農業農村工学会論文集
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2008 巻 , 256 号
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  • 正田 大輔, 河端 俊典, 内田 一徳
    2008 年 2008 巻 256 号 p. 343-350,a1
    発行日: 2008/08/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 凹凸形状をもつ部分拡幅杭の鉛直載荷時における極限支持力を算定することである. その基本的な支持機構を把握するために, 拡幅形状の異なる金属製模型杭を用い, 乾燥地盤内で模型載荷実験を実施した. その結果, 珪砂地盤では凹部長さの長短により, 極限時の支持メカニズムが変化することや, 部分拡幅杭の凹部近傍では凸部の貫入の影響を受け, 大きな垂直圧が発揮されることなどが明らかになった. さらに, 極限拡大部支持力の算定手法について, 凹部長さが長い杭に関してはCavity expansion theoryを用いたモデルが, 凹部長さが短い杭に関しては凹部での垂直圧増加を考慮したモデルが, それぞれ実験値に近い値を示すことが明らかになった.
  • 中 達雄, 樽屋 啓之
    2008 年 2008 巻 256 号 p. 351-358,a1
    発行日: 2008/08/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    用水路系を対象に性能規定化のための水理および水利用に関する機能と性能の基本的考え方を示す. 既存システムや設計での要求性能とその照査法を整理し, 性能目標であり性能評価の基準でもある指標を整理した. 規定化の考え方は, 地盤工学会の地盤コード21に準拠した. 基本的機能を広義の環境性も含めて大きく6つに分類し, 各機能を定義し, その階層構造化試案を示す. 各機能の要求性能の中から, 基本的項目として, 送配水性, 水管理性および通水性を抽出した. 送配水性には, 送配水効率, 用水到達時間および各水路工種の水頭配分を関数とする総費用の3つの指標が設定できる. 各性能に対しては, その照査手法と指標も類型化した.
  • 福本 昌人
    2008 年 2008 巻 256 号 p. 359-366,a1
    発行日: 2008/08/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    札幌市において冬期にマイクロ波散乱計による後方散乱係数 (Cバンド) の観測を適宜行い, 後方散乱係数と乾雪の積雪水量との関係を調べた. その結果, 後方散乱係数と積雪水量との間には25°, 35° および45°の各入射角とも有意な相関関係は見られなかった. しかし, 入射角25°と45°の後方散乱係数の差と積雪水量との間には有意な相関関係が見られ, 複数の入射角で観測されたCバンドの合成開口レーダ (SAR) のデータを用いて乾雪の積雪水量を推定できる可能性が示された. 後方散乱モデルを用いて解析を行った結果, その後方散乱係数の差が積雪水量の増加とともに大きくなった直接的な要因は, 積雪下における土壌表面 (誘電率の不連続面) の凹凸状態の変化であると推察された. この凹凸状態の変化は底面融雪に伴って生じたと考えられた.
  • 九鬼 康彰, 武山 絵美
    2008 年 2008 巻 256 号 p. 367-374,a1
    発行日: 2008/08/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    全国的に野生動物による農作物被害が拡大しつつある中, これまでの個別農家による対策実施ではなく, 集落ぐるみで住民が協力し被害の防止・軽減を図る取り組み方が推奨されている. 本研究では獣害の深刻な和歌山県内14地区の農家に行ったアンケート調査をもとに, 集落レベルでみた獣害対策の実施に対する農家の取り組み意向と集落特性の関連性を考察した. そして分析の結果, 水田率が低く一戸あたりの経営規模が大きい専業農家が多い地区では複数の農家で取り組む意向が強いことや, 農家数や耕地面積の減少が著しい地区では集落ぐるみで取り組もうとする農家が多くなること, 水田率が高く圃場整備済みの地区では個人的な取り組みを志向する農家が少ないことを明らかにし, 集落特性に応じた対策導入の必要性を指摘した.
  • 福島 伸二, 谷 茂, 北島 明, 五ノ井 淳
    2008 年 2008 巻 256 号 p. 375-388,a1
    発行日: 2008/08/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    砕・転圧盛上工法は老朽化ため池 (堤高H<15m) の補強や漏水防止のために開発された堤体改修法であり, 池内に堆積した底泥土を固化処理して所要の強度と遮水性を有するように製造した築堤土を用いて堤体築造を行うものである. 築造年代の古いフィルダムは堤高H=30m未満の比較的小規模で, かつため池と同様に均一型かあるいはこれに近い堤体構造をしているのが多く, ため池で採用される改修法がそのまま適用できると考えられる. そこで, 本論文では砕・転圧盛土工法を適用してフィルダムの堤体改修を行うことを想定し, フィルダムにおけるため池との相違点を考慮した設計法を提案した. 設計法の特徴は, 底泥土の粒度と含水比が固化処理強度に及ぼす影響を考慮した強度管理法と, 固化処理した底泥土の強度特性が応力レベルから受ける影響を表現するためのバイリニア型破壊規準による強度パラメータを導入していることである.
