農業農村工学会論文集
Online ISSN : 1884-7242
Print ISSN : 1882-2789
ISSN-L : 1882-2789
79 巻 , 1 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
研究論文
  • 久田 重太, 千家 正照, 伊藤 健吾, 丸山 利輔
    2011 年 79 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2011/02/25
    公開日: 2012/02/25
    ジャーナル フリー
    ヒノキを中心とした常緑針葉樹林流域とミズナラなどの落葉広葉樹林流域において水文観測を行い,林相の違いが水収支特性に及ぼす影響を検討した.短期水収支法を1時間単位の流量データに適用した結果,広葉樹林流域に比べて針葉樹林流域の蒸発散量が大きいことが明らかになった.また,蒸散量をPriestley-Taylor式により推定することで, 蒸発散量から遮断蒸発量を分離したところ,落葉広葉樹流域に比べて針葉樹流域の遮断蒸発量が大きいことが示唆される結果となった.さらに,総流出量を直接流出量および基底流出量に分離することで,両流域の流出特性を検討したところ,2流域間に直接流出率に差がみられず,総流出量の差を生じさせているのは基底流出量の違いであった.これら水収支の各成分の検討から,林相の違いが遮断蒸発量と基底流出量に大きく影響していることを明らかにした.
  • 竹村 武士, 渡部 恵司, 水谷 正一, 小出水 規行, 森 淳, 朴 明洙
    2011 年 79 巻 1 号 p. 9-16
    発行日: 2011/02/25
    公開日: 2012/02/25
    ジャーナル フリー
    水域のネットワーク化を考慮可能な個体群動態モデルの構築を目指して,個体群成長を表す重要パラメータrの設定値について検討した.対象魚類はタモロコとし,現地調査で得た全長組成および再生産に関する既往知見を基に,仮想的なコホート生命表を作成して生残率を算出した.さらに,その値の不確実性を考慮するため,他魚種の知見ではあるが,数少ない野外個体群動態の知見を参考に,乱数を用いて生残率に変動を与えて,個体群成長のシミュレーションを行った.以上の結果,開発するモデルの運用目的に沿い,ネットワーク化の効果を過大評価しない,厳しめのrとして,平均的には0.36(/year)程の値を用いることに無理はないと考えられた.ただし,計算対象とする期間の長短に応じて,その変動幅を設定する必要があると考えられた.
研究報文
  • 三輪 弌, 高井 和彦
    2011 年 79 巻 1 号 p. 17-23
    発行日: 2011/02/25
    公開日: 2012/02/25
    ジャーナル フリー
    取水堰下流河床の局所洗掘によって,堰本体の損壊や護床工の流亡などの洪水災害が多く発生している.その対策として,護床工の設置や補強工事を実施することが多いが,洗掘軽減効果に関しては不明な点が多い.堰下流の河床洗掘状況は,河川の砂礫堆形成とそれに伴う洪水時水流の蛇行に大きく影響されるので,砂礫堆が形成される水理諸量を選び,水路実験によって階段工や斜路工など5種類の護床工の洗掘軽減効果を検討した.その結果,(1)堰下流に護床工を配置することによって,どの護床工でも河床洗掘の軽減効果が認められた.(2)護床工設置は堰下流段落ち流による洗掘を防ぎ,下方に向かう流れを水平方向流に変えることによって,洗掘が軽減されると推察された.(3)より効果を発揮するためには,護床工の設置深さと長さが必要であり,2段式の階段工において最も効果的であった.
  • 坂田 寧代
    2011 年 79 巻 1 号 p. 25-31
    発行日: 2011/02/25
    公開日: 2012/02/25
    ジャーナル フリー
    大規模借地経営が展開し,かつ,圃場分散問題が存在する,農地賃貸借進展地域における畦畔管理実態を明らかにするため,石川県白山市y地区n集落を対象に,聞き取り,資料収集,写真撮影,アンケート調査を行った.調査区域では,1)一部の水田が,農業生産法人によって借入耕作され,畦畔管理が行われている,2)転作地の大豆栽培が,農業生産法人に委託され,畦畔管理が所有者に再委託されている.調査の結果,農業生産法人の耕作水田,大豆転作地,自作水田において,畦畔管理は粗放化されていなかった.それぞれの理由として,経営戦略,経済的インセンティブ,人目による相互規制等が考えられる.
  • 森 洋
    2011 年 79 巻 1 号 p. 33-38
    発行日: 2011/02/25
    公開日: 2012/02/25
    ジャーナル フリー
    上向き浸透流による浸透破壊現象を再現するための遠心模型実験を行った結果,遠心場条件(1G場~50G場)によらずボイリング時の動水勾配はTaylorの限界動水勾配(ic)よりも25%程度高い値を示しており,ボイリング時の動水勾配に対する圧力レベルにおけるスケール効果の影響は小さかった.また,破壊に至るまでの地盤内変状については,ic付近から地盤上層部での地盤変状が見られた.特に,遠心場実験では地盤の不均一性の影響も少なく,全体的な浸透破壊挙動を確認できたことから,浸透破壊問題の実験的考察を行う場合は遠心模型実験が有効であることが示された.
研究ノート
feedback
Top