情報通信学会誌
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39 巻, 3 号
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論文
  • ─なぜ、海底ケーブル・オーナーはコンソーシアムを組もうとするのか─
    戸所 弘光
    2021 年 39 巻 3 号 p. 23-36
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/01/28
    ジャーナル フリー
     国際海底ケーブルは、19 世紀後半から20 世紀前半の電信ケーブルの時代に特権設定契約に基 づく一私企業による所有・運営として始まった。第二次世界大戦後は通信主権を背景に、各国の 独占事業体の共同事業によるコンソーシアムが形成され、2000 年前後のケーブル・バブルの時代 には第2、第3 キャリアを含む大規模コンソーシアムができる一方、プライベート・ケーブルが 勃興した。バブルの崩壊とともに、ケーブル建設は一時ほとんど途絶えたが、数年後「UNITY」 が成立した時には、少数の事業者によるコンソーシアムが模索された。なぜ、資金力も技術力も あるオーナーが、調整や意思決定に時間がかかるコンソーシアムを形成しようとするのか。一義 的には、国際海底ケーブルが建設・運営されるための必須条件をクリアすることであるが、新ルー ト開拓に伴うリスク分散を図り、ネットワーク強靭化のために積極的にコンソーシアムを利用し ようとする動きも出てきている。
  • 大磯 一, 依田 高典, 黒田 敏史
    2021 年 39 巻 3 号 p. 37-47
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/01/28
    ジャーナル フリー
     プライバシー保護とデジタルサービス利用を推進する政策の探求の観点から、マイナンバーカー ド、COCOA、LINE、スマートスピーカーの4 種類のサービスについて、約1400~2400 のオンラ イン調査回答を用いて、サービス採用行動とプライバシーリスク感覚(リスク感覚)について分 析した。
     採用行動分析では、主観確率で計測したリスク感覚、利便性評価、主観利用率及び新デジタル 製品への積極性が採用確率との間で有意の関係であること、リスク感覚は最大で6~10%ポイン ト程度の採用確率の変動をもたらすことが分かった。
     リスク感覚の分析では、リテラシーとリスク感覚緩和の間の関係を確認したほか、スマートス ピーカー以外の3 サービスについて、オンライン事業者への信頼、個人情報保護制度への信頼及 び漏えい等ニュースが多いという感覚がリスク感覚の緩和と関係することを発見した。スマート スピーカーについては、インターネット上のトラブル経験とリスク感覚緩和の関係性を示した。
     トラブル等の「悪い」情報と制度の対応状況や再発防止策等の情報の提供により、信頼・リテ ラシーの向上とリスク感覚の緩和、採用行動促進が可能と考えられる。
寄稿論文
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