作付け履歴が異なる重粘土水田の低水分領域(-0.4MPa~-40MPa)の含水比と水ポテンシャルを測定した.含水比(%)を水ポテンシャル(-MPa)のべき乗関数で近似し,近似関数の係数
a(-1MPaの含水比)およびべき乗数
bの差異を解析した.前作が畑作物のほ場で採取した生土の
aおよび
bの絶対値 |
b |は,前作が水稲のほ場で採取した生土の値よりも小さかった.しかし,前作の栽培作物によるこのような保水特性の違いは,生土を風乾処理することにより消失した.さらに,生土と風乾処理土との間での
aおよび |
b |の差は,水稲の連作によって拡大し,逆に畑作物の連作によって縮小する傾向が見られた.これらの特徴から,生土と風乾処理土との間での
aおよび |
b |の差によって重粘土水田での畑転換・復田による乾湿履歴が推定できることを示した.
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