農業農村工学会論文集
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77 巻 , 3 号
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研究論文
  • Goyal AJAY, Kunio HATTORI, Hidehiko OGATA, Muhammad ASHRAF, Mohamed An ...
    2009 年 77 巻 3 号 p. 233-242
    発行日: 2009/06/25
    公開日: 2010/11/19
    ジャーナル フリー
    Biomass fuels produce about 400 million tonnes of ashes as waste material. This paper discusses the pozzolanic character of bio-waste ashes obtained from dry tree leaves (AML), Korai grass (KRI) and Tifton grass (TFT). Ashes were obtained by control incineration of the wastes at 600°C for 5 hours and mortar specimens were prepared by substituting cement with 10, 20 and 30% ash. Strength development of ash-blended mortar specimens was evaluated by conducting destructive tests as well as non-destructive tests till 91 days. X-ray diffraction, scanning electron microscopic and thermo-gravimetric techniques were used to analyze the influence of ash substitution on strength properties of blended-mortar. Pozzolanic reactivity of AML- and KRI-ash was confirmed, but TFT-ash did not show enough reactivity. Overall results confirmed that up to 20% substitution of cement can be made with AML- or KRI-ash with strength approaching 90% of that of control.
  • Goyal AJAY, Kunio HATTORI, Hidehiko OGATA, Muhammad ASHRAF
    2009 年 77 巻 3 号 p. 243-251
    発行日: 2009/06/25
    公開日: 2010/11/19
    ジャーナル フリー
    Sugarcane bagasse ash (SCBA), a sugar-mill waste, has the potential of a partial cement replacement material if processed and obtained under controlled conditions. This paper discusses the reactivity of SCBA obtained by control burning of sugarcane bagasse procured from Punjab province of India. X-ray diffraction (XRD) and scanning electron microscopy (SEM) techniques were employed to ascertain the amorphousness and morphology of the minerals ash particles. Destructive and non-destructive tests were conducted on SCBA-blended mortar specimens. Ash-blended cement paste specimens were analyzed by XRD, thermal analysis, and SEM methods to evaluate the hydration reaction of SCBA with cement. Results showed that the SCBA processed at 600°C for 5 hours was reactive as ash-blended mortar specimens with up to 15% substitution of cement gave better strength than control specimens.
  • 小出水 規行, 竹村 武士, 森 淳, 奥島 修二
    2009 年 77 巻 3 号 p. 253-261
    発行日: 2009/06/25
    公開日: 2010/11/19
    ジャーナル フリー
    千葉県下田川の谷津田域を対象にドジョウ集団の遺伝的構造を解明した.農業排水路8本と本川の計54地点から各9~48個体のサンプルを採捕し,8マイクロサテライト遺伝子座の遺伝型データを取得した.各地点サンプルの1遺伝子座あたりの平均対立遺伝子数は3.9~9.0,平均ヘテロ接合度の観測値は0.444~0.647,期待値は0.463~0.628となり,どのサンプルもハーディ・ワインベルグ平衡を仮定した任意交配集団と推定された.全サンプル間の遺伝的分化尺度FSTは0~0.161となり,水路内や本川内で有意な遺伝的分化(差異)は認められなかったが,一部の水路間や水路と本川間では有意となった.主成分分析によって遺伝的分化パターンを調べた結果,3水路のサンプルに分化傾向が認められ,谷津田域におけるドジョウ集団の遺伝的構造は単純でないと考えられた.
  • 吉川 夏樹, 長尾 直樹, 三沢 眞一
    2009 年 77 巻 3 号 p. 263-271
    発行日: 2009/06/25
    公開日: 2010/11/19
    ジャーナル フリー
    新潟県村上市神林地区では,洪水常襲地区の上流域に広がる水田に「落水量調整板」を設置し,大雨時に水田に意図的に雨水を貯留することで洪水緩和を図るという「田んぼダム」の取り組みが行われている.本研究では,この落水量調整板による水田からのピーク流出抑制機能を水田耕区スケールで検証した.水田からの流出量は,湛水状態の場合,この落水量調整板の孔(オリフィス)と排水マス入り口に設置されたせき板(四角せき)によって規定されるが,中干し期の場合はせき板が外され,田面に溝が切られるため田面水の排水マスへの流入量は,この溝の密度及び形状によって異なる.したがって,前者は,四角せきとオリフィスの公式,後者は,流出孔にオリフィスを想定したタンクモデルを構築し,流出量を計算した.田んぼダムのピーク流出抑制効果は,観測降水量及びそれを引き伸ばした確率降水量を用いて調整板設置・不設置の場合の水田1区画あたりからの流出量のシミュレーションを行い,両者を比較することで算定した.観測降水量(101.8mm)では湛水状態の場合,調整板の設置によりピーク流出量の48%,中干し初期の場合で,55%を減少させる結果となった.降水量の増加に伴い,ピーク流出抑制効果は大きくなり,引き伸ばし法による50年確率降雨では,湛水状態の場合,ピーク流出量の73%,中干し初期の場合では,71%を減少させるという結果を得た.
