情報通信学会誌
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33 巻 , 4 号
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論文
  • 米国法上の事業記録論を手がかりとして
    海野 敦史
    2016 年 33 巻 4 号 p. 53-65
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/07
    ジャーナル フリー
    個々の通信の際に基地局単位で収集される携帯電話の位置情報について、米国においてはこれを通信管理主体が任意に取り扱い得る「事業記録」と解する事業記録論が有力に提示されているが、当該位置情報は日本国憲法に基づき保護される「通信の秘密」に該当すると解される。よって、事業記録論の考え方は通信の秘密不可侵の法理に抵触し得る。このことを踏まえて考えると、事業記録論については、①発信者による位置情報の提供先である通信管理主体が一般私人と同列の「第三者」として位置づけられている、②当事者の私生活を露呈させ得る位置情報固有の性質にかかわらず、それが第三者に提供された他のあらゆる情報と同列に扱われている、③携帯電話を用いた通信役務の国民生活における不可欠性にかかわらず、個々の通信時における位置情報の提供が任意に行われるものとして位置づけられている、といった問題点を内包しており、通信の秘密の解釈論に対して援用しがたいものであるという帰結が導かれる。すなわち、日本国憲法上、通信管理主体(電気通信事業者)においては、「通信の秘密」としての位置情報について、それが個人を特定又は識別し得る状態にある限り、正当な理由・手続きによらずに公権力等に提供することはもとより、自ら通信役務の提供に必要となると認められる範囲を超えた目的のために積極的な知得(探索)や窃用を行うことも、原則として許されないものと解される。
  • OECD 34ヶ国での分析
    篠原 聡兵衛, 森川 博之, 辻 正次
    2016 年 33 巻 4 号 p. 67-80
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/07
    ジャーナル フリー
    本稿の目的は、スマートフォンが、モバイル・ブロードバンドの普及や携帯事業者間の競争に与えた影響を、OECD 全 34 ヶ国について、2000 年から 2012 年の期間でパネルデータ分析により検証するものである。データからは、スマートフォンが導入された 2008 年以降、モバイル・ブロードバンドのHHI が低い国ではその普及が進む一方、HHI が高い国では普及が遅れる傾向が見られる。さらに、iPhone を最初に導入した携帯事業者はシェアを増加させるが、その反面当該事業者より大きいシェアを有する事業者がシェアを低下させることが観察される。事実パネルデータ分析により、スマートフォンの導入が、モバイル・ブロードバンド市場の競争を進展させ、これが普及を促進させたとの結果が得られた。新サービスであるスマートフォンが、携帯事業者間の競争やモバイル・ブロードバンドの普及に影響を及ぼすとの結果は、今後各国のブロードバンド政策に示唆を与えるものである。
  • 民放構造規制を中心に
    橋本 純次
    2016 年 33 巻 4 号 p. 81-98
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/07
    ジャーナル フリー
    本稿は、現行制度への批判と、地方局へのアンケート調査をもとに、人口減少社会に調和する放送制度について検討する。
    人口減少が地方局に与える影響には、① 市場規模の縮小に伴う番組の画一化・視聴者の移動と変化といった直接的なものと、② 地方権力への監視機能がますます重要になることに伴い、独立した健全な経営基盤を持つ必要性が増すという間接的なものが考えられる。
    本稿は、放送制度のあり方について、3 つの基本的な考え方を提案したのち、それらを前提にして重層的な制度を整備することにより、人口減少社会においても、地方局が持続可能な形で住民ニーズを満たしうることを主張する。
    本発表では、特に民放に関わる分野について、① 地方局が市場を県域外に拡大できるようにする制度、② 地方局が自らの判断において経営に関する選択を行いやすくする制度、③ 地域特性に応じた柔軟な制度という 3 種類の方向性に沿って、具体的な政策を提言する。
  • Case Study of Cambodia
    Phirak LENG
    2016 年 33 巻 4 号 p. 99-114
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/07
    ジャーナル フリー
    Mobile number portability has been widely introduced in many countries to reduce switching costs and to increase consumer satisfaction and the market competition. This paper intends to examine consumer preference for the MNP in Cambodia for a better understanding of the consumer preference and their willingness to pay for the MNP. The research model is adopted from the technology acceptance model and the consumer preference is estimated from the conjoint analysis. The findings illustrate all alternatives are significant at 95% level of confidence, while the porting time is the most essential factor, compared to the porting fee and porting process. The consumers are willing to spend less than one day, to pay less than US$2 and not to meet a complicated porting procedure. The insights of the consumer preference on the MNP play a crucial role for the regulator to introduce the innovation with a reasonable porting time, fee and process.
寄稿論文
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