前報で導いた蒸発時の土壌水分変化を表す近似解をもとに,水分拡散係数
Dを算定する3種類の方法を提案した。それらは,(1)蒸発速度
eと水分分布θ(x)からマトリック・フラックス・ポテンシャルφとθの関係を求める方法,(2)土層の平均水分量θと不透層の深さでのθ
lとの差を表す近似式による方法,(3)減率期についてD(∂)∞
d(In
e)/
dtがほぼ成り立つことを利用する方法,から成る。土壌カラムの実測値を用いて
D(θ)を求めると,各方法による
Dはほぼ一致した。また,この
Dを用いた差分解が元の実測値とよく一致することから,これらの
Dの算定法が妥当であり,低水分領域の透水性を測定する有効な手段となり得ることを示した。
抄録全体を表示