  • 吉川 夏樹, 長尾 直樹, 三沢 眞一
    2009 年 77 巻 3 号 p. 273-280
    発行日: 2009/06/25
    公開日: 2010/11/19
    ジャーナル フリー
    新潟県村上市神林地区では,洪水常襲地区の上流域に広がる水田に「落水量調整板」を設置し,大雨時に水田に意図的に雨水を貯留することで,洪水の緩和を図るという「田んぼダム」の取り組みが行われている.本研究では,この「田んぼダム」の洪水緩和機能を流域スケールで検証した.流出解析を行うにあたり,河川·排水路,山地・集落(市街地),水田の3つのモジュール(構成要素)で流域をモデル化した.山地・集落(市街地)モジュールは,Kinematic Waveモデル,水田は水田水収支シミュレーションにより流出量を経時的に計算し,これらを河川・排水路モジュールに横流入量として入力し,不定流解析によって計算を行った.対象とした降雨イベント(日降水量101.8mm,最大時間降水量20.8mm)の場合,調整板を全水田に設置することにより,排水河川である笛吹川および幹線排水路のピーク時流量が25%~29%減少し,0.17~0.23mの水位低下をもたらすという結果を得た.また,通常,同程度の日降水量では一部の市街地排水路に溢水が見られるのに対し,計算結果どおりに,実際に現況の調整板設置率(80%)でも溢水は確認されなかった.これらのことから,「田んぼダム」の取り組みは,対象地域の洪水緩和に有効であるということが明らかになった.
  • 加藤 亮, 宗村 広昭, 大澤 和敏, 黒田 久雄
    2009 年 77 巻 3 号 p. 281-287
    発行日: 2009/06/25
    公開日: 2010/11/19
    ジャーナル フリー
    谷津農業集水域の排水路において,降雨時の硝酸態窒素 (NO3-N) の流出特性を灌漑期,直接流出,先行降水量の観点から考察した.各降雨イベントにおいて,流量が増加するとNO3-N濃度は減少する傾向を示した.複数の降雨イベントのNO3-N濃度と流量の関係を灌漑期と非灌漑期に分けてそれぞれ一つの散布図に示したところ,累乗関数にて統計的に有意な関係がみられた.灌漑期のNO3-N濃度は,同等の流量の非灌漑期のNO3-N濃度より低い値で推移し,灌漑用水と水田の窒素除去機能の影響が考えられた.特に,直接流出とNO3-N濃度との関連が強かった.また,降雨イベント前5日間降水量(先行5日降水量)が大きい場合のNO3-N濃度は,同等の流量における先行5日降水量が小さい場合のNO3-N濃度より低い値で推移した.以上から,降雨時の排水路のNO3-N濃度は,灌漑用水,直接流出,先行降水量の影響を受けていることが示唆された.
  • 佐々木 長市, 松山 信彦, 久保田 正亜, 野田 香織, 加藤 幸
    2009 年 77 巻 3 号 p. 289-296
    発行日: 2009/06/25
    公開日: 2010/11/19
    ジャーナル フリー
    常時湛水条件下で,下層が開放浸透層でかつ酸化層となる開放浸透模型と全層閉鎖浸透層で還元層となる閉鎖浸透模型において,稲体のカドミウム濃度分布実態および生育収量を3カ年にわたり調査した.成層水田の模型の作土,すき床層には,カドミウムで汚染された水田から採取した土壌(3.39mg/kg)を用いた.
