情報通信学会誌
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論説
  • 菅田 洋一
    2021 年 38 巻 4 号 p. 95-105
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/05/12
    ジャーナル フリー

    米国の宇宙航空・情報通信産業が独走を続けてきた背景には、宇宙安全保障技術への巨額な政府投資と革新的な研究開発の追及があった。近年、宇宙開発競争は中印の台頭に見られるように世界で加速している。日本では、宇宙基本法が2008 年8 月に施行され、宇宙開発利用に安全保障の概念が盛り込まれ、宇宙産業の技術力及び国際競争力の強化が色濃く反映された。昨今の国際社会の情勢等に鑑み、宇宙資産の保護や社会経済システムの保全等を考えると、日本でも可能となった政府投資等を通じ、対処できる手段を今から講じていくことは重要である。本稿では、まず安全保障衛星を類似化した上で、この分野で先行する米国の通信衛星や偵察衛星について近年の技術動向を考察する。また、このような技術開発に必要となる米国政府予算の投下状況を分析し、日本との対比にも言及しながら、今後の安全保障衛星に関連する課題や方向性について論ずる。

  • 海野 敦史
    2021 年 38 巻 4 号 p. 106-113
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/05/12
    ジャーナル フリー
    憲法13 条は、その前段で客観的法規範としての個人の尊重の原理を規定し、個人としての尊厳と人格的自律の確保を求める一方、その後段で公権力による制約を原則として受けないことを確保するに足りる内容を備える権利としての幸福追求権の「最大の尊重」と「公共の福祉」とのバランスの確保を公権力に要請している。各人のプライバシーとの関わりにおけるこれらの要請の具体的な内実として、「私生活領域に対する不当な介入の統制」及び「私的情報の不当な取扱いの統制」が挙げられる。それらの裏返しとして、各人においては、「私生活領域にみだりに介入されないことに対する権利」及び「私的情報がみだりに取り扱われないことに対する権利」が主観的権利として保障され得る。しかし、これらは、「自己情報」の収集・取得、利用・分析、開示・提供といった取扱いの各過程に当人の「コントロール」が及ぶことを想定した自己情報コントロール権を承認するものではない。かかるコントロールが物理的にほぼ不可能であり、憲法上保護される「自己情報」の射程を的確に画定することが困難となりつつある今日において、自己情報コントロール権を憲法13条に基づく基本権とは位置づけがたい。もっとも、憲法13条に基づく幸福追求権は、個別的基本権に対して補充的に適用されるため、個別的基本権の解釈論的分析なしに、前述の主観的権利を「プライバシーの権利」と位置づけることは早計である。
寄稿論文
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