻痺の評価が徐々に広まりつつあり,PICUにおいて小児集中治療医が実施した小児声帯エコーの診断精度を検討した。【方法】2017年10月から2019年7月までの間に,兵庫県立こども病院PICUで術後に声帯麻痺を疑った16歳未満の患者のうち,小児集中治療医による声帯エコー検査を施行した後,耳鼻咽喉科医による喉頭内視鏡検査を施行した30症例を対象として,両検査所見を後方視的に比較検討した。【結果】抜管後に嗄声23例,吸息性喘鳴15例を認めた。抜管から検査施行までの日数[中央値]は,声帯エコー検査まで2日,喉頭内視鏡検査まで4日であった。声帯エコーで声帯麻痺あり19例,声帯麻痺なし11例と診断し,26例で喉頭内視鏡検査所見と一致した。声帯麻痺の診断における声帯エコーの感度86%,特異度89%であった。【結論】小児集中治療医による声帯エコーは,小児術後の声帯麻痺のスクリーニング検査法として有用である。

  • 川口 敦, 竹内 宗之
    2020 年 27 巻 6 号 p. 459-465
    発行日: 2020/11/01
    公開日: 2020/11/01
    ジャーナル フリー

    【目的】日本の小児集中治療医の経鼻ハイフロー療法(high flow nasal therapy, HFNT)使用方針を記述し,北米および欧州と比較する。【方法】北米,南米,アジア,欧州,豪州計46カ国の小児集中治療医を対象とした国際横断研究。質問は対象施設と属性,HFNTの診療に関するもの,HFNT周辺診療(栄養,鎮静,吸入など),HFNTの研究に関する質問〔continuous positive airway pressure(CPAP)との比較など〕の4つのドメインから構成され,プレテスト,パイロットテストなどの体系的な検証手順を踏み作成された。【結果】計1,031の回答を得,うち日本,北米,欧州からの回答547〔うち日本:51(回答率42%),北米:215,欧州:281〕を本事後研究の解析対象とした。日本では回答者の74%がPICU外(一般小児病棟など)でもHFNTを使用しているとした。他地域コホートに比べ,流量については比較的高流量から開始し,著効のない場合にもnoninvasive ventilation(NIV)への治療エスカレーションを考慮しないとする回答が多かった。また,より多くの小児集中治療医がCPAPに比べHFNTの効果が高いと感じると回答した。日本の回答者間,またそれらを海外と比較した場合に,ウィーニング方法や周辺診療方針について様々な違いがみられた。【結語】HFNTの診療方針は日本の小児集中治療医の間でも様々な点で不均一であり,また海外との違いがみられた。本事後研究で確認された相違などを踏まえ,HFNT関連の研究立案あるいは背景の異なるコホートからの報告を理解する必要がある。

症例報告
  • 藤﨑 拓也, 起塚 庸, 大西 聡, 篠本 匡志, 内山 敬達, 津川 二郎, 西島 栄治, 南 宏尚
    2020 年 27 巻 6 号 p. 467-471
    発行日: 2020/11/01
    公開日: 2020/11/01
    ジャーナル フリー

    当院では高度声門下腔狭窄症に対して喉頭気管部分切除・甲状軟骨気管吻合術(partial cricotracheal resection, PCTR)を施行し,気管切開からの離脱を積極的に試みている。PCTR術後は創部の絶対安静を要するため,当院ではPICUにおいて慎重な術後管理を行っている。今回,2016年7月から2019年6月の3年間でPCTRを行った15例に対する当院の術後管理の現状について報告する。手術時の年齢の中央値は8歳であった。全例でフェンタニル,ミダゾラム,ロクロニウム臭化物を用いて鎮痛鎮静・筋弛緩管理を開始し,鎮静困難例には,デクスメデトミジンの追加投与を行った。人工呼吸管理期間の中央値は9日,PICU管理期間の中央値は12日であった。全例で気管切開からの離脱に成功した。合併症として,6例で軽症の無気肺形成と5例で薬物離脱症状またはせん妄の疑いを認めたが,計画外抜管,再狭窄,吻合部離開などは認めなかった。