    その結果,カドミウム濃度の範囲は,玄米で0.001-0.200mg/kg,茎葉で0.06-1.25mg/kg,作土層の根で6.62-25.05mg/kg,すき床層の根で9.85-61.63mg/kgとなった.各測定項目中のカドミウム濃度は開放浸透模型が閉鎖浸透模型に比べ値が大きくなった.浸透型の相違により生育には大きな差異は認められなかった.しかし,穂数,総藁重,粗玄米重が開放浸透模型より閉鎖浸透模型で上回る傾向となった.この結果より,成層水田模型における植物体のカドミウム濃度分布および常時湛水栽培下でも浸透型の相違により収量に影響を与えることを明らかにした.
  • 中石 克也, 大井 節男
    2009 年 77 巻 3 号 p. 297-304
    発行日: 2009/06/25
    公開日: 2010/11/19
    ジャーナル フリー
    液体粘弾性モデルに基づいて流動曲線を解析することによって得られた粘性率,ずり弾性率及び応力緩和時間と塩濃度の関係を調べ,粒子間反発力がモンモリロナイト分散系の流動特性にどのように寄与するかを定量的に明らかにした.粒子表面間の反発力を計算するために,モンモリロナイトの大きさと形状に基づいて,体積濃度1.1×10-2における懸濁粒子の配列構造を詳細に検討した.その結果,モンモリロナイトのようなシ—ト状粒子は面と面が向かい合った状態で配列していることがわかった.このことから,粒子間反発力の計算式には平板モデルを用いるのが妥当であると判断された.また,臨界凝集濃度付近の反発力に対する任意の塩濃度での反発力の増加率を粒子表面間反発力(相対反発力)の指標とした.次に,このように定義された反発力と粘性率,ずり弾性率及び応力緩和時間の関係を調べた.その結果,粒子間反発力が増加するにつれて,分散したモンモリロナイト懸濁液の流動抵抗は大きくなり,固体的性質はほぼ直線的に増加することがわかった.
  • 泉 完, 山本 泰之, 矢田谷 健一, 神山 公平
    2009 年 77 巻 3 号 p. 305-314
    発行日: 2009/06/25
    公開日: 2010/11/19
    ジャーナル フリー
    現地河川の魚道中にスタミナトンネル(円筒パイプ)を設置し,管内流速値が211cm·s-1~279cm·s-1の高速流条件での野生魚の自然誘導式遊泳実験を行い,遊泳特性,突進速度について検討した.その結果,(1)アユ・ウグイ・オイカワ・アブラハヤの魚種では,同一管内流速の条件で体長と管内遊泳速度との間に比例の関係が見られたこと,(2)ウグイ・アブラハヤの体長4cm台~16cm台の最大突進速度は262cm·s-1~319cm·s-1(管内流速値:225cm·s-1~230cm·s-1),オイカワとアユの体長5cm台~12cm台の最大突進速度は,308cm·s-1~355cm·s-1(管内流速値:264cm·s-1~273cm·s-1)であったこと,(3) 50cm最大遊泳速度は管内遊泳速度に比べ1.07倍速かったこと,(4)遊泳距離は管内流速が高速になるほど短くなること,などを明らかにした.
研究報文
  • 皆川 明子, 高木 強治, 後藤 眞宏, 樽屋 啓之
    2009 年 77 巻 3 号 p. 315-323
    発行日: 2009/06/25
    公開日: 2010/11/19
    ジャーナル フリー
    早場米の生産が行われている三重県松阪市上七見町の水田において,魚類の移入と移出の実態を調査した.水田は立地条件によって水管理に違いが見られ,上流に位置する水田では取水とともに水口から魚類が移入したのに対し,下流の水田では降雨時に排水路の水が逆流したために取水がほとんど行われず,魚類は主に水尻から移入した.いずれの水田でもドジョウとメダカが繁殖し,下流の水田は他の魚種も含め増水時の退避場としても利用されていた.しかしながら,1)メダカは4月中旬から下旬にかけて早い時期に移入したのに対し,ドジョウは遅れて5月以降に移入数が増加し,移入から中干しまでの期間が短かったこと,2)作期が2ヶ月遅い東京都国立市の水田と比較して,調査対象水田から中干し時に移出した未成魚以下のドジョウの体長が有意に小さかったことから,作期が早期化すると繁殖・成育時期と作期との間にずれが生じ,魚類が水田を利用しにくくなる可能性がある.
研究ノート
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