情報通信学会誌
Online ISSN : 2186-3083
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34 巻, 4 号
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論文
  • 坂口 洋英, 山口 真一, 彌永 浩太郎, 田中 辰雄
    2017 年 34 巻 4 号 p. 143-153
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/05/17
    ジャーナル フリー

    ネットワーク効果は情報通信産業の発展の重要なファクターであり、様々な研究がなされてきた。しかしながら、先行研究ではネットワークの大きさは財・サービスの総ユーザーとされており、ネットワークの構成ユーザーへの注目がない。そこで本研究では、ネットワーク効果がその構成ユーザーにより異なるあり方をする可能性に注目し、モバイルゲームを対象に有料ユーザー数と無料ユーザー数が支払額にそれぞれ別の影響をもたらすモデルを構築し、分析を行った。

    分析の結果、有料ユーザー数が有意に支払額に正の影響をもたらし、有料ユーザーが1%増加すると支払額は0.06%増加することがわかった。一方、無料ユーザー数は影響を与えているとはいえない結果となった。このことから、ネットワーク効果はその構成ユーザーにより異なり、無料ユーザーのもつネットワーク効果は限定的であるという示唆が得られた。

  • 吉見 憲二
    2017 年 34 巻 4 号 p. 155-165
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/05/17
    ジャーナル フリー

    2014年に行われた第47回衆議院議員総選挙では、多くの候補者がTwitterやFacebookに代表されるソーシャルメディアを利用し、自身の選挙運動に活用していた。一方で、日本ではネット選挙解禁から日が浅く、その利用傾向や有効性の検討に関する研究の蓄積はまだ少ない。また、新聞記事等では政党ごとの利用傾向が取り上げられることが多く、個々の候補者に着目した研究は定性的なものを除いてこれまであまり見られなかった。

    本研究では、著者が独自に収集した候補者のTwitter 投稿データを用いて、選挙期間中の候補者の利用傾向を実証的に検討する。特に、事前の利用実績が選挙期間中の利用にどのような影響を与えているのかに着目し、付け焼刃でのソーシャルメディア利用の問題点について明らかにする。

論説
  • 視聴覚メディア・サービス指令の改正による違法・有害コンテンツ対策の提案
    井上 淳
    2017 年 34 巻 4 号 p. 167-175
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/05/17
    ジャーナル フリー

    EUにおいては、オンライン・プラットフォームに対する規制の検討が進んでいる。その一環として、2016年5月、欧州委員会は、ビデオ共有プラットフォームに対する規制を新たに課す視聴覚メディア・サービス指令の改正案を提案した。その内容は、違法・有害コンテンツから市民及び未成年者を保護するため、ビデオ共有プラットフォーム提供者が、検索結果の表示等を適切に「編成(organization)」を行うべき等とするものである。これは、プラットフォーム事業者の媒介者としての責任や情報の自由な流通に関する重要な論点を含んでいる。

寄稿論文
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