(1) コア採取による中性化・圧縮強度・凍結融解の各試験結果から, 現場打ちの用水路コンクリートの劣化は, 水面付近より上方で, かつ天端にかけて進行が早い。
(2) コンクリート製品の成形に当って, 振動によって失われる空気量は, 0.7~1.0%程度であった。
(3) 蒸気養生後, 屋外に放置したコンクリートの圧縮強度は, 1日1工程の場合, 材令14日で標準養生の82%, 材令28日で72%であった。これらが1日2工程では, それぞれ60, 54%となる。
(4) 圧縮強度に影響を与える因子は, 前置き時間より養生工程が卓越している。
(5) 脱型後の水中養生が圧縮強度に与える影響は大きい。しかしこの実験では材令3日と7日水中養生の間に差は示されなかった。
(6) 蒸気養生を経た瓢ンクリートでも, 連行空気が凍結融解作用に対して大きな抵抗力をもつ。しかも, 前置き時間の短い1日2工程で成形された供試体についても認められた。
(7) コンクリート圧縮軽度と耐久性の間には, 相関が認められない。コンクリート製品の耐久性は, 連行空気によって最も大きい影響を受ける。
(8) 凍結融解作用を受ける積雪寒冷地帯に使用されるコンクリート製品の品質管理が, 主として圧縮強度で行われていたということに対して新たな問題を提起した。
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