農業土木学会論文集
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1982 巻, 100 号
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  • 室内実験を中心として
    月舘 光三
    1982 年 1982 巻 100 号 p. 1-7,a1
    発行日: 1982/06/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    低位泥炭地における農地工学的改良は, まず排水によって地下水位を低下させることが必要である。本研究は地下水位変化に伴う泥炭地盤変動の実態を明らかにするため行われた。実験は東北地方の低位泥炭を対象として, 主として水槽による水位コントロール実験および載荷実験を行い, さらに野外実験も加えて沈下曲線の分析や全沈下量に占める圧密沈下量の割合, あるいは影響深さなどについて検討し, 泥炭地盤変動の実態を分析した。
  • 中野 政詩, 雨宮 悠, 藤井 克己, 石田 朋靖, 石井 祐二
    1982 年 1982 巻 100 号 p. 8-16,a1
    発行日: 1982/06/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    不飽和粘土について浸潤試験を行い, 水分分布, 固相分布, 水分張力, 浸入水量, 体積膨張量等の時間的変化を明らかにした。その結果から水分および固相の移動論的考察を行い, 水分拡散係数と固相拡散係数を定義し, おのおのの関数関係を明らかにした。これを用いて水分および固相の移動方程式を解けば, その解は実測値とよく一致することを示した。さらに, 浸入水量や体積膨張量も試料表面の水分や固相の流束から計算すると実験値をよく表わした。
  • 杉浦 俊弘, 小林 裕志
    1982 年 1982 巻 100 号 p. 17-21,a1
    発行日: 1982/06/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    自然構造土と突固め構造土での貫入抵抗値, 土壌構造の違いを明らかにし, それらが牧草根の伸長に及ぼす影響について検討した。牧草根の伸長は, 間隙が連続的につながっている土壌では強度が高くても根が間隙に沿って伸長して変形するため規制されない。しかし, 間隙が屈曲した土壌では, 伸長が規制された。また, 自然構造を乱した土壌では, 根が土壌間隙の形状を変化させて伸長する可能性がみられた。
  • 田熊 勝利, 河野 洋
    1982 年 1982 巻 100 号 p. 22-27,a1
    発行日: 1982/06/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    地表薄層流による黒ばくの侵食は複雑である。土壌侵食過程には雨滴による土の分離, 輸送と地表薄層流による土の分離, 輸送という4過程がある。土壌侵食を解明するうえで4過程を分割して研究することは重要である。また, それらに及ぼす種々な因子について多くの実験を系統だてて行い, 明らかにしていかねばならない。ここに, 地表薄層流による土の分離と輸送という問題のみを取上げ, Kalinskeの掃流砂量式を利用して黒ぼくにおける侵食量の無次元表示を試みた。また, 重回帰分析を用いても同様に定量的解明に務めた。この論文にて明らかにしたことは以下のようである。
    黒ぼくの侵食において, その侵食量と砂量は一次の直線関係にて示され, 勾配が14%以上では砂量が流出土の大半を占めている, そして, 土粒子が団粒として流出している。それゆえに, 掃流砂量式の適用を考え, 黒ぼくの侵食量について無次元表示を試み, 黒ぼくに関する室内, 野外での実験式を示している。また, 地表薄層流による黒ぼくの侵食量は砂量を考慮すると, Kalinskeの曲線とおおむね一致する。いくつかの変数を考える時, 掃流力, 流速, 土の平均粒径, 水深が地表薄層流による侵食において用いられる最も重要な因子である。重回帰分析による黒ぼくの侵食量予測式は (11) 式にて表わされる。重相関係数は0.964である。そして, 掃流力因子は侵食量変動の約76%に寄与している。
    流速は流量, 斜面長および斜面勾配の3変数による重回帰式にて予測できる。
    なお, 本論文では地表流去水を薄層流として解析を行ったが, 実際の侵食は特定部分に流れが集中して起るのが普通であり, この点は今後検討してゆきたいと考えている。
  • 大規模草地造成に伴う土・水環境の変化と保全に関する基礎研究 (III)
    桜井 雄二, 佐藤 晃一
    1982 年 1982 巻 100 号 p. 28-35,a1
    発行日: 1982/06/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    高標高地において不耕起造成された草地土壌の挙動を, 乾燥密度 (ρd) を指標にして経年的に論じ, その機構を明らかにした。
    放牧期間中にρdは増大する。それは放牧密度との間に若干の相関性が認められた。それが冬期間の凍結・融解作用によって膨軟化する。そのρd減少量は凍結指数に正比例する。このような増減を繰返しながら, 経年的にρdが増大する。これは表層土に明確に現われる。
  • 土壌吸着水の磁気的研究 (VII)
    佐藤 裕一
    1982 年 1982 巻 100 号 p. 36-40,a1
    発行日: 1982/06/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    アロフェン粘土の構造OHや, それに吸着する吸着水分子の中の水素原子核の核スピンによって生ずる磁場の核磁気共鳴スペクトルから, 実測2次モーメントを計算した。その実測2次モーメントを基に, 構造OH間距離を求めた。さらに, アロフェン粘土に吸着する吸着1分子層の平均的な配向構造を仮設して, 理論2次モーメントを計算した。そして, 吸着1分子層の平均的な配向構造を提案した。
  • 農業用水利用構造に関する実証的研究 (VI)
    江崎 要, 竹中 肇, 駒村 正治
    1982 年 1982 巻 100 号 p. 41-54,a2
    発行日: 1982/06/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    本論では, そ菜類主体のM地区C工区, 果樹 (ミカン) のA地区を取上げ, 畑地用水の実使用量に関して, その量的水準, 周年的水利用パターン, その背後に隠されている問題点等について多角的に論及した。
    畑地用水は, ある特定の最大使用期だけでなく, 期間平均的な考え方の重要性を指摘した。畑地用水の量的水準は, 期間平均値でみると, 意外なほど少く, その上限値としては1.0mm/日程度が目安になることを論証した。
  • 内部落下流に関する実験的研究 (II)
    乃万 俊文, 中村 充, 桜井 敏幸, 熊谷 健蔵, 島川 良英
    1982 年 1982 巻 100 号 p. 55-62,a2
    発行日: 1982/06/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    内部落下に伴う混入の基本式を研究 (1) において得た。それはエネルギーの熱損と上・下層からの混入比を未知量とした落下高に関する高次式である。
    密度成層のない場合, 熱損は落下高の関数となり, 結局混入率は落下高に関する3次式となる。
    成層のある場合落下高と混入率の関係を実験的に得た。なお, この場合熱損はゼロと見なせる。
  • 一元上昇浸透流による砂柱の破壊に関する理論的研究 (8)
    田中 勉
    1982 年 1982 巻 100 号 p. 63-75,a2
    発行日: 1982/06/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    Minimum Criterionの概念を用いて, 多層系砂柱の浸透破壊に対する限界図 (限界曲線と限界時の残留有効応力分布) を求める方法について述べた。本報で示した限界図の求め方は, 前報で述べた方法と比べて, 多層系に対しても簡潔であり, 有用であると考えられる。
    また, 多層系砂柱の上端に抑止板がある場合, 抑止板にかかる圧力, および, 砂柱内部鉛直有効垂直応力分布がどのようになるかを, 限界曲線を用いて示した。
  • 1982 年 1982 巻 100 号 p. 75
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
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