  • 濱上 邦彦, 森 健, 平井 康丸
    2008 年 2008 巻 256 号 p. 389-396,a1
    発行日: 2008/08/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    密度成層化した水域に繁茂する水生植物が水面冷却過程の流動に及ぼす影響について, 模擬水槽を用いた水理実験ならびに理論的解析を行い検討した. まず, 可視化実験の結果から, 水面の一部が被覆された場合は, 不均一冷却の流れ場となるため, 水面近傍の密度不安定に基づく冷水塊の発生頻度および冷水塊の沈降にともない形成される対流セルの形状は均一冷却の流れ場とは異なる様相を呈することを示した. つぎに, 水温計測実験の結果から, 被覆部と水面部における水面からの熱フラックスおよびこれに起因する水温変動の特性を明らかにした. さらに, 混合層の特性に関する理論的な解析と水温計測実験結果から, 混合層の水温低下速度ならびに混合層厚さの発達速度は被覆部および水面部に付加される熱フラックス量とその差異に起因する水平対流に強く依存することを示し.
  • 小出水 規行, 渡部 恵司, 高 振麗, 水谷 正一, 森 淳, 竹村 武士
    2008 年 2008 巻 256 号 p. 397-403,a2
    発行日: 2008/08/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    小貝川上流域のホトケドジョウについて, 集団構造の遺伝解析に用いるマイクロサテライトDNAの遺伝子座を選択し, 選択された遺伝子座による集団解析を予備的に行った. 既存の17と新規の2遺伝子座を対象に, 小貝川上流域5地点及び近隣の荒川上流域1地点の計6標本を分析した結果, 12遺伝子座の利用が可能であると判明した. これらの遺伝子座を用いた解析により, 各標本の1遺伝子座あたり平均対立遺伝子数は4.4~5.3, 平均ヘテロ接合度は観察値で0.527~0.661, 期待値で0.581~0.657となり, どの標本も同等の遺伝的多様性レベルをもち, 任意交配している集団と考えられた. 標本間における遺伝的分化の尺度は小貝川上流域内 (FST=0.078) よりも小貝川一荒川上流域間 (FST=0.147) で大きくなり, 標本の遺伝的差異は流域間で大きいことが推察された.
  • 山岡 賢, 柚山 義人, 中村 真人, 人見 忠良
    2008 年 2008 巻 256 号 p. 405-406,a2
    発行日: 2008/08/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    メタン発酵消化液の脱水ろ液を蒸留して得られたアンモニァ水溶液にリン酸マグネシウムアンモニウム (MAP) 生成反応を適用してアンモニアの濃縮・固定を試みた. アンモニア水溶液に, リン源としてリン酸二水素カリウムを, マグネシウム源として塩化マグネシウムまたは水酸化マグネシウムを添加した. リンおよびマグネシウムの添加でアンモニア水溶液にすみやかに白色沈殿物が生じた. 通常MAP生成反応ではpHを弱アルカリに調整する必要があるが, アンモニア水溶液はもともと弱アルカリ性であるのでpH調整なしにMAPが生成されたと推定される. 白色沈殿物のアンモニア性窒素の含有率は約5%で, アンモニアの濃縮・固定が行われた.
  • 泉 完, 山本 泰之, 矢田谷 健一, 神山 公平
    2008 年 2008 巻 256 号 p. 407-408,a2
    発行日: 2008/08/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    現地河川の魚道内に設けた挿入式スタミナトンネルを用いて野生ウグイの遊泳実験を200cm・s-1~222cm・s-1の速い流速条件で実施し, その突進速度について検討した.その結果, 199尾のうち140尾 (平均体長14.3cm~16.1cm, 最小11.1cm・最大26.2cm) が計測され, 1秒以上泳いだ体長11m台から26cm台までの134個体 (平均体長14.9cm) の平均突進速度は265cm・s-1 (S. D=±22cm・s-1) で, ウグイの既往の研究結果よりさらに約20cm・s-1速いことがわかった.また, 高速流条件でどこまで泳ぐことができるのかも重要な情報である.体長と遊泳距離にはかなりのばらつきが見られたが, この速い流れ場を全計測個体の約80%が50cm以上遊泳することがわかった.
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