  • 山下 由理子, 長谷川 智巳, 長井 勇樹, 制野 勇介, 青木 一憲, 津田 雅世, 田中 亮二郎, 黒澤 寛史
    2020 年 27 巻 6 号 p. 472-476
    発行日: 2020/11/01
    公開日: 2020/11/01
    ジャーナル フリー

    先天性心疾患に合併する肺出血の多くは体肺動脈側副血管(aorto-pulmonary collateral artery, APCA)によるものだが,ファロー四徴症の術後遠隔期に特発性肺ヘモジデローシスと診断された症例を経験したので報告する。症例は4歳,女児。2歳時にファロー四徴症修復術を受け,周術期に原因不明の貧血を繰り返した。肺出血により呼吸不全を来した際にはAPCAに対する経皮的コイル塞栓術を施行したが効果は乏しく,支持療法で徐々に改善した。4歳時に両側びまん性肺出血よる貧血と低酸素血症を来し集中治療を受けた。胃液と気管支肺胞洗浄液の細胞診でヘモジデリン貪食像を認め,他の肺出血の原因となる疾患は否定的であるため特発性肺ヘモジデローシスと診断された。ステロイドと免疫抑制剤の投与により回復し退院した。先天性心疾患に合併するびまん性肺胞出血において,出血源となるAPCAがないにもかかわらず肺出血を繰り返す場合には,特発性肺ヘモジデローシスを念頭において診療にあたることが望ましい。

短報
調査報告
  • 赤澤 杏奈, 福島 臣啓, 余頃 瑞希, 渡邊 麻衣, 和田 浩太郎, 石川 友規, 河野 圭史, 奥 格
    2020 年 27 巻 6 号 p. 501-504
    発行日: 2020/11/01
    公開日: 2020/11/01
    ジャーナル フリー

    【はじめに】不規則抗体は,抗A,抗B以外の赤血球抗原に対する抗体である。患者背景により不規則抗体の陽性率は異なるが,ICU入室患者における報告はない。【対象と方法】2012年1月から2015年11月に当院ICUに入室した患者を対象とした。不規則抗体陽性患者においては,年齢,性別,抗体の種類,輸血歴の有無などを電子カルテで調査した。【結果】この期間に不規則抗体検査を実施された患者数は770例で,そのうち陽性例は14例(1.8%),年齢は64.0±14.7歳(平均±標準偏差)で,性別は男性11例,女性3例であった。輸血歴ありが5例(35.7%),なしが4例(28.6%),不明が5例(35.7%)であった。臨床的意義のある温式抗体は10例(1.3%)であった。【結語】不規則抗体陽性患者はまれではなく,当院ICUの陽性率は1.8%であった。ICU患者では輸血歴を問診できない症例が多く,不適合輸血による副作用も重篤となりうる。ICU管理が必要な重症患者に対して不規則抗体検査を積極的に行うことで,輸血による合併症を回避できる可能性がある。

  • 林 容子, 二井谷 真由美, 志馬 伸朗
    2020 年 27 巻 6 号 p. 505-507
    発行日: 2020/11/01
    公開日: 2020/11/01
    ジャーナル フリー

    院内迅速対応システム(rapid response system, RRS)に関わる困難感の有無と要因を,381名の看護師を対象に質問紙を用いて調査した結果,8割の看護師がRRSにおいて困難感を感じていた。困難感の要因としては,“RRS要請することは責任が重く,気軽にはできない”(56%),“RRS要請するタイミングがわからない”(41%),“RRS起動基準である『スタッフによる重症の懸念』のアセスメントに自信がない”(40%)などの急変徴候の判断評価や,責任の重さが困難感の主要因であった。

委員会報告
feedback